【枯れた花に涙を】44話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第44話をネタバレありで解説する

物語が根底から覆る、衝撃の事実が明かされる第44話。蓮の過去に深く関わる人物として、腹違いの兄・丈(じょう)が登場し、物語に不穏な影を落とします。一方で、過去の呪縛から解き放たれようとする樹里は、自らの意思で大きな一歩を踏み出します。希望と絶望が交差する、まさに必見の回です。

蓮を追う兄「丈」と、過去のいじめ

蓮の行方を追う丈。腹違いの兄である彼は、物語の新たな脅威となる、危険な存在でした。

樹里に詰め寄る、謎の男

物語は、クラブのような場所で、一人の男が女と絡み合うシーンから始まります。この男こそ、蓮の兄・丈。 彼は、行方の分からない弟・蓮の情報を探るために情報収集をしていたのです 。

「お前が毎日のように殴ってたガキ」―明かされる蓮の過去

場面は変わり、丈が仲間の一人と話しているシーンが描かれます。丈は、女っ気のなかった弟に恋人ができたらしいことを、その仲間へ探るように話します。すると、仲間は、丈が探している弟が、かつて自分がいじめていた「ちっせえガキ」のことだと気づくのです 。この会話から、蓮が過去に壮絶ないじめを受けていたという、痛ましい事実が明らかになります。

「婚外子にやる金なんて1円もねえよ」―丈の歪んだ目的

丈の目的は、一ノ瀬家の遺産相続にありました 。彼は、会長である父親が後継者を決断する時期が近いことを察し、腹違いの弟である蓮を追い詰めていたのです。

「婚外子にやる金なんて1円もねえよ」「全部俺の金だ」

という彼の言葉からは、蓮に対する強い憎しみと、遺産への執着がうかがえます 。

呪縛からの解放、そして新たな一歩

蓮を巡る男たちの暗い企みとは裏腹に、樹里の心には確かな変化が訪れていました。彼女は経済的、そして精神的な自立への道を歩み始めます。

「元金も少し返せるわ」―経済的自立への光

元夫から解放されたことで、樹里の生活には光が差し込みます。これまで利息を返すだけで精一杯だった借金を、元金から返済できる目途が立ったのです 。経済的な余裕は、彼女の心にも少しずつゆとりをもたらしました。

「自分の人生なんだから」―過去との決別

青春時代の過ちが、借金という形で今も自分を縛り付けている。その事実を噛みしめながらも、樹里は蓮の「いい子で待ってます」という優しい言葉を思い出します 。そして、自分の人生なのだから、ほんの少し欲を出してもいいのではないかと、前を向く決意を固めるのでした

「私とどっか遊びに行く?」―樹里の起こした行動

決意を固めた樹里の行動は、迅速でした。彼女は、なんと会社に直接電話をかけ、社長に休暇を取り付けます 。そして、会社の外で蓮を待ち、「私とどっか遊びに行く?」と、自らデートに誘ったのです 。これは、彼女が初めて自らの意思で幸せを掴みに行こうとした、大きな成長の瞬間でした。

戸惑いながら、始まる本当のデート

樹里からの突然の誘いに、蓮は顔を真っ赤にして戸惑います 。これまでとは違う彼女の積極的な姿に、彼の心も大きく揺さぶられていました。

「後悔しないでくださいね」―彼の意味深な警告

樹里が「最近の子って何をして遊ぶのかしら」と戸惑っていると、蓮は「何かしたいことある?」と尋ねます 。そして、「あったら一緒にしてくれるんですか?」という彼女の問いに、「うん」と力強く頷きました 。彼の「後悔しないでくださいね」という言葉は、これからのデートが特別なものになることを予感させます

「隣に女がいたわ…」―街が認める、二人の存在

並んで歩く二人。その姿は、周囲の目にも魅力的に映っていました。近くの店にいた若い女性たちが、蓮のずば抜けたルックスに気づき、声をかけようか迷います 。しかし、隣にいる樹里の存在に気づき、結局諦めるのでした 。二人の関係が、少しずつ公のものへと変わり始めていることを示す象徴的なシーンです。

まとめ【枯れた花に涙を】44話を読んだ感想

今回は、物語に新たな嵐を呼び込む新キャラクター・丈が登場し、物語の緊張感が一気に高まりました。彼が蓮の腹違いの兄であること、そして蓮を激しく憎んでいることが明らかになり、今後の展開に不穏な空気が漂います。さらに、蓮が過去にいじめ抜かれていたという事実も明かされ、彼の心の傷の深さを改めて思い知らされました。

そんな絶望的な過去が明かされる一方で、樹里の大きな成長には胸が熱くなりました。これまでは受け身だった彼女が、自ら蓮の会社に電話して休暇を取り、デートに誘う。この行動力には、読んでいて思わず「よくやった!」と声をかけたくなりました。彼女がようやく、自分の人生を自分のために生きようと決意した瞬間は、この物語の大きなターニングポイントだと思います。

危険な兄・丈の存在。そして、ようやく始まったばかりの、樹里と蓮の初々しい恋。光と影の対比が鮮やかな、見事な構成の回でした。この先に待ち受けるであろう困難に、二人はどう立ち向かっていくのでしょうか。目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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