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【復讐の王子様】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【復讐の王子様】第9話をネタバレありで解説する

第8話にて、復讐の王子様・美馬響(みま ひびき)の罠に完全にはまり、父親のカードで多額の浪費を重ねてしまった柳萌絵(やなぎ もえ)。第9話では、その悪行が白日の下に晒され、追い詰められた彼女に響がさらなる追い打ちをかけ、地獄への扉を自ら開かせる、まさにクライマックスへと向かう展開が描かれます。

最初の亀裂と深まる孤立

幸せの絶頂にいた萌絵の日常は、父親の怒声によって一瞬で崩れ去ります。

父親からの叱責と経済的制裁

「ひゃ…100万!?」 。父親に突きつけられたクレジットカードの明細には、信じられない金額が記載されていました 。激怒した父親は、「高校生のうちからこんなお金の使い方をするなんて…」と萌絵を叱りつけ、「しばらくカードは止めるからな!」と、彼女の唯一の資金源を断ってしまいます 。響とのデートの約束を控え、萌絵は絶望の淵に立たされました

親友・玲奈との決別

翌日、落ち込んだ様子で登校した萌絵は、親友であるはずの玲奈に「カード止められちゃったの…」と愚痴をこぼします 。しかし、玲奈からの返事は「どうせまたどうでもいい物ばっか買ったんでしょ」という、あまりにも冷たいものでした 。この一言に、ついに萌絵の我慢は限界に達し、「いつも萌絵のこと見下して馬鹿にしないでよ!」と、初めて玲奈に反抗します 。すぐに後悔するものの、彼女の心はすでに「今は玲奈なんてどうでもいい」「萌絵には響が居てくれればいいもん」と、響へと完全に傾いていました 。響の狙い通り、萌絵は完全に孤立したのです。

王子様からの「非情」な通告

頼れるのは響だけ。そう信じて彼に会いにいった萌絵を、さらに残酷な現実が待ち受けます。

突然の援助打ち切り宣言

レストランで会うなり、響は萌絵に「もう俺の援助はしなくていいよ」と告げます 。彼は「ずっと悪いと思ってたんだ」と、あくまで萌絵を気遣う素振りを見せますが、これは彼女をさらに追い詰めるための計算された一言でした

玲奈という名の「次の支援者」

響は、俳優になるための大きなオーディションのチャンスが来たこと、そしてそのためにはまとまったお金が必要なことを明かします 。どうするのかと尋ねる萌絵に対し、響はとどめの一撃を放ちます。 「大丈夫だよ 玲奈が助けてくれるんだ。 響は、最近玲奈とよく話すようになったこと、そして萌絵のカードが止められたことも玲奈から聞いた、と平然と語るのです

地獄への扉を開く最後の言葉

響の言葉は、萌絵の心に突き刺さりました。

「玲奈を選ばないで!」という絶叫

「結局 響も玲奈を選ぶの…?」 。一番のコンプレックスの対象である玲奈に、唯一の希望であったはずの王子様まで奪われてしまう。その恐怖は、萌絵をパニックに陥らせます。「嫌だ!!」と叫んだ彼女は、「響のためならなんでもするから…っ」「だから玲奈を選ばないでっ!!」と、なりふり構わず響に懇願するのでした

「どんなことでもできる?」

全ては響の思惑通りでした。彼女が自ら破滅の道を選ぶよう、完璧に追い詰められたのです。響は、必死に自分に縋る萌絵を冷たい目で見下ろし、静かに、しかしはっきりと問いかけます。 「………………本当に?俺のためなら どんなことでもできる? その言葉と共に、萌絵が怪しげな男たちに囲まれている不穏な光景が映し出されます 。彼が萌絵に「なんでもする」ことの代償として、何をさせようとしているのか。その恐ろしい計画の一端が垣間見えた瞬間でした。

まとめ【復讐の王子様】9話を読んだ感想

第9話は、復讐の王子様・響の冷徹な策略家ぶりがいよいよ本領を発揮した、息をのむような回でした。萌絵の破滅へのカウントダウンが、一気にゼロへと近づいていく展開に、ページをめくる手が止まりませんでした。

特に秀逸だと感じたのは、響が玲奈をダシにして萌絵を追い詰める手口です。萌絵にとって、玲奈に負けることは、何よりも耐え難い屈辱。その最大の弱点を的確に突き、彼女の理性を麻痺させていく様は、まさに悪魔の囁きそのものでした。響が「玲奈が助けてくれる」と言った時の、萌絵の絶望に満ちた表情は、彼女のこれまでの人生がいかに玲奈への劣等感に支配されていたかを物語っており、非常に印象的です。

そして、ラストの「俺のためならどんなことでもできる?」という問いかけ。これは、萌絵の人生を終わらせるための、最終確認です。響の表情からは、もはや一切の同情は読み取れません。あるのは、かつて自分をいじめていた相手が、自らの手で地獄の扉を開けようとしているのを静かに見届ける、冷たい満足感だけ。

復讐は、ついに金銭的な破滅から、萌絵自身の心と体を犠牲にさせる、より罪深く、取り返しのつかない領域へと足を踏み入れようとしています。最初のターゲットである萌絵の運命は、もはや風前の灯火。彼女が次に何をさせられるのか、恐ろしくも目が離せない、最高のクリフハンガーでした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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