復讐モノ

【枯れた花に涙を】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第3話をネタバレありで解説する

前回、謎の男性客から思いがけずサンドウィッチとコーヒーを差し出された主人公・樹里 。彼の親切は同情か、それとも好意なのか。第3話では、揺れる樹里の心の内と、彼女が抱えるさらに根深い問題、そして二人の運命が再び交錯する衝撃の展開が描かれます。

明かされる衝撃の事実「私たちはもう夫婦じゃない」

同僚は、男性客の行動が紛れもない好意の表れだと大興奮 。しかし、樹里の心は晴れません。彼女の低い自己肯定感が、彼の親切を素直に受け取ることを拒むのです。

親切を「同情」と受け取る心

ふと店のガラスに映った自分の姿に、樹里は愕然とします 。そこにいたのは、疲れきって化粧っけもなく、体には湿布を貼った痛々しい女性 。これでは、彼の行動が「同情」や「慈善」に見えてしまうのも無理はないかもしれません 。「こんなに私が哀れに見えたの…?」という彼女のモノローグが、読者の胸に突き刺さります。

「夫よ」―隠された真実

もし、彼の親切が本物の好意だったとしたら、パートナーがいる身として一線を引かなければならない 。そう考えた樹里は、なおも「乗り換えちゃえ」とけしかける同僚に対し、はっきりと告げます。「彼氏じゃないわ、夫よ」と 。

しかし、この言葉の裏には、衝撃の事実が隠されていました。樹里の脳裏に蘇るのは、元夫・鉄平の言葉です。

俺はもうお前の夫じゃねぇんだよ」 「離婚しといて一緒に住んでるなんて

そう、二人は既に夫婦ではなかったのです。離婚後も、借金を理由に奇妙な同居生活を続けているという、歪んだ関係性がここで初めて明らかになります。

元夫・鉄平の身勝手な日常

樹里が過去の傷と現在の苦悩に苛まれる一方で、元夫・鉄平は自由気ままな日々を送っていました。彼の視点から描かれる日常は、樹里のそれとはあまりにも対照的です。

職場での新たな恋?

場面は鉄平の職場へ。そこで彼は、24歳の同僚・西野さんという女性に好意を寄せていることが分かります 。上司たちとの会話では、若い女性を品定めするような発言に内心で悪態をつきながらも、自身もまた若さに価値を見出している様子が描かれます 。32歳独身という立場を利用し、新たな恋を楽しもうとする彼の姿は、樹里が背負う重荷などまるで意に介していないかのようです

香水代を無心する元夫

樹里が家計を切り詰めるため、睡眠時間を削ってまで働こうと決意する中 、鉄平は彼女に香水代として2万円を無心します 。樹里はそれを咎めることなく、黙って自分のお金を用意するのです 。離婚後もなお、経済的にも精神的にも樹里に寄生し続ける鉄平。そして、それに抗うことを諦めてしまったかのような樹里の関係性が、このエピソードで色濃く示されます。

運命の再会、舞台は夜の焼肉屋

物語の終盤、視点は再び変わり、夜の街を歩く謎の男性の姿が映し出されます。彼の行動が、やがて樹里との運命を再び結びつけることになります。

謎の男性の計画?

謎の男性は、友人と食事の約束をしています。友人は、彼が普段は行かないような焼肉屋を予約したことに驚いている様子 。このことから、彼の行動には何か特別な目的があることがうかがえます。「最近やけに楽しそうだと思ったわけだ」という友人の言葉も、彼の変化を裏付けています

「いらっしゃいませ」―その先にいたのは…

一方、樹里はもう一つの職場である焼肉屋で働いていました。過去に鉄平から言われた「男は女次第」という言葉を思い出し、自分に至らない点があったから二人の関係は壊れてしまったのではないかと、自らを責めています

その時、店長の声で我に返った彼女が「いらっしゃいませ」と顔を上げると、そこに立っていたのは、あの謎の男性客でした 。彼が友人たちを連れて、客として現れたのです。花屋ではない、全く予期せぬ場所での再会。物語は、驚きに目を見開く樹里の表情を映し出し、幕を閉じます。

まとめ【枯れた花に涙を】3話を読んだ感想

第3話は、息をのむような衝撃的な事実の連続でした。まず、樹里と鉄平が既に離婚していたこと 。これまで「冷え切った夫婦」だと思っていた関係性が、実際は「元妻に寄生する元夫」という、よりいびつで深刻な問題を抱えていたことに愕然としました。樹里が背負っているものの重さが、想像をはるかに超えていたのです。

鉄平の自己中心的な振る舞いは回を追うごとにエスカレートしており、樹里が切り詰めた生活費から2万円の香水代を平然と要求するシーンには、怒りさえ覚えました 。そんな元夫に尽くし、「家族の幸せのために」と自分に言い聞かせながら働く樹里の姿が痛々しくて、目を背けたくなりました

そして、物語を大きく動かしたラストの再会シーン。謎の男性が樹里のもう一つの職場である焼肉屋に現れるとは、まさに運命のいたずら。彼が樹里の勤務先を調べていたのか、それともこれは本当にただの偶然なのか。彼の真意が一層分からなくなり、謎が深まるばかりです。

この劇的な再会が、樹里を縛り付ける絶望的な日常からの脱却のきっかけになることを、心から願わずにはいられません。次回の展開が待ちきれない、非常に密度の濃い一話でした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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