【枯れた花に涙を】33話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第33話をネタバレありで解説する

第32話で過去の思い出を断捨離し、蓮に連絡するという新たな一歩を踏み出した樹里。第33話では、彼女が自分自身のために新しいものを手に入れ、蓮との再会を果たすまでが描かれます。しかし、そこには蓮の思わぬ一言と、樹里の勘違いが重なる、コミカルながらも今後の展開を大きく左右する事件が待ち受けていました。

過去を捨て、新しい「私」へ

これまでの人生で、自分から何かを求めることをしてこなかった樹里。彼女が新しい自分になるための第一歩は、ささやかな買い物から始まりました。

ボロボロのものばかりだった人生

樹里のこれまでの人生は、いつも誰かのお古や、使い古したボロボロのものに囲まれていました 。だからこそ、彼女にとって「新しいもの」は何でも大切で、愛着が湧く対象だったのです 。その中でも、一番輝いて見えた「新しいもの」が、若き日の鉄平でした 。しかし、その鉄平もまた、初めから自分のものではなかったかのように、彼女の前から消えていきました

初めて自分で選ぶ、新しい下着

過去を振り切るように、樹里は新しい下着を買いにお店へ向かいます 。そこで店主の女性に勧められたのは、自分には縁がないと思っていた真っ赤なレースのセクシーな下着 。戸惑う樹里は、結局一番無難な白い下着を選びます

しかし、店主は「サービスよ」と言って、あの真っ赤なTバックのショーツを袋に一緒に入れてしまうのでした 。この一連の出来事は、自分らしさを探そうとする樹里の、ささやかで、けれど重要な挑戦を象徴しているようでした。

待ち合わせと、思わぬ一言

蓮への謝罪と、自分自身のけじめのために。樹里は彼を食事に誘います。しかし、待ち合わせ場所で彼女が耳にしたのは、心を凍りつかせる一言でした。

彼を想う、ささやかな贈り物

樹里は、蓮のためにささやかなプレゼントを用意していました。彼が寒い思いをしないようにと選んだ、温かい手袋と靴下 。それは、昨夜の謝罪だけでなく、彼を気遣う彼女の優しい気持ちの表れでした。

「恋人はいます」―凍りつく時間

待ち合わせ場所で樹里が目にしたのは、市場のおばさまたちに囲まれ、そのルックスを絶賛されている蓮の姿でした 。おばさまたちが「恋人はいるの?」と尋ねると、蓮はためらうことなく、はっきりとこう答えます。

「はい、います」

その言葉は、プレゼントを抱えた樹里の耳に鋭く突き刺さりました 。彼の言う「恋人」とは一体誰なのか。彼女の心は、期待と不安で一瞬にしてかき乱されてしまいます。

食事と謝罪、そして最悪の勘違い

蓮に恋人がいるかもしれない。その事実を知らされ、樹里の心は千々に乱れます。ぎこちない食事の末、彼女は勇気を出して謝罪しますが、それがさらなる勘違いと大事件を引き起こすことになります。

ぎこちないディナー

食事中も、樹里は昨夜のキスを意識してしまい、気まずさでいっぱいでした 。一方で、蓮が何事もなかったかのように平然としているため、自分だけが意識しているようで、さらに恥ずかしくなってしまいます

「嬉しかったから」―蓮の切り返し

食事の後、樹里は「昨日はごめんなさい」「酔った勢いでつい…」と、ようやく謝罪の言葉を口にします 。しかし、蓮は彼女の言葉を遮り、まっすぐに見つめてこう言いました。

「俺は別に謝ってほしくないですけど。嬉しかったから」

この予想外の返答は、樹里の罪悪感を一瞬で吹き飛ばし、彼女をさらに混乱の渦へと突き落とします。

渡してしまった、秘密のプレゼント

蓮は、ためらう樹里の様子を「心の準備がまだなら」と勘違いし、「

体だけでも…」と、彼女が持っていたプレゼントの紙袋に手をかけます 。パニックになった樹里は、「クリスマスだから…!」と、持っていた買い物袋のすべてを彼に押し付け、自宅へと逃げ込んでしまいました

そして一人になった部屋で、彼女は気づきます。蓮に渡した袋の中に、あの真っ赤なTバックが入っていたことに…

まとめ【枯れた花に涙を】33話を読んだ感想

今回は、シリアスな自己再生の物語と、ラブコメ顔負けの勘違いが絶妙にミックスされた、素晴らしい回でした。自分のためだけに新しい下着を選ぶという樹里の小さな決意が、これまでの彼女の人生を思うと、とても尊いものに感じられます。

そして、待ち合わせ場所での蓮の「恋人はいます」発言。これは心臓が止まるかと思いました。一体誰のことなのか?もしかして自分のこと…?と、樹里と一緒に読者も翻弄される、実に巧みな展開です。

しかし、ハイライトは何と言ってもラストの勘違いでしょう。樹里の謝罪に対する蓮の「嬉しかったから」という返答は、100点満点のキラーフレーズ。これには心を撃ち抜かれました。それなのに、その後のパニックでセクシー下着をプレゼントしてしまうという大失態。シリアスな雰囲気からの、この見事な落差には笑ってしまいました。

蓮が言っていた「貸し」は、樹里のこのとんでもないプレゼントによって、とんでもない「利子」が付いて返済される形になったのではないでしょうか。この大失敗が、二人の関係をどう変えていくのか。蓮がプレゼントを開けた時の反応を想像するだけで、次週が待ちきれません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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