復讐モノ

【未来は私の言う通り 復讐の占い師】20話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 美都の呪いにより、若者たちは自分の意思とは関係なく、仲間同士で殴り合い自滅していった
  • 美都は、奪い返した宝くじを亡くなった男性の妻に届け、夫の最後の言葉を伝えた
  • 妻は、夫の愛情に涙しながらも、「お金よりも生きていてほしかった」と悲しみに暮れる
  • 美都は、自分の占いが招いた結末に後悔の念を抱く
  • その帰り道、美都はアパートの前で、父親との確執を抱える謎の少年と出会った

【未来は私の言う通り復讐の占い師】第20話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、ホームレスの男性を巡る悲しい事件が終わりを告げたのも束の間、美都の前に現れた謎の少年。第20話では、この少年が占い屋「はちかけ」を訪れます。彼の純粋すぎる願いと、その裏に隠されたあまりにも残酷な現実が、美都の心を大きく揺さぶります。

新たな来訪者、純粋な願いを抱く少年

ある晴れた日、美都が店の開店準備をしていると、一人の少年がおずおずと声をかけてきます。「あの…ここって占い屋さんですか!」。それは、先日美都がアパートの前で見かけた、あの少年でした。

「占ってほしいんです!」

純粋な瞳でそう訴える少年。美都は「いいけど…お金はある?」と尋ねます。すると、少年はポケットから、なけなしの小銭を差し出しました。

(このぐらいの子の最大限のお金って感じね…)

その必死な様子に、美都はかつての自分を重ね合わせます。 (この子…何かに縋りたいのね…) (縋りつきたい気持ちは痛いほどわかる…………) そう心の中で呟いた美都は、「いいわよ」と優しく少年を店の中へと招き入れるのでした。

占いと勘違いした「お祈り」

店の中に入ると、少年は占い師である美都の前で、いきなり手を合わせて祈り始めます。

「お父さんとお母さんと仲良くできますように」

その意外な行動に、美都は「…何してるの?」と優しく問いかけます。少年は、きょとんとした顔で「え?占いって願い事を叶えるんでしょ?」と答えました。

美都は苦笑しながら、「…それは神社でやることだね」「私の占いは未来を見ることが多いわ」と説明します。

同じ「俵」の姓を持つ少年、朝陽

「君は未来を見たくない?」という美都の問いに、「よくわかんないや」と答える少年。美都は、彼に顧客シートを渡し、名前を書くよう促します。

そこに書かれていた名前は、「俵 朝陽(たわら あさひ)」

自分と同じ「俵」という苗字であることに、美都は驚きを隠せません。 「私も『俵』って苗字なの 一緒ね」「そうなんだ!」と、二人の間にわずかな心の交流が生まれます。

(この子の力になれればいいな……)

そう思った美都は、「じゃあ朝陽君のことを占うわね」と、水晶玉に意識を集中させ始めます。

水晶に映る、虐待という名の地獄

美都が水晶を覗き込むと、そこには衝撃的な光景が映し出されていました。

最初は、朝陽が笑顔で遊んでいる幸せそうな姿。しかし、次の瞬間、場面は一変。父親と思われる男性が、朝陽を蹴り飛ばし、髪を掴んで引きずるという、凄惨な暴力の映像が流れ込んできたのです。

(しかも親からの虐待…最悪ね…………)

「お父さんと仲良くしたい」という純粋な願いの裏に隠されていた、あまりにも残酷な現実。そのギャップに、美都は言葉を失い、ただ愕然とするしかありませんでした。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】20話を読んだ感想(ネタバレあり)

第20話は、心がえぐられるような、非常につらい回でした。前回のラストで登場した少年・朝陽くんが、まさかこれほどの地獄を生きていたとは…。彼の「お父さんとお母さんと仲良くできますように」という、あまりにも純粋で健気な願いが、その後の虐待のシーンとの対比で、より一層胸に突き刺さりました。

彼は、自分が暴力を振るわれている現実から目をそらし、「仲良くしたい」と願うことで、必死に心の均衡を保っていたのかもしれません。そう考えると、彼の純粋さが痛々しくて、涙が出そうになります。

そして、美都が彼に自分を重ね合わせるシーン。なけなしのお金を見て「縋りつきたい気持ちは痛いほどわかる」と感じる場面は、彼女もまた、幼い頃に同じような絶望を抱えていたことを示唆していて、非常に切なかったです。

さらに、朝陽くんの苗字が、美都と同じ「俵」だったという衝撃の事実。これは単なる偶然なのでしょうか。それとも、二人の間には何か特別な因縁があるのでしょうか。物語の根幹に関わる、新たな謎が提示されたように感じます。

親からの虐待という、美都自身のトラウマと直結するテーマ。彼女は、この幼い少年を救うことができるのか。そして、彼女自身の過去とどう向き合っていくのか。物語は、これまで以上に重く、そして深い領域へと進んでいくことを確信させる回でした。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】20話のネタバレまとめ

  • 前回登場した謎の少年が、占い屋「はちかけ」を訪れ、美都に占いを依頼する
  • 少年はなけなしの小銭を差し出し、美都は彼に自分を重ね合わせ、占いを引き受ける
  • 少年は、占いとは知らずに「両親と仲良くできますように」と手を合わせて祈り始める
  • 彼の名前は「俵 朝陽」といい、美都と同じ苗字であることが判明する
  • 美都が朝陽の未来を占うと、水晶には彼が父親から凄惨な虐待を受けている衝撃的な光景が映し出された

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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