【枯れた花に涙を】24話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【枯れた花に涙を】第24話をネタバレありで解説する
「君が涙する結末を見届けてくれ」―蓮の言葉と共に、鉄平の裏切りという残酷な現実を突きつけられた樹里。第24話では、悪夢にうなされる彼女の心に、蓮の存在が少しずつ変化をもたらしていく様子が描かれます。しかしその裏で、物語に新たな嵐を呼ぶであろう、蓮の兄が登場します。
悪夢と現実―蓮に揺さぶられる樹里の心
鉄平との関係が破綻して以来、樹里は悪夢に苛まれていました。しかし、その夢の内容は、以前とは少しずつ変わり始めていました。
蓮と重なる官能的な夢
樹里の夢には、鉄平との辛い記憶だけでなく、蓮との出会いや、彼に優しくされる場面が頻繁に現れるようになります。そしてついに、彼女は蓮と体を重ねる生々しい夢を見てしまうのです 。夢の中で見た、蓮の腕に刻まれた「The root of all suffering is attachment(全ての苦しみの根源は執着である)」というタトゥーが、彼女の心に強く焼き付きます 。
罪悪感と安堵の間で
夢から覚めた樹里は、「私ったらどうかしてる…」と、蓮に対して抱き始めた自分の気持ちに戸惑います 。鉄平との関係で感じていた息苦しい罪悪感と、蓮といる時の穏やかな気持ち。その間で、彼女の心は激しく揺れ動くのでした。
「夜道が怖い」という優しい口実
複雑な思いを抱えながらも、樹里の日常には蓮の存在が当たり前のように溶け込み始めていました。
仕事終わりのささやかな変化
花屋の仕事を終えた樹里を、蓮が毎日迎えに来ることが習慣になっていました。同僚に「この辺は治安も悪いから」と心配されると、樹里は「あの子、夜道苦手だから」と、かつて蓮が言った「俺が怖いんです」という言葉を思い出し、彼を待つ自分を正当化するのでした 。
「手を繋いで帰りませんか?」―蓮の甘えた提案
その夜も、蓮は律儀に樹里を待っていました。そして、「昨日ものすごく怖い夢を見たんです。だから…今日は手を繋いで帰りませんか?」と、子どものように甘えてみせます 。樹里は呆れながらもその手を取り、二人の間には温かい空気が流れます。
赤くなった彼の顔
樹里に「悪夢ぐらいで半べそかくなんて」とからかわれ、蓮は恥ずかしそうに顔を赤らめます 。その純粋な反応に、樹里もまた自然と笑みをこぼすのでした。
新たな波乱の予兆―謎に包まれた蓮の兄、現る
物語のラスト、場面は一転し、蓮とは全く異なる雰囲気を持つ、一人の男が登場します。
「訃報以外興味ねぇから」―歪んだ兄弟関係
豪華なホテルのスイートルームらしき場所に、派手なアロハシャツを着た男が現れます。彼こそ、1年ぶりに海外から帰国した蓮の兄でした 。彼は、蓮の部下である譲二に対し、弟のことを「愛する弟ちゃん」と皮肉たっぷりに呼びながらも、「あいつのことなんて訃報以外興味ねぇから」と吐き捨てるのです 。この一言から、兄弟間の深刻で歪んだ関係性がうかがえます。
まとめ【枯れた花に涙を】24話を読んだ感想
第24話は、樹里の心が鉄平という過去の呪縛から解き放たれ、蓮という現在の存在へと向かい始めていることを感じさせる、希望に満ちた回でした。彼女が見る夢の内容の変化は、彼女の無意識がすでに蓮を受け入れている証拠のようです。
蓮が「怖い夢を見た」と手を繋ぐことをねだるシーンは、彼の少年のような可愛らしさと、樹里の母性的な優しさが溢れていて、読んでいてとても心温まる場面でした。しかし、そんな穏やかな時間の裏で登場した、蓮の兄。彼の存在は、物語に新たな嵐を呼び込むことを予感させます。弟の死を望むかのような発言からは、蓮の言う「不遇な家庭環境」の根深さが感じられ、今後の展開に不穏な影を落とします。
樹里と蓮の幸せな未来を願いつつも、彼らを取り巻く過酷な運命から目が離せない。光と影のコントラストが絶妙な、素晴らしい一話でした。
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