【枯れた花に涙を】19話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【枯れた花に涙を】第19話をネタバレありで解説する
鉄平の裏切りを目の当たりにし、ついに意識を失ってしまった樹里。彼女が次に目覚めたのは、真っ白なシーツに包まれた病院のベッドの上でした 。第19話では、倒れた樹里のために奔走する蓮(れん)の意外な行動と、彼の背後に存在する巨大な影、そして二人の間に流れる温かな時間が描かれます。
病室で見守る蓮と、部下の辛辣な言葉
蓮によって病院に運ばれ、眠り続ける樹里。蓮は、ただ静かに彼女のそばに付き添っています。
倒れた樹里と付き添う蓮
蓮の忠実な部下が病室を訪れ、「解熱剤を打ってゆっくり休めばよくなるそうですから」と医師からの伝言を報告します 。樹里の命に別状はなかったものの、過労と精神的ショックが大きいことは明らかでした。
「人ってあそこまで愚かになれるものなんですね」
しかし、部下は樹里の生き様を到底理解できない様子です。「私だったら誰かに誘拐されて脅迫されていたとしてもあんなふうには暮らせないと思います」と、彼女の自己犠牲的な生き方を厳しく断じます 。そして、「人ってあそこまで愚かになれるものなんですね」と、冷ややかに言い放つのでした 。
花屋に現れた「完璧な代理バイト」
部下の辛辣な言葉にも動じず、蓮は思いがけない行動に出ます。
「樹里さんの代わりにバイトしに来ました」
翌朝、蓮はなんと樹里が働く花屋に姿を現します。そして、驚く同僚の梨花に「今日は客としてじゃなくてバイトしに来ました。樹里さんの代わりに」と、堂々と宣言するのです 。彼の突拍子もない行動に、梨花と後から来た店長は度肝を抜かれます。
少女との心温まる交流
店長と梨花は、蓮の完璧なルックスを店の売上アップに利用しようと、彼に呼び込みをさせます 。すると案の定、彼の周りには人だかりができます。そんな中、一人の少女が蓮を指さし、「このお兄ちゃん買って」と母親にねだる微笑ましい一幕がありました 。蓮は、少女に優しくこう告げます。
「俺もう売れちゃったんだ。とあるおばさんが買っちゃったの」
彼の言う「おばさん」が誰を指すのかは、言うまでもありません。
明かされる蓮の背景と、謎の「会長」
物語はここで、蓮の背後にある巨大な権力の存在を明らかにします。
「私の息子はときどきわけのわからない行動をする」
蓮の部下は、ある壮年の男性に電話で蓮の動向を報告しています。その男性こそ、蓮の父親であり、「会長」と呼ばれる大物でした。会長は、蓮の行動を「わけのわからない行動」としながらも、部下にはただありのままを報告するよう命じます 。
謎に包まれた親子関係
蓮と父親の関係は、一般的な親子とは程遠い、冷たく歪んだものであることがうかがえます。蓮が抱える「不遇な家庭環境」 の根源は、この絶対的な権力者である父親にあるのかもしれません。
目覚めた樹里と、そばにいる彼
病院で目を覚ました樹里は、無断欠勤してしまったことを花屋の店長に電話で謝罪します。すると店長は、明るい声で「樹里さんの代わりの子のおかげでうちのお店すっごく繁盛してるのよ~」と告げます 。樹里が「代わりの子…?」と疑問に思った、その時。
彼女の額に、そっと手が触れられます。 「熱は下がったかな?」 優しい声と共に彼女を見下ろしていたのは、蓮でした。
まとめ【枯れた花に涙を】19話を読んだ感想
壮絶な修羅場の後、静かな病院の一室から始まった第19話。絶望の淵にいた樹里のそばに、ただ静かに寄り添う蓮の姿に、まず心が救われる思いがしました。
そして、まさかの花屋での代理バイト。彼の行動はいつも突飛で驚かされますが、その根底にある樹里への深い想いを感じずにはいられません。特に、少女に「とあるおばさんが買っちゃったの」と語るシーンは、彼の愛情表現が不器用ながらも一途であることを示しており、本作屈指の名場面だと思います。
一方で、蓮の父親である「会長」の登場は、物語に新たな緊張感をもたらしました。蓮の行動を「奇行」と一蹴する父親との間には、深刻な断絶があるようです。彼の抱える闇と、樹里を救おうとする(あるいは計画を遂行しようとする)行動が、どう結びついていくのか。
ラストシーン、目を覚ました樹里と、優しく彼女を見守る蓮。この穏やかな時間が、嵐の前の静けさでないことを祈るばかりです。二人の未来に、ようやく希望の光が見えてきたように感じられる、そんな美しい一話でした。
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