【枯れた花に涙を】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第14話をネタバレありで解説する

同僚の幸せそうな結婚式の話から、かつて元夫・鉄平と交わした果たされないままの約束を思い出した樹里。第14話では、甘く切ない過去の記憶と、蓮(れん)との間で芽生え始めた新たな関係、そして真実と向き合おうとする樹里の強い決意が描かれます。

果たされなかった「ハワイでの結婚式」という約束

花屋の同僚が、親戚のフォトウェディングの写真に心をときめかせている姿を見て、樹里は鉄平との過去を思い出します

幸せな記憶と苦い現実

役所で籍を入れただけの日、二人に結婚式を挙げる余裕はありませんでした 。しかし、鉄平は「きれいなドレス着せてやるよ」「新婚旅行はやっぱハワイかな」と、輝かしい未来の計画を楽しそうに語ってくれたのです 。

「気持ちさえ変わらなければ」

もちろん、その約束が果たされることはありませんでした。それでも樹里は、「私たちの気持ちさえ変わらなければそれでいいの」と、ただひたすらに彼を信じ、自分に言い聞かせていたのです 。その健気さが、現在の彼の裏切りによって、より一層悲しく胸に響きます。

深まる蓮の謎と、彼の「本当の顔」

樹里が過去の思い出に沈んでいると、蓮から「仕事終わったら少し会えますか?」とメッセージが届きます 。彼の顔のケガを心配していた樹里は、次のバイトまでの短い時間、彼と会うことにしました

「俺が怖いんです」

待ち合わせ場所に現れた蓮は、いつものカジュアルな服装とは違う、シックなコートを纏っていました 。夜道を心配する彼に、樹里が「私は大人よ」と強がってみせると、蓮は少し寂しそうに「俺が怖いんです」と呟きます 。彼の少年のような一面に、樹里の心は和むのでした。

「人を埋めたことはある?」

しかし、彼には全く別の顔がありました。場面は変わり、部下らしき男と二人きりの蓮。彼は、まるで世間話でもするかのように、しかし有無を言わせぬ迫力で「人を埋めたことはある?」と物騒な質問を投げかけます 。

「会長に瓜二つです」

怯える部下は、蓮の姿が「会長に瓜二つです」と口にします 。この一言から、蓮がただの青年ではなく、巨大な組織のトップである「会長」と深い繋がりを持つ、底知れない人物であることが強く示唆されるのです。

真実を確かめるために―決意の夜

蓮との穏やかな時間も束の間、樹里の心は再び鉄平への疑念と不安で満たされます。

蓮の言葉が押した背中

息苦しいほどの不安に駆られる中、彼女の脳裏に蓮の言葉が蘇ります。「自分のしたいようにしてください」 。この言葉が、これまで見て見ぬふりをしてきた現実と向き合う勇気を、彼女に与えたのです。

「家族です」―鉄平の会社へ

樹里は、自分の足で真実を確かめるため、タクシーに飛び乗り鉄平の会社へと向かいます 。関係者以外立ち入り禁止のオフィスビル。樹里は守衛に、震える声でこう告げます。「金子鉄平という者に用があって…家族です」 。守衛は、鉄平が残業ではないはずだと訝しみながらも、彼女を中へと通すのでした 。

まとめ【枯れた花に涙を】14話を読んだ感想

第14話は、樹里の甘く切ない過去の回想と、蓮の謎に包まれた現在、そして自らの意思で未来へ踏み出そうとする樹里の決意が描かれた、非常に重要なターニングポイントとなる回でした。鉄平がかつて語った結婚式の約束は、彼の現在の裏切りを知る今となっては、ただただ悲しく響きます。

一方で、蓮のキャラクターは回を追うごとに深みを増していきます。樹里に見せる少年のような顔と、部下に見せる組織の幹部のような冷徹な顔。そして、「会長に瓜二つ」という新たなキーワード 。彼の正体と目的への興味が尽きません。

しかし、今回最も胸を打たれたのは、樹里の最後の行動です。蓮の言葉に背中を押され、震えながらも自分の足で真実を確かめに向かう姿は、彼女がこれまでの受動的な自分から脱却しようとする、力強い第一歩に見えました。「家族です」と名乗る彼女の言葉には、悲しみと、ほんの少しの期待と、そして決意が入り混じっているように感じられます。ドアの先に待ち受けるのが絶望だとしても、彼女が自分の意思でそれを確かめに行くという展開に、今後の物語への期待が最高潮に達しました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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