【枯れた花に涙を】21話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第21話をネタバレありで解説する

鉄平の裏切りを目撃し、全てを失った樹里。第21話では、絶望の淵に立たされた彼女が、過去と決別するために踏み出した小さな一歩が描かれます。一方で、蓮(れん)を取り巻く不穏な家族の影と、破局を迎えた鉄平と亜里沙の関係が交錯し、物語は最終章へ向けて複雑な様相を呈していきます。

蓮をめぐる不穏な家族関係

物語は、蓮と彼の部下である譲二の会話から始まります。そこでは、蓮が抱える家族問題の根深さが垣間見えます。

帰国する兄と「甘い嘘の贈り物」

譲二は、蓮の兄が1年ぶりに海外から帰国し、会長である父親が家族での食事会を計画していることを報告します 。しかし、蓮はその知らせを鼻で笑うかのように、こう言い放ちます。「死んだとでも言っといてよ」 。兄もまた自分の死を望んでいるはずだと嘲笑い、その嘘を「帰国祝いに甘い嘘の贈り物だよ」と語る蓮の姿から、彼の家族関係が極めて歪であることがうかがえます 。

鉄平と亜里沙、愛憎の果て

一方、鉄平は自分を避けるようになった愛人・亜里沙をやっとのことで捕まえますが、二人の関係はすでに取り返しのつかない段階にありました。

「他の女と寝た汚い手で触らないで」

亜里沙は、樹里の存在を知り、鉄平の手を振り払って「他の女と寝たそんな汚い手で私に触らないでよ…」と激しく彼を拒絶します 。

苦し紛れの言い訳と、哀れな本心

追い詰められた鉄平は「お前と付き合ってる間あいつと寝たことはねぇ」と嘘をつき 、「事情があってあいつと一緒に住んでる」と苦しい言い訳を重ねます 。そして、離婚の事実も認めながら、「女一人幸せにできる力もないくせにバツまでついてるダメな男で悪かった」と自嘲し、彼女の前から去ろうとするのでした 。

泣きじゃくる亜里沙

しかし、そんな鉄平の背中に、亜里沙は「行かないでよ…!クソバカ男…!」と泣きながらすがるしかありませんでした 。彼らの歪んだ関係もまた、悲しい結末を迎えます。

樹里の決意―初めての「羽目の外し方」

鉄平が去った家で、一人佇む樹里。彼女は、蓮が投げかけた言葉を思い出していました。

鳴り止まない電話

空っぽの部屋で、樹里は鉄平との思い出の品をゴミ袋に詰めていきます 。そんな彼女の元に、蓮から何度も電話がかかってきます。その執拗なまでの着信に、樹里は彼の真意を測りかね、電話に出ることができません

「羽目を外してみろ」―初めての逸脱

蓮が以前言った「羽目を外してみろと煽られたせいか」 、樹里の心に小さな反逆の炎が灯ります。彼女はコンビニへ向かうと、生まれて初めてタバコを一つ購入するのです 。それは、かつて憧れた鉄平の象徴であり、彼との過去を燃やし尽くすための、彼女なりの儀式でした。

最後のひと押し

しかし、慣れない手つきでは、タバコに火をつけることすらままなりません。そんな彼女の前に、またしても蓮が現れます。彼は「それ、そうやってやるんじゃありませんけど」と静かに告げると、彼女の手からタバコを取り上げるのでした 。

まとめ【枯れた花に涙を】21話を読んだ感想

第21話は、それぞれのキャラクターが自身のしでかしたことの結末と向き合い、新たな道を選択しようとする、物語の大きな節目となる回でした。鉄平と亜里沙の哀れな結末は自業自得ですが、そこには現実の恋愛にも通じる苦さがあり、深く考えさせられました。

最も心を動かされたのは、やはり樹里の行動です。絶望の底で、彼女が選んだ小さな抵抗が「タバコを買う」という行為だったことに、彼女の不器用さと、それでも前を向こうとする健気な強さを感じ、思わず応援したくなりました。

そして、どんな時でも彼女の前に現れる蓮。まるで全てを見透かしているかのようなタイミングでの登場は、もはや運命としか思えません。彼が樹里の「初めての逸脱」をどう手伝うのか。彼の手によって、樹里は本当に過去から解き放たれるのか。二人の関係がどう進展していくのか、次回の展開から目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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