【枯れた花に涙を】36話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第36話をネタバレありで解説する

第35話のラスト、別れの言葉を紡ぐ樹里の唇を、蓮は優しいキスで塞ぎました 。第36話では、そのキスをきっかけに、樹里が心の奥底に隠していた本音をすべて吐露します。それに対し、蓮はあまりにも純粋で、しかし残酷な選択を彼女に突きつけます。追い詰められた樹里が選んだ最後の手段とは。二人の関係が、決定的に試される回です。

涙の告白―「あなたを見せつけてやりたいと思った」

蓮のキスは、樹里の中に溜め込んでいた感情の堰を完全に決壊させました。彼女は、泣きながら本音をぶつけ始めます。

剥き出しになった本音

樹里は、蓮の言葉を肯定します。元夫・鉄平の不倫相手よりも若い蓮に好かれることで、優越感を覚えていたこと 。そして、若く魅力的な恋人と幸せに暮らす姿を鉄平に見せつけ、後悔させてやりたいという、どす黒い復讐心があったことを認めました

「あなたの人生を台無しにしたくない」

しかし、その復讐心以上に、彼女を苛んでいたのは罪悪感でした 。自分は色あせてしまった「不良品」であり 、蓮のような素敵な青年を、自分の寂しさを埋めるための道具や、ちっぽけな復讐のために利用してはいけない 。彼女は、自分はただ彼の「味方」でいたかったのだと、悲痛な本心を打ち明けます

究極の選択―「俺のことが嫌いだって言えばいい」

樹里の涙の告白に対し、蓮の答えはシンプルかつ絶対的なものでした。彼は、彼女の自己犠牲的な言葉を「言い訳」だと一蹴します

蓮が突きつけた、たった一つの条件

蓮は、樹里の言葉を優しく、しかし力強く遮ります。そして、本当に自分の元から去ってほしいと願うのなら、たった一言だけ言えばいい、と究極の選択を迫ります。

「俺のことが嫌いだって」

そうすれば、もう二度と君の前には現れない 。彼のこの言葉は、樹里のすべての逃げ道を塞ぎ、彼女自身の本当の気持ちと向き合わせるものでした。

どうしても言えなかった「嫌い」の一言

蓮から最後の選択を突きつけられた樹里。しかし、彼女はその一言をどうしても口にすることができませんでした 。彼女は悟っていたのです。もし「嫌い」と口にしたとしても、その瞬間に、それが嘘であることが彼にバレてしまうことを 。言葉にできないその葛藤こそが、蓮への愛情の何よりの証明でした。

最後の賭け―1000万円のテスト

追い詰められた樹里は、職場の同僚に相談し、「男性を遠ざける最終手段」として、お金を無心するという方法を授けられます

恋愛初心者だった、完璧な男

場面は蓮のオフィスに移ります。彼は部下に、以前ホテルで樹里と過ごした夜のことを語り、「本当に大変だったよ」と本音を漏らします 。その様子から、部下は驚愕の事実に気づきます。一ノ瀬家の御曹司で、完璧に見える蓮が、実は女性経験のない「童貞」なのではないか、と 。この事実は、彼の樹里への一途な想いに、さらなる純粋さと危うさを与えます。

「お金を貸して」―彼女の最終手段

樹里は、蓮を諦めさせるための最後の賭けに出ます。しかし彼女は、純粋な蓮が、本当に自分のために無茶をして大金を用意しようとするのではないかと恐れました 。だからこそ、彼が絶対に用意できないであろう、非現実的な金額を要求することにしたのです

彼女は震える指で、メッセージを送ります。「ちょっとお金貸してもらえない?」

そして、間を置いて、彼女の覚悟を示す数字が送られました。

「1000万」

まとめ【枯れた花に涙を】36話を読んだ感想

感情がこれでもかと揺さぶられる、壮絶な回でした。樹里が涙ながらに自分の醜い部分もすべてさらけ出すシーンは、読んでいて胸が苦しくなりました。彼女の罪悪感と、それでも捨てきれない復讐心、そして蓮を想う気持ち。そのすべてがリアルで、彼女の人間としての深さを感じさせます。

そんな彼女に対する蓮の「嫌いだって言えばいい」という切り返しは、見事としか言いようがありません。彼は、彼女が自分を傷つけないための「優しい嘘」を一切許さず、本心で向き合うことを求めたのです。この男、恐るべし。

そして、まさかの蓮が恋愛初心者だったという事実。この新情報が、彼のこれまでの行動すべてに新たな意味合いを持たせます。彼の執着は、ただの歪んだ独占欲ではなく、生まれて初めて本気で人を好きになったがゆえの、不器用で真っ直ぐな想いの暴走だったのかもしれません。

最後の「1000万貸して」という樹里のメッセージは、彼女が蓮を傷つけないために、自らが悪役になることを選んだ悲しい一手でした。しかし、相手はあの規格外の男、一ノ瀬蓮。常識が通用するはずもありません。この無茶な要求に、彼が一体どんな返信をするのか。固唾を飲んで次週を待つしかありません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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