【泣いてみろ、乞うてもいい】13話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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【泣いてみろ、乞うてもいい】第13話をネタバレありで解説する

第12話で、川で泳ぐ公爵の裸を見てしまうという衝撃的なハプニングに見舞われたレイラ。第13話では、その事件の余波が彼女のささやかな日常を脅かし、友人カイルとの絆が深まる一方で、公爵の婚約者クロディーヌとの間に不穏な空気が流れます。

立ち入り禁止の看板と、失われた聖域

穏やかな日常は、一枚の看板によって無慈悲に打ち砕かれます。公爵が川で泳いでいた、あの場所を含む森の一帯に「立ち入り禁止」の立て札が立てられたのです。違反者は警告なしに銃撃されるという、あまりにも高圧的な内容でした。

その立て札は、レイラがお気に入りの時間を過ごしていた、大きな木の枝を含むエリアを的確に囲っていました。それは、先日の一件が原因であることは明らかであり、公爵が彼女の聖域を意図的に奪ったことを意味していました。

カイルの優しさと、新たな約束の場所

自分の居場所を失い、静かに落ち込むレイラ。そんな彼女の姿を見つけた親友のカイルは、事情を知ると「なんて意地悪なんだ」と公爵への怒りを露わにします。そして、彼は悲しむレイラの手を取り、彼女をある場所へと導きました。

そこは、屋敷の奥にひっそりと広がる、美しい薔薇園でした。カイルは、公爵ですらめったに訪れないこの場所を、レイラへの贈り物だと言います。「君が悲しい顔をしているのは見たくないから」。彼の優しい言葉と、秘密の場所のプレゼントは、レイラの心を温かく包み込むのでした。

公爵の視線と、婚約者の苛立ち

しかし、その様子を、屋敷の窓から一人の人物が冷ややかに見下ろしていました。マティアス公爵です。彼は、薔薇園で親密に語らうレイラとカイルの姿を、無表情のまま静かに見つめていました。

一方その頃、公爵の婚約者であるクロディーヌは、退屈と苛立ちを募らせていました。婚約者であるはずのマティアスは、自分に少しも関心を示さず、冷たい態度を崩しません。完璧ではあるけれど、愛情の欠片も見せない彼との未来に、彼女は不安を感じていたのです。

薔薇園の対峙―公爵と婚約者と庭師の娘―

マティアスに会いたい一心で、彼を探しに出たクロディーヌ。彼女がたどり着いたのは、あの薔薇園でした。そして、彼女の目に飛び込んできたのは、マティアスと、その近くで薔薇の手入れをするレイラの姿でした。

婚約者の前に現れた、身分違いの美しい少女。クロディーヌは即座に敵意をむき出しにし、レイラに対して「庭師の娘は本当にどこにでもいるのね」と、棘のある言葉を投げかけます。突然の出来事に、レイラは恐怖で凍りつくしかありませんでした。公爵、婚約者、そして庭師の娘。美しく咲き誇る薔薇園は、一瞬にして危険な緊張感が張り詰める舞台へと変貌したのでした。

まとめ【泣いてみろ、乞うてもいい】13話を読んだ感想

第13話は、レイラとカイルの甘酸っぱい青春模様に心が温まる一方で、公爵とクロディーヌという二つの脅威が、じりじりとレイラに迫ってくる、息の詰まるような回でした。

まず、カイルの騎士(ナイト)っぷりには、今回も胸を打たれました。傷ついたレイラのために、自分のとっておきの秘密の場所をプレゼントするなんて、あまりにもロマンチックです。彼の存在が、過酷な運命を生きるレイラにとって、どれほどの救いになっていることか。二人には本当に幸せになってほしいと、心から願ってしまいます。

対照的に、マティアス公爵の行動は、ますます陰湿で恐ろしくなっています。立て札を立ててレイラの居場所を奪うというのは、子供じみた独占欲のようでありながら、絶対的な権力者だからこそできる、残酷な行為です。そして、窓から二人を無言で見つめるシーンは、彼の不気味な執着を感じさせて、背筋が凍りました。

そこに、婚約者クロディーヌの登場です。彼女の苛立ちや不安も理解できるだけに、単純な悪役として片付けられない複雑さがあります。しかし、その矛先が真っ直ぐにレイラに向かったことで、物語は新たな対立の構図を生み出しました。優しい騎士カイルと、冷酷な支配者マティアス、そして嫉妬に燃える婚約者クロディーヌ。レイラを巡る四角関係が、これからどんな嵐を巻き起こすのか。今後の展開から目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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