【枯れた花に涙を】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【枯れた花に涙を】第6話をネタバレありで解説する

元夫・鉄平の裏切りを目の当たりにし、時が止まったかのような樹里。第6話は、その2週間後から始まります 。蓮(れん)との関係を自ら断ち切り、何も変わらない日常に戻ったはずの彼女に、さらなる過酷な試練と、予期せぬ形での再会が訪れます。

尊厳を踏みにじるパワハラ「土下座しろ」

蓮が姿を消し、鉄平の帰りが遅くなったこと以外は、いつも通りの日々 。樹里は蓮の無関心を「よかった」と自分に言い聞かせます 。深い感情は、深い傷を残すだけだと知っているからです 。しかし、そんな彼女の心を嘲笑うかのように、日常に潜む理不尽が悪意の牙を剥きます。

日常に潜む理不尽

樹里が働く焼肉屋に、取引先の社長が団体で訪れます 。その社長は、離婚した解放感からか若い女性社員をはべらせ、傍若無人に振る舞います。そして、その矛先は樹里に向けられました 。彼は樹里の容姿を品定めするように見つめると、いきなり「お前じゃなくて」「俺はあんたが注いだ酒が飲みたいんだ」と、理不尽な要求を突きつけます 。

守るための土下座

樹里が「ここは普通の飲食店ですので」と丁寧にお断りすると、社長は激昂 。駆けつけた店長が平身低頭で謝罪しても怒りは収まらず、ついにはありえない言葉を口にします

土下座しろ

店にこれ以上迷惑はかけられない。その一心で、樹里は自らの尊厳を捨て、冷たい床に膝をつき、深々と頭を下げてしまうのです

傷つき、慣れてしまった心

事件の後、店長は樹里を気遣いますが、彼女は「すべて私の落ち度です」と力なく微笑むだけでした 。若い頃から様々な仕事を経験し、つらい思いを重ねてきた彼女の心は、いつしか傷つくことに「慣れて」しまっていたのです 。その諦めに満ちた姿が、かえって痛々しく映ります。

闇夜の制裁―謎の男、蓮のもう一つの顔

樹里に土下座させ、上機嫌で店を後にした社長 。しかし、彼の前にある人影が立ちはだかります。それは、フードを深く被った蓮でした。

下劣な社長への天罰

蓮は、まるで樹里の無念を晴らすかのように、圧倒的な力で社長を組み伏せます 。ボクシング経験者だと威勢を張る社長ですが、蓮には全く通用しません 。彼は冷徹な表情で社長を殴りつけ、その場にねじ伏せるのです。

「俺が誰だか知ってる?」

そして蓮は、恐怖に慄く社長を見下ろし、静かにこう問いかけます。

ところで…俺が誰だか知ってる?

この一言は、彼がただの心優しい青年ではない、ミステリアスで危険な側面を持っていることを強く印象付けます。

三度目の偶然?コンビニでの再会と彼の傷

パワハラ事件の後、樹里は以前から決めていたコンビニの夜勤を始めていました 。客もまばらな深夜、一人で静かに働けるこの時間は、彼女にとってむしろ心が休まる時間だったのかもしれません

新たな職場での出会い

その静寂を破り、一人の客が店に入ってきます 。フードを被ったその客が顔を上げた瞬間、樹里は息をのみます。そこにいたのは、またしても蓮でした 。花屋、焼肉屋、そしてコンビニ。あまりにも重なる偶然に、樹里は運命のいたずらを感じずにはいられません

思わず尋ねた「その顔…」

「他の客と同じように接しよう」。そう心に決めた樹里でしたが、彼の顔にあるものを見つけ、思わずその決意は揺らぎます。それは、真新しい絆創膏でした

どうしたの?その顔…

拒絶したはずの相手に、思わず心からの心配を口にしてしまう樹里。彼女のこの一言が、止まっていた二人の関係を再び動かすきっかけとなるのでしょうか。

まとめ【枯れた花に涙を】6話を読んだ感想

第6話は、人間の尊厳が踏みにじられる辛い場面と、それに対する鮮やかな制裁という、感情の起伏が非常に激しい回でした。樹里が土下座をするシーンは、彼女がこれまでどれほどの理不尽に耐え、心を殺してきたのかが伝わってきて、本当に胸が苦しくなりました。

しかし、その後の蓮による”天誅”は、まさに痛快の一言です。憎きパワハラ社長が、圧倒的な力の前にひれ伏す様子は、読者の溜飲を下げてくれました。そして、この一件で蓮がただの好青年ではない、目的のためなら手段を選ばないダークな一面も持つことが明らかになり、彼のキャラクターの奥行きが一気に増したように感じます。

そして、運命的すぎるコンビニでの三度目の再会。もはや偶然とは言えないこの状況に、蓮の樹里に対する執着の深さを感じました。彼がなぜここまで彼女に関わるのか、その謎は深まるばかりです。ラストで、樹里が彼の顔の傷に思わず声をかけてしまったシーンは、彼女が心のどこかで彼を完全に拒絶しきれていない証拠でしょう。この小さな綻びが、今後の二人の関係にどう影響していくのか、目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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