【枯れた花に涙を】47話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【枯れた花に涙を】第47話をネタバレありで解説する
幸せなデートを経て、ついに蓮を家へと招き入れた樹里。第47話は、まるで同棲生活の始まりを思わせるような、甘く穏やかな時間が描かれます。しかし、その裏で挿入される元夫・鉄平の過去の恋愛模様が、蓮との関係がいかに健全で温かいものであるかを浮き彫りにします。そしてラストには、穏やかな空気を一変させる、衝撃的な展開が待ち受けていました。
「同棲でもしてるみたい」―始まる新しい日常
デートの帰り、二人は翌日の朝ごはんの材料を買うためにスーパーへ立ち寄ります 。その何気ない時間は、樹里にとって特別な意味を持っていました。
スーパーでの、ささやかな幸せ
閉店間際のスーパーで、明日の朝食を何にするか楽しそうに悩む樹里 。その姿は、かつて「体だけの関係」と言い放った彼女とは思えないほど、幸せに満ちています 。彼女自身も、この状況がまるで「同棲でもしてるみたいだ」と感じ、戸惑いながらも喜びを噛み締めていました 。
彼女が踏み出した、大きな一歩
デートが終わり、家の前まで送ってもらった樹里。一度は蓮を帰そうとしますが、彼女は自らの殻を破る、大きな一歩を踏み出します。
「家で、やっていけば?」―勇気の招待状
帰ろうとする蓮を、樹里は思わず引き止めます 。そして、まだやり残した「やりたいことリスト」があるでしょう、と前置きし、「家でやっていけば?」と、彼を部屋に招き入れたのです 。それは、彼女が初めて、自らの意思で蓮との時間を選んだ瞬間でした。
「何もしませんよね?」―最後の約束と、彼の答え
部屋に入れる直前、樹里は「何もしませんよね?」と念を押します 。蓮が笑顔で「信じます」と答えると、彼女は安心したように彼を家の中へと迎え入れました 。この約束が、後に劇的な形で破られることも知らずに。
耳で語る、彼の感情
樹里の家に上がった蓮は、シャワーを浴びている間に彼女が畳んでくれた洗濯物を、手伝うと言い出します 。家事が「好きなんです」とこともなげに言う彼の、表情は変わらないのに耳だけが赤くなる癖に、樹里は気づくのでした 。彼の感情が少しずつ分かるようになり、二人の距離が縮まったことを実感した樹里は、彼のことを「なんだかすごくかわいくて…」と感じてしまいます 。
不意打ちのキスと、彼の反応
愛おしさが込み上げた樹里は、思わず蓮の頬にキスをします 。その瞬間、蓮は驚いたように彼女の方を向き、有無を言わさず彼女を押し倒すと、その両腕を掴んで押さえつけました 。そして、「今 何したんですか?」と、低い声で問い詰めるのでした 。
過去の呪縛―鉄平と亜里沙の歪な関係
蓮との温かい時間と対比するように、鉄平とその元恋人・亜里沙との過去が描かれます。そこには、彼の自己中心的で、相手を支配せずにはいられない歪んだ本性が現れていました。
無邪気さが招いた、息苦しさ
鉄平は、恋人だった亜里沙の、世間知らずで無邪気なところに惹かれていました 。しかし、同時に、大切に育てられた彼女の純粋さは、荒んだ環境で育った彼にとって、時として息苦しさの原因にもなっていたのです 。
「子ども欲しい?」―結婚から逃げる男
亜里沙が「子ども欲しい?」と結婚を匂わせる質問をすると、鉄平の態度は一変します 。彼は、まだ結婚を考える年齢ではないと彼女を諭し、真剣な話をはぐらかそうとしました 。亜里沙は、彼がいつも子ども扱いをして、大切な話から逃げることを分かっていながらも、好きすぎるがゆえに何も言えずにいたのです 。
「面倒くせぇな」―愛情の仮面の下の本音
結局、鉄平はキスで亜里沙の言葉を封じ、その場を誤魔化します 。そんな彼女を愛おしく思う素振りを見せながらも、彼の心の中には「あ〜 そろそろ面倒くせぇな」という、冷めきった本音しかありませんでした 。
まとめ【枯れた花に涙を】47話を読んだ感想
今回は、甘い日常と、苦い過去の対比が鮮やかな回でした。蓮とスーパーで買い物をしたり、家で一緒に洗濯物を畳んだりする樹里の姿は、見ているこちらまで幸せな気持ちになります。特に、蓮の感情が「耳の色」で分かるようになってきた、という樹里の気づきは、二人の関係が深まっていることを示す、とても愛おしい描写でした。
その一方で、鉄平と元恋人・亜里沙の過去には、彼の救いようのない本質が見えて、背筋が凍る思いがします。結婚や将来の話になると、キスで相手を黙らせて誤魔化す。そして心の中では「面倒くせぇな」と吐き捨てる。この男は、誰のことも本当に愛することなどできないのだと、改めて確信しました。
そして、なんと言ってもラストシーンです。幸せな気持ちから、思わず蓮の頬にキスをしてしまった樹里。それに対する蓮の「今、何したんですか?」という、怒りとも喜びとも取れない、低い声での問い詰め。穏やかな日常から一転、一気に空気が張り詰める展開には、息を呑みました。「何もしない」という約束は、樹里の方から破ってしまったのです。この後、二人はどうなってしまうのか。次回の展開が、楽しみで仕方がありません。
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