【枯れた花に涙を】50話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第50話をネタバレありで解説する

穏やかな夜を過ごす樹里と蓮。しかしその裏では、元夫・鉄平、そして蓮を追う謎の男たちが、それぞれ樹里を巡る黒い思惑を巡らせていました。第50話は、複数の視点から、樹里への執着が描かれる、息詰まるような群像劇です。そして、物語の鍵を握る人物たちの、意外な繋がりも明らかになります。

独りよがりの王様―帰りを待つ鉄平

一人になった部屋で、鉄平は樹里からの連絡を待っていました。彼は、まだ自分が彼女にとって絶対的な存在であると信じて疑いません。

「連絡してくるころじゃねぇのか?」―彼の自信と焦り

かつてはうるさいほどに連絡をしてきた樹里からの連絡が途絶えたことに、鉄平は苛立ちを隠せません 。しかし、彼は「もう十分スッキリしただろ?」と、彼女がすぐに自分の元へ戻ってくることを確信していました 。毎日出前ばかりの食事にうんざりし、「樹里の料理が食いてぇ」とぼやく姿からは、彼女を家政婦のようにしか見ていない、彼の一貫した身勝手さがうかがえます

刺激になった、彼女の反抗

彼は、以前樹里が自分に「家族ってどういうこと…?」と問い詰めてきたときの、必死な顔を思い出します 。その姿が、なぜか自分にとって「刺激になった」と感じる鉄平 。彼女が自分の意のままにならないことに、歪んだ興奮を覚えていたのです。

深夜の来訪者―蓮の愛と、黒い実験

樹里が隣で穏やかに眠る中、樹里の携帯に一通のメッセージが届きます。その差出人は、彼が最も警戒する人物でした。

「おい」―鉄平からの、一通のメッセージ

深夜2時半過ぎ、知らない番号から届いた「おい」という一言だけのメッセージ 。蓮は、その送り主が鉄平であるとすぐに察します 。いつか来るとは思っていた、過去からの接触。その瞬間、蓮の心には、ある危険な考えが芽生えていました

「一度、試してみるのも悪くない」―嫉妬が生んだ、危険な好奇心

蓮は、この番号を完全に拒絶することもできましたが、あえてそうしませんでした。彼は、樹里を試したいという、黒い衝動に駆られたのです 。鉄平の存在を彼女に突きつけたとき、彼女はどんな反応をするのか。もし、鉄平のことで苦しむなら、彼女はまたあの男の元へ戻ってしまうのではないか

あなたがはっきりしないから

蓮のこの危険な思考は、樹里への深い愛情と、それゆえの強い独占欲から生まれています。「あなたがはっきりしないから 俺もどんどん卑怯になる」という彼のモノローグは、樹里を完全に自分のものにしたいという、彼の焦りと渇望を物語っていました

暗躍する者たち―丈、譲二、そして謎の男

蓮と樹里の知らないところで、複数の人物が彼らに関する情報を交換し、不穏な動きを見せ始めていました。

「彼女がいる」―兄である「丈」に届いた報告

場面は変わり、兄である丈が登場します。彼に情報を流す女性は、先日、蓮に声をかけたものの、「彼女がいる」という理由で連絡先の交換を断られたことを報告します 。弟に特定の女性の影が見えたことに、丈は静かに興味を引かれているようでした。

「同級生の元彼と寝た女」―譲二と店主の、意外な関係

一方、蓮の部下である譲二は、なんとあの洋服店の店主と一夜を共にしていました。彼女は、譲二が鉄平と高校の同級生であったことを知り、「同級生の元彼と寝た女になっちゃった」と、その偶然に複雑な表情を浮かべます 。そして、彼女は「あんたってめちゃくちゃあの子のタイプだもん」と、譲二が好みであることを指摘するのでした 。

「今からそっちに行く」―父親からの電話

譲二が、休暇中にもかかわらず「24時間待機」を命じられていると愚痴をこぼしていると、彼のスマホが鳴ります 。電話の相手は、蓮と丈の父親(会長)でした。そして彼は、譲二に「今からそっちに行く」と、一方的に告げるのです 。

まとめ【枯れた花に涙を】50話を読んだ感想

今回は、登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、物語が大きく動き出すことを予感させる、非常にスリリングな回でした。鉄平、蓮、そして丈と会長。三者三様の視点から、樹里という一人の女性に向けられる、三種類の「執着」が描かれていて、読んでいて息が詰まるようでした。

特に、蓮の心の闇が垣間見えたのが印象的です。樹里を愛するあまり、彼女を「試したい」という危険な考えに至ってしまう。彼の完璧に見えた愛情が、実は脆く、強い独占欲と表裏一体であることが分かり、キャラクターの深みが一気に増しました。

そして、譲二と洋服店店主の関係という、まさかの展開。彼女の「譲二は樹里のタイプ」という発言は、今後の波乱を暗示する、重要な伏線になりそうです。

ラスト、ハジメが譲二の元へ向かうという知らせ。蓮を追う丈と、譲二を動かすハジメ。二人の黒幕的存在が、それぞれ別の角度から、蓮と樹里に迫っています。この二重の包囲網に、彼らはどう立ち向かうのか。嵐の前の静けさを感じさせる、見事なクリフハンガーだったと思います。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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