【枯れた花に涙を】45話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【枯れた花に涙を】第45話をネタバレありで解説する
前話、樹里からの勇気ある誘いで始まった二人のデート。第45話は、その初々しくもぎこちないデートの全容が、これでもかというほど甘く、そして切なく描かれます。プリクラ、ショッピング、水族館という王道のデートコースを巡りながら、二人の距離は急速に縮まっていきます。しかし、幸せな時間の最後に、蓮の過去を知る謎の女性が現れるという、波乱の展開が待ち受けていました。
初めて尽くしの、ぎこちないデート
蓮に誘われるがまま、樹里が最初に連れてこられたのは、若者たちで賑わうゲームセンターの一角でした。そこで蓮がやりたかったこととは、あまりにも純粋な、恋人たちのためのイベントだったのです。
「ずっと一緒に撮りたかったんです」―プリクラで見せた彼の本心
蓮が樹里を連れてきたのは、「最新のプリクラ」が撮れる機械の前でした 。樹里は「お化粧だってしてないから」と戸惑いますが 、蓮は「ずっと一緒に撮りたかったんです」と、子犬のように悲しそうな顔で訴えかけます 。彼のそんな姿に、樹里は断ることができませんでした 。狭いブースの中で、蓮に頬をつつかれたり、密着してポーズをとったりするうちに、樹里の心は激しく揺さぶられます 。
「何がかわいいのよ!」―彼の笑顔に揺れる心
出来上がった写真を見て、蓮は「いい感じですね」と、とても嬉しそうに微笑みます 。そんな彼の無邪気な笑顔を見て、樹里は思わず「少しだけかわいいと思った」と感じてしまうのでした 。年下の、それも大人の男性に対して抱いてしまった感情に、樹里は一人で顔を赤らめ、羞恥心でいっぱいになります 。
戸惑いのショッピングと、無償の優しさへの恐怖
次に二人が向かったのは洋服店でした 。蓮は、樹里に服をプレゼントしたいと考えていたのです。しかし、与えられることに慣れていない樹里は、彼の無償の優しさに戸惑い、恐怖すら覚えてしまいます。
積極的な店員と、流されるままの二人
蓮が自分のために服を選ぼうとしていることを察した樹里は、必死に断ろうとします 。しかし、そこへ現れた積極的な店員によって、二人は完全に「カップル」として扱われてしまうのでした 。店員の巧みなセールストークと、蓮の静かな圧力に、樹里はなすすべもありません。最終的に、その店が「今日限定」の特別セール中であることを知ると、彼女も彼の申し出を受け入れざるを得ませんでした 。
「後悔するかもしれない」―消えない過去の影
店の外に出ると、二人の手にはたくさんの買い物袋がありました 。いくら安かったとはいえ、無駄遣いをしてしまったのではないかと、樹里は罪悪感を覚えます 。そして、今は良くても、いつか蓮が自分との関係を「後悔するかもしれない」という、過去のトラウマからくる恐怖に苛まれるのでした 。
「ずっと一緒に」―未来を誓う、彼の言葉
樹里の不安を察した蓮は、彼女の心を安心させる、あまりにも誠実で、重い言葉を口にします。それは、未来永劫の関係を誓う、愛の告白でした。
「今日できなかったら、今度すればいい」
たくさんのプレゼントを前に、「もらってばかりじゃいられない」と、来月になったらお返しをすると言う樹里 。そんな彼女に、蓮は「したいことがあったらなんでも言ってね」と優しく語りかけます 。そして、もし一日でやりたいことが終わらなくても、「今日できなかったら今度すればいいじゃない」と、未来の約束をするのでした 。
耐えられないほどの、永遠の約束
それでもまだ不安そうな樹里が「それでも足りなかったら?」と尋ねると 、蓮は彼女を背後から抱きしめ、こう囁きます。「これ以上耐えられないほど ずっとずっと満たされなかったら」「だったらその次にすればいいでしょ?」「たくさん時間作るから」。それは、彼女が満足するまで、永遠にそばにいるという、彼の固い決意の表れでした。
幸せな一日の終わりに、現れた過去の女
甘いデートの時間はあっという間に過ぎ、二人は水族館を訪れていました 。しかし、幸せな一日の終わりに、思いもよらぬ人物が蓮の前に現れます。
「私のこと、覚えてますよね?」―不穏な訪問者
樹里が少し席を外していると、一人の若い女性が蓮に声をかけました 。そして、蓮に対して親しげにこう話しかけるのです。「すみません! 私のこと覚えてますよね?」 。彼女は一体誰なのか。蓮の過去を知る人物の登場に、物語は再び不穏な空気に包まれていきます。
まとめ【枯れた花に涙を】45話を読んだ感想
これぞ王道デート回、と呼びたいほど、甘さと切なさが詰まった素晴らしい話でした。プリクラのシーンは、ぎこちない二人の距離感がたまらなく愛おしくて、読んでいて何度も頬が緩んでしまいました。写真を見て無邪気に喜ぶ蓮の姿は、本当に「かわいい」の一言に尽きます。
一方で、ショッピングのシーンで見せる樹里の罪悪感や、蓮の優しさに対する恐怖は、彼女の傷の深さを改めて感じさせ、非常に胸が痛みました。与えられることに慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく過程が、とても丁寧に描かれていたと思います。
そして、蓮の「満たされなかったら、その次も、そのまた次も」という言葉。これは、実質的なプロポーズと言っても過言ではないでしょう。彼の愛情の深さと、絶対に彼女を離さないという強い意志が伝わってきて、鳥肌が立ちました。
しかし、ラストで現れた謎の女性。幸せな雰囲気から一転、不穏な空気を引き連れてきた彼女の正体が気になって仕方がありません。ようやく始まった二人の幸せな時間が、このまま続くことを願っていましたが、どうやらそう簡単にはいかないようです。この新たな波乱が、二人の関係にどのような影響を与えるのか、次回の展開から目が離せません。
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