【枯れた花に涙を】17話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【枯れた花に涙を】第17話をネタバレありで解説する
「毎日会いに来ます」―蓮(れん)の真っ直ぐな言葉に、樹里の心は確かな温もりを感じ始めていました 。第17話では、二人の距離が急速に縮まる一方で、元夫・鉄平の裏切りが最悪の形で樹里の目の前に突きつけられます。穏やかな日常と、その下に隠された残酷な現実が交錯する、衝撃の展開が待ち受けます。
偽りの団欒―鉄平と亜里沙の甘い時間
物語は、鉄平が愛人の西野亜里沙を、こともあろうに樹里の家に招き入れている場面から始まります。そこは、樹里が必死に守ってきたはずの空間でした。
樹里の家で逢瀬を重ねる二人
亜里沙は、古いながらも手入れの行き届いた部屋を見て、「すごくきれいね」と無邪気に褒めます 。樹里が毎日掃除をしているとは知らない鉄平は、自分が褒められたかのように感じ、満更でもない様子です 。そして、寒いと甘える亜里沙を「奥の部屋に行こう」と寝室へ誘うのです 。
樹里を嘲笑うかのような鉄平の思考
鉄平のモノローグでは、樹里との冷え切った関係が語られます。いつからか自分に背を向けて寝るようになった樹里の姿に、「永遠に消えない傷を刻むように」感じていたと独白します 。彼は、樹里との関係が「虚しく壊れていく」ことを自覚しながら、それを改善するどころか、別の女性との情事で埋め合わせようとしていたのです。
熱に浮かされる蓮と、芽生える母性
一方、樹里は蓮からの連絡を受け、仕事の合間に彼と会う約束をします。しかし、待ち合わせ場所に現れた蓮は、明らかに様子がおかしく、熱を出していました。
「家に帰れないんです」
樹里は、高熱にうなされる蓮を心配し、自分の家に連れて帰ることを決意します。蓮は、そんな彼女の申し出に「家には帰れないんです」と弱々しく答えるのでした 。彼が抱える家庭の事情、そして深い孤独が垣間見える瞬間です。
「前みたいに会いに来てもいいわよ」
蓮を介抱しながら、樹里は彼との関係に安らぎを感じ始めている自分に気づきます。そして、蓮の存在が自分の退屈な日常に彩りを与えていたことを認め、はっきりとこう告げるのです。 「…じゃあ、前みたいに会いに来てもいいわよ。私も少し…退屈だったし」
この言葉に、蓮は心の底から嬉しそうな笑顔を見せるのでした。
最悪の鉢合わせ―扉の先にある地獄
蓮を自宅アパートまで連れてきた樹里。しかし、その扉の先には、想像を絶する光景が広がっていました。
「灯りがついてる…?」
部屋の電気がついていることに、樹里は気づきます 。残業だと言っていた鉄平がなぜ?言いようのない不安が彼女の胸をよぎります。
聞こえてきた甘い声
ドアの隙間から聞こえてきたのは、鉄平と、そして聞き覚えのある甘えるような女性の声でした。「金子さんたら…」「もう一回やるか?」 。
目の前に広がる裏切りの光景
樹里が恐る恐るドアを開けると、そこにはベッドの上で裸で抱き合う鉄平と亜里沙の姿がありました。それは、彼女が毎晩見ていた悪夢が、現実になった瞬間でした。
まとめ【枯れた花に涙を】17話を読んだ感想
第17話は、前半の樹里と蓮の心温まる交流と、ラストの地獄のような鉢合わせシーンのコントラストがあまりにも鮮烈で、読後はしばらく言葉を失いました。熱を出した蓮を心配し、母性にあふれた優しさを見せる樹里の姿に、彼女が本来持っている温かさを感じ、幸せになってほしいと心から願いました。
しかし、その願いは、鉄平によって最も残酷な形で裏切られます。自分が必死に守ってきた家で、他の女性と平然と体を重ねる元夫の姿。これ以上の絶望があるでしょうか。毎晩見ていた悪夢が現実になった瞬間、樹里の心はどれほど張り裂けそうになったことか、想像するだけで胸が苦しくなります。
そして、この最悪の瞬間に、蓮がすぐそばに居合わせたこと。これは、不幸中の幸いなのか、それとも彼の計画通りなのか。彼の真意はまだ謎に包まれていますが、この地獄絵図を前に、彼がどう動くのか。樹里を救うための行動に出るのか、それとも…。物語は破滅的なクライマックスへと向かい始め、次回の展開から一瞬たりとも目が離せません。
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