【枯れた花に涙を】48話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【枯れた花に涙を】第48話をネタバレありで解説する
前話のラスト、樹里からの不意打ちのキスに、蓮は「今、何したんですか?」と低い声で問い詰めました。第48話は、その直後から始まり、二人の約束が破られた夜のすべてを、息を呑むほど濃密に描きます。樹里が初めて自らの欲望と向き合い、関係の主導権を握ろうとする、彼女の大きな成長が見られる回です。しかし、一枚上手の蓮によって、彼女は再び彼の腕の中へと堕ちていくのでした。
キスから始まる、獣たちの戯れ
樹里の衝動的な行動は、蓮の中に眠っていた獣を静かに呼び覚まします。「何もしない」という約束は、他ならぬ樹里自身の手によって破られたのです。
「今、何したんですか?」―破られた約束
蓮は、樹里が自分の耳を噛んだことを指摘します 。なぜそんなことをしたのか、と問い詰められても、樹里自身にもその理由は分かりません 。ただ、彼の感情が耳の色に現れることを知り、愛おしさがこみ上げてしまったゆえの行動でした。
記憶を呼び覚ます、彼の愛撫
蓮は、そんな彼女の戸惑いを無視するかのように、彼女の首筋に顔を埋めます。そこは、前の晩にも彼が執拗に噛んだ場所でした 。彼の硬く引き締まった体に触れるだけで、樹里の体はあの夜の記憶を鮮明に呼び覚まします 。抑えようとしても、体は正直に反応してしまうのでした 。
「私がやるから」―樹里の、初めての反撃
蓮の愛撫に翻弄され、このままではいけないと感じた樹里。彼女は、これまでの受け身な自分を脱ぎ捨て、勇気を振り絞って彼に一つの提案をします。
逃げるための、提案
「そろそろあっちに…」と、寝室へ移動することを提案する樹里 。しかし、蓮はそんな彼女の言葉を「また逃げるつもりですか?」と一蹴します 。彼の言葉は、樹里の中に眠っていた反骨心に火をつけました。
「あなたのが大きすぎて…」―素直な告白と、決意
樹里は、逃げるわけではないと否定します。そして、「こないだは…あなたのが大きすぎて…正直すごく大変だったの」と、前回の行為が彼女にとって簡単ではなかったことを正直に告白しました 。
逆転する主導権
そして、彼女はこれまでの自分からは想像もつかないような、大胆な言葉を口にするのです。「あなたはじっとしてて 私がやるから」 。これは、彼女が初めてこの関係の主導権を自らの手に握ろうとした、力強い宣言でした。
偽りのリードと、抗えない快感
樹里は自ら蓮の上に跨り、リードしようと試みます。しかし、彼女の決意とは裏腹に、彼の存在を前にすると、体は思うように動きませんでした。
いざとなると、体が動かない
自分でやると宣言したものの、いざとなると体が動かなくなってしまう樹里 。そんな彼女の様子を見て、蓮は「まだですか?」と、意地悪く問いかけます。そして、「もう十分濡れてますけど」と、彼女の体が正直な反応を示していることを指摘するのでした 。
「俺はまだ、始まってもないのに」―彼の余裕と、深まる夜
結局、蓮が再び主導権を握り、二人の体は深く結ばれます。樹里は、彼の大きさを必死に受け止めながらも、抗えない快感の波にのまれていきました 。そして、ついに彼女が絶頂を迎えたことを見透かすように、蓮は問いかけます。「イったんですか?」と 。そして、彼はとどめを刺すように、こう囁くのでした。「俺はまだ始まってもないのに」 。
まとめ【枯れた花に涙を】48話を読んだ感想
前話のラストから、一体どうなってしまうのかと固唾を飲んで見守っていましたが、期待を遥かに超える、濃密で官能的な回でした。今回の主役は、間違いなく樹里の成長でしょう。
これまでは蓮にされるがままだった彼女が、「私がやるから」と宣言するシーンには、鳥肌が立ちました。彼女が長年のトラウマを乗り越え、一人の女性として、自らの性(セクシャリティ)と向き合い、能動的に動こうとした瞬間は、この物語の中でも屈指の名場面だと思います。
もちろん、そんな彼女の覚悟を、いとも簡単に上回ってしまう蓮の余裕とテクニックも、相変わらず見事でした。特に、ラストの「俺はまだ始まってもないのに」というセリフ。これほどまでに、相手をKOするのにパーフェクトな言葉があるでしょうか。彼の底知れない魅力を、改めて思い知らされました。
単なる情事の描写に留まらず、二人の関係性やパワーバランスの変化、そして樹里の精神的な成長までを描き切った、非常に中身の濃い回だったと感じます。この夜を経て、二人の関係は一体どこへ向かうのか。ますます目が離せません。
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