【枯れた花に涙を】22話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【枯れた花に涙を】第22話をネタバレありで解説する
鉄平の裏切りによって全てを失った樹里。そんな彼女に唯一寄り添うのは、謎多き青年・蓮でした。第22話では、それぞれの選択が新たな関係性を生み出し、登場人物たちの心情が複雑に絡み合っていきます。特に、蓮の真っ直ぐな言葉と行動が、樹里の凍てついた心を少しずつ溶かしていく様子は必見です。
鉄平の選択、亜里沙の懇願
物語は、鉄平と愛人・亜里沙(西野)の修羅場の続きから始まります。鉄平に突き放された亜里沙ですが、彼女は意外な行動に出ます。
「あたしと一緒に暮らしてよ」
帰る場所がないという鉄平に対し、亜里沙は「あたしの家で一緒に住めばいいじゃない」と懇願します 。鉄平は、彼女を「若くてピチピチで適当に遊ぶのにちょうどいい女」と心の中で見下しながらも、その申し出を受け入れるのでした 。
「切っても切れないのが夫婦の縁」という呪縛
鉄平の思考は、どこまでも自己中心的です。彼は、樹里が自分から決して離れられないと確信しており、「夫がいなくなれば樹里も俺の大切さに気づくだろうし」としばらく家を空けることを決めます 。彼にとって樹里との関係は、愛情ではなく「切っても切れないのが夫婦の縁」という都合のいい呪縛でしかなかったのです 。
タバコと嘘―縮まる二人の距離
一方、樹里は蓮と共にいました。彼女が自らの意思で初めて買ったタバコ。その一本が、二人の距離をさらに縮めるきっかけとなります。
「樹里さんなら何をしたっていい」
樹里は、蓮にタバコの吸い方を教わります 。彼は、不器用な彼女の姿を「かわいい」と言い、「樹里さんなら何をしたっていい。でも理由が『あの人』のせいならそれはちょっと嫌だな」と、素直な嫉妬心をのぞかせるのです 。
「悪いものを無理矢理体に入れる必要なんてありません」
初めて吸ったタバコに激しくむせてしまう樹里 。そんな彼女を見て、蓮は優しく「タバコより体のほうが大事です。もったいないからって悪いものを無理矢理体に入れる必要なんてありません」「大丈夫ですから捨ててください」と語りかけます 。彼の言葉は、彼女の心と体を深く気遣うものでした。
蓮をめぐる憶測と、光との対峙
樹里と蓮の間に穏やかな時間が流れる一方、蓮の周囲では、彼と、彼に想いを寄せる友人・光(ひかり)をめぐる様々な憶測が飛び交っていました。
「裏で女と遊びまくってるぜ」―友人たちの噂話
蓮の友人たちは、光が蓮に振られたと噂し、「本当に悪い男ってのはな、そうやって女に思わせぶりな態度を取る奴なんだよ」と蓮を非難します 。そして、「蓮の奴、きっと裏で女と遊びまくってるぜ」と勝手な想像を膨らませるのでした 。
「全部知ってんだよ」―郁人が光に告げた言葉
その頃、蓮の友人である郁人(いくと)は、一人佇む光の前に現れます。光は、蓮からの連絡を待ち続けていたのです。郁人は、そんな彼女に「お前が可哀想だから心配してやってんだろ?」と声をかけますが、光は「関係ないでしょ」と冷たく突き放します 。しかし、郁人は引き下がりません。そして、光も知らないであろう、蓮に関する衝撃的な事実を彼女に突きつけるのです。
「なぁ光、なんで蓮がお前にだけ特別優しかったのか、俺知ってんだ」「全部知ってんだよ」
郁人が握る、蓮と光に関する秘密とは一体何なのか。蓮をめぐる人間関係は、さらに複雑で危険な様相を呈していきます。
まとめ【枯れた花に涙を】22話を読んだ感想
第22話は、鉄平の醜悪さと、蓮の深い優しさが、これでもかというほど対照的に描かれた回でした。樹里という存在を都合のいい所有物のようにしか考えられない鉄平には、もはや同情の余地もありません。
一方で、蓮の行動一つひとつが、樹里の心を救おうとしているのが痛いほど伝わってきました。「タバコより体が大事」という言葉も、「好きな人といるのに邪魔されたくない」という言葉も、彼の不器用ながらも誠実な愛情表現だと感じます。
しかし、物語は単純な恋愛模様では終わりません。蓮の友人たちの会話や、ラストで郁人が光に告げた「全部知ってんだよ」という言葉 が、今後の大きな波乱を予感させます。蓮が光にだけ「特別優しかった」理由とは何なのか。樹里と蓮の関係が進展する裏で、新たなサスペンスの扉が開かれたように感じます。ますます物語の深みに引き込まれる、重要な一話でした。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
