【枯れた花に涙を】35話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第35話をネタバレありで解説する

第34話のラスト、樹里の同僚・梨花が蓮に声をかけるという、一触即発の場面で幕を閉じました。第35話では、梨花の「善意の忠告」をきっかけに、これまで謎に包まれてきた蓮の本当の目的が、恐ろしいほどの執念とともに明かされます。一方で、罪悪感に苛まれた樹里は、蓮との関係に終止符を打つことを決意。二人の想いが激しくぶつかり合う、見逃せない展開が続きます。

善意という名の刃―同僚の忠告

樹里を心配するあまり、梨花は勇気を出して蓮に直接問いかけます。しかし、彼女の善意は、意図せずして蓮の秘めたる本性を引きずり出す引き金となってしまいました。

「樹里さん…既婚者なんです」

梨花は、蓮に樹里との関係を単刀直入に尋ねます 。そして、彼が樹里に好意を寄せていることを見抜き、衝撃の事実を告げるのです。「樹里さん…既婚者なんです」と 。梨花は、樹里が離婚したという話を信じられず、年下の蓮を騙しているのだと疑っていました 。彼女は純粋な心配から、蓮に警告を発したのです 。

明かされる本心―蓮の恐るべき告白

梨花の必死の忠告に対し、蓮の反応は彼女の想像を遥かに超えていました。彼の口から語られたのは、善意を踏みにじる、冷徹で衝撃的な真実でした。

「全部知っていて、ずっと見てたんですよ」

梨花の言葉を静かに聞いていた蓮は、表情一つ変えずにこう言い放ちます。「

全部知っていて、ずっと見てたんですよ。樹里に夫がいたことも、その関係がとうに破綻していたことも、すべてお見通しだったのです

「二人の関係が破綻することだけを祈っていた」

彼の告白は、さらに続きます。その言葉は、彼の純粋な好意を信じかけていた読者をも凍りつかせるものでした。

毎日毎日少しずつ近づいて、二人の関係が破綻することだけを祈っていた

彼の行動は、行きずりの恋心などではありません。それは、樹里とその夫の関係が壊れることを、ただひたすらに待ち望んでいた、長期間にわたる執念の産物だったのです。

「俺は危険だって教えてあげてください」

梨花が「どうして…?」と問うと、蓮は悪びれる様子もなく「それはもちろん不純な理由で」と微笑みます 。そして、心配するべきは自分ではなく樹里の方だと言い、梨花に戦慄の伝言を託しました。

俺は危険だって

罪悪感と決別―樹里の選択

蓮の秘めた想いを知らない樹里は、罪悪感に苛まれていました。そして、彼のために、そして自分自身のために、ある悲しい決断を下します。

「私たちは、あまりに不釣り合いだ」

樹里は、自分がただ寂しさを紛らわすために、彼の好意を利用し、その本心から目を背けていたことに気づきます 。そして、自分たちは「あまりに不釣り合いだ」と、この関係を終わらせることを決意するのでした 。

「普通は同じぐらいの歳の子と…」―悲しい別れの言葉

蓮を呼び出した樹里は、必死に別れの言葉を紡ぎます。自分は「バツイチのおばさん」であり 、彼にはもっと相応しい同年代の相手がいるはずだと 。それは、世間体を気にする、彼女なりの最後の優しさでした。

普通は同じぐらいの歳の子と付き合うものなんだから

言葉を塞いだ、優しいキス

自分を卑下し、必死に彼を遠ざけようとする樹里。そんな彼女の言葉を、蓮は行動で塞ぎます。彼は何も言わず、ただ優しく、しかし有無を言わせぬ力強さで、彼女にキスをするのでした 。それは、彼女が並べ立てたすべての「常識」や「普通」を、否定するためのキスでした。

まとめ【枯れた花に涙を】35話を読んだ感想

今回の35話は、物語の核心に迫る、まさに神回でした。蓮の口から語られた「二人の関係が破綻することだけを祈っていた」という告白には、鳥肌が立ちました。彼の行動が、一途な恋心と、周到な計画性が同居する、底知れぬ執着心から生まれていることが明らかになり、キャラクターの深みが一気に増したように感じます。彼がただの優しい青年ではないことは分かっていましたが、これほどまでとは…。

一方で、樹里の決断も非常に胸に迫るものがありました。「バツイチのおばさん」と自分を卑下し、彼を解放しようとする姿は、自己肯定感の低さからくる悲しい優しさであり、彼女がこれまでどれだけ世間の目に苦しめられてきたかを物語っています。読んでいて、本当に切なくなりました。

そして、ラストのキスシーン。別れの言葉を紡ぐ樹里の口を、優しいキスで塞ぐ蓮。これほどまでにロマンチックで、決定的なシーンがあるでしょうか。すべての理屈を飛び越えて、「それでも俺は君がいい」と示す、最高のアンサーでした。

樹里は関係を終わらせようとし、蓮はそれを許さない。二人の想いは完全に行き違っているようで、その実、心の奥底では強く惹かれあっている。このどうしようもないジレンマが、この物語の最大の魅力だと改めて感じました。このキスをきっかけに、二人の関係は一体どこへ向かうのでしょうか。次回の展開が、今から待ち遠しくてたまりません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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