【泣いてみろ、乞うてもいい】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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漫画「泣いてみろ、乞うてもいい」第14話をネタバレありで解説する

公爵と婚約者、そして庭師の娘。第13話の薔薇園での緊迫した対峙は、今後の波乱を予感させました。第14話では、婚約者であるクロディーヌの視点から、彼女のしたたかな結婚観とマティアスへの評価が明かされます。その一方で、公爵のレイラへの静かな執着と、カイルとレイラの温かい日常が対照的に描かれます。

婚約者クロディーヌの計算と結婚観

物語は、クロディーヌと彼女の母親の会話から始まります。母親は、美しく成長したレイラの存在を危惧し、「なんとも思わないの?」と娘の心中を探ります 。クロディーヌは内心、レイラの神秘的な美しさを認め、警戒していました 。彼女がレイラをティータイムに誘ったのは、婚約者であるマティアスが、自分の領地で美しく育った娘にどのような反応を示すのか、その本心を試すための計算だったのです

結果として、マティアスはレイラに「適度な興味と無関心」を示し、クロディーヌの期待に応えました 。彼女は母親に、たとえ将来公爵が愛人を作ったとしても、それは大した問題ではないと冷静に語ります。父親の愛人問題で涙に暮れた母親のようにはなりたくない、彼女が望むのははかなく消える「愛」ではなく、自らの尊厳と品位を守るための「完璧な結婚」なのでした

飼い慣らされたカナリアと、窓の外の淑女

場面はマティアスの寝室へと移ります。そこには、以前温室で彼が「私のもの」だと宣言したカナリアが、豪華な鳥かごの中で飼われていました。かつては人に慣れず暴れていたカナリアも、今ではすっかり彼に懐き、その手にすり寄っています 。マティアスは手なずけたカナリアを愛でながら、窓の外に目をやります。その視線の先には、薔薇園で楽しそうに働くレイラの姿がありました 。まるで、次の獲物を見定めるかのような、静かで不気味な光景です。

カイルの純粋な恋心と、ささやかな幸せ

対照的に、カイルとレイラの間には、温かく穏やかな時間が流れていました。カイルはレイラの家を訪れ、彼女を待っています 。彼は、レイラと二人で自転車に乗りたいがために、いつもわざと自分の自転車を持ってこないのです 。自分の力でお金を貯めて買った眼鏡をかけ、嬉しそうなレイラ 。そんな彼女におごってもらうアイスクリームに、カイルの心は高鳴ります。触れた指先の感触に、告白を思いとどまった決意が揺らぎそうになるのでした

優しい嘘と、ビルおじさんの帽子

カイルは、いつか誰かにレイラを奪われてしまうのではないかという、恐怖に近い不安を常に抱えていました 。そんな彼の前に現れたのは、ビルにプレゼントされたという大きな帽子をかぶったレイラでした 。カイルは最初、その帽子を「ダサい」とからかいますが、ビルからの贈り物だと知った途端、「おーっ!!!!改めて見るとめちゃくちゃ可愛いな~!!!!」「さっすが おじさん センス最高!」と、手のひらを返して絶賛します 。彼の優しい嘘は、ビルとレイラの絆を大切に思う気持ちの表れであり、三人の温かい関係性を象徴する微笑ましい一幕でした。

まとめ【泣いてみろ、乞うてもいい】14話を読んだ感想

第14話は、それぞれのキャラクターの思惑や感情が深く掘り下げられ、物語にさらなる奥行きを与えた回でした。特に、クロディーヌの視点が描かれたことで、彼女が単なる嫉妬深いライバルではない、複雑な背景を持つ人物であることが分かり、非常に興味深かったです。愛を信じず、現実的な利益と尊厳を求める彼女の姿は、貴族社会の厳しさを物語っているように感じました。

そして、マティアス公爵のシーンには、静かな恐怖を覚えました。手なずけたカナリアと、窓の外のレイラを交互に見つめる彼の姿は、彼の計画が着実に進行していることを暗示しているかのようです。彼にとってレイラは、いずれ鳥かごに入れるべき「カナリア」なのでしょうか。その執念深さに、思わず背筋が寒くなります。

そんな中で、カイルとレイラの純粋なやり取りは、読者の心を癒してくれる唯一の救いです。ビルおじさんの帽子を巡る二人の会話には、思わず笑ってしまいました。この温かい日常が、公爵という大きな存在によって壊されてしまわないか、不安と期待が入り混じります。三者三様の思惑が交錯し、今後の展開からますます目が離せなくなりました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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