【枯れた花に涙を】23話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第23話をネタバレありで解説する

鉄平の裏切りを目撃し、絶望の淵に立たされた樹里。そんな彼女に唯一寄り添うのは、謎多き青年・蓮でした。第23話では、蓮をめぐる人間関係から彼の隠された秘密が明かされると共に、樹里と蓮の関係が新たなステージへと進む様子が描かれます。

暴かれた秘密―蓮が光に優しかった理由

物語は、蓮に想いを寄せる友人・光(ひかり)と、それを知るもう一人の友人・郁人(いくと)の、緊迫した会話から始まります。

郁人と光の対立

郁人は、蓮に固執する光に対し、「自分に興味もない奴にそんなに執着してプライドとかねぇの?」と挑発的な言葉を投げかけます 。彼は、蓮が親しい振りをしながらも、その実、周りを見下していると指摘するのです。逆上した光は、思わず郁人に平手打ちをしてしまいます。

「あいつはお前に同情してんだよ。自分も病気だからな」

口論の末、郁人はついに蓮が隠していた衝撃の事実を暴露します。光の弟が病気で、彼女がその看病をしていることに触れた上で、郁人はこう言い放ちました。 「あいつはお前に同情してんだよ。自分も病気だからな

蓮自身もまた、「何年も学校に通えないぐらいの重い病気」を抱えているという事実が、ここで初めて明かされるのです 。

決別―「これからは連絡しないでくれる?」

郁人が去った後、一人残された光の前に蓮本人が現れます。真実を知ったのか知らないのか、彼女は蓮に一つの問いを投げかけます。

「できたよ。すごく好きな人」

光は「女…できたの」と静かに尋ねます。蓮は、隠すことなくはっきりと「できたよ。すごく好きな人」と、樹里への想いを認めるのでした 。

光の選択

蓮の答えを聞いた光は、瞳を潤ませながらも、毅然とした態度で「これからは連絡しないでくれる?」と、長年の想いに自ら終止符を打ちます 。それは、彼女の精一杯のプライドと、叶わぬ恋への悲しい決別でした。

樹里の戸惑いと、蓮の変わらぬ愛情

一方、花屋では、同僚の梨花が樹里と蓮の関係について興味津々でした。

「本当に私のことが好きなのかしら…」

梨花は、病気の時に代理でバイトをしてくれたり、毎日迎えに来たりする蓮の行動は、ただの「知り合い」の域を超えていると指摘します 。その言葉に、樹里も「本当に私のことが好きなのかしら…」と、彼の好意を意識し始め、まんざらでもない表情を浮かべるのでした 。

「食べさせてあげるから」

その日の仕事終わり、蓮はバイクで樹里を迎えに来ます。そして、疲れている彼女にアメを差し出しました。樹里は、以前蓮が自分にしてくれたように、「脱がなくていいわ。食べさせてあげるから」と、彼の口にアメを入れてあげるのです 。二人の間には、温かく親密な空気が流れます。

「またバカなこと考えてる」

しかし、樹里の心には一抹の不安がよぎります。蓮の優しさは、自分への「同情心」から来るものではないか、と 。そんな彼女の考えを見透かしたように、蓮は樹里の肩にそっと顔をうずめ、「またバカなこと考えてる」と優しく想うのでした 。

まとめ【枯れた花に涙を】23話を読んだ感想

第23話は、これまで謎に包まれていた蓮の過去と、彼が抱える深い苦悩の一端が明かされ、物語にさらなる奥行きが生まれた回でした。蓮が重い病気を患っているという事実は、彼が樹里の「不遇」に強く共感した理由を裏付けるものであり、彼の行動原理に説得力を与えています。

光と郁人のやり取りも、若さゆえの痛々しさやもどかしさがリアルに描かれていて、非常に印象的でした。特に、蓮への想いを断ち切るために、自ら別れを告げた光の強さには胸を打たれました。

そして、樹里と蓮の距離が着実に縮まっていく様子には、思わず頬が緩みました。樹里が蓮にアメを食べさせてあげるシーンは、二人の関係が新たな段階に進んだことを象徴する、とても可愛らしい名場面だと思います。しかし、蓮の病気という新たな事実が、今後の二人にどのような影響を与えるのか。ラストの「またバカなこと考えてる」という蓮のセリフは、優しさの中にどこか切なさが滲んでいて、一筋縄ではいかない未来を予感させます。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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