【泣いてみろ、乞うてもいい】18話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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漫画「泣いてみろ、乞うてもいい」第18話をネタバレありで解説する

川に投げ捨てられた、育ての親ビルからの大切な帽子。第17話のラストで、レイラは恐怖を乗り越え、自ら川へ入りました。第18話では、その絶体絶命の状況から始まる、公爵マティアスとの息詰まる対決と、その皮肉な結末が描かれます。

川からの救出と、冷酷な嘲笑

川の中でもがくレイラは、ついに力尽き、水の中へと沈んでいきます 。その意識が遠のく瞬間、彼女の体を力強く抱きとめたのは、なんと全ての元凶であるマティアス公爵その人でした 。彼は自ら川に飛び込み、レイラを岸へと引き上げます 。しかし、ずぶ濡れで咳き込みながらも、必死に帽子を抱きしめる彼女に向けられたのは、労いの言葉ではありませんでした

「はははっ」。公爵は、命がけで帽子を取り戻した彼女の姿を、心底おかしそうに笑い飛ばしたのです。「たかが帽子一つのために」。彼のその嘲笑は、レイラの最後の理性を焼き切るには十分でした。

怒りの反撃と、理不尽な正当化

「どうしてこの状況で笑えるの?」。怒りに震えるレイラは、持っていた帽子で彼の顔に水を浴びせかけ、ついに感情を爆発させます 。「誰のせいでこんなことになったと思ってるのよ!!!!」

しかし、公爵は少しも悪びれる様子を見せません。彼は冷ややかに、「違うだろう」と反論します 。この事態は、そもそもレイラがおとなしくサンドイッチを食べなかったせいで、泳げないのに水に飛び込んだせいで起きたことだ、と全ての責任を彼女に転嫁するのでした

命の恩人への「感謝」と、最後の抵抗

さらに公爵は、自分を「命の恩人」だと称し、レイラに感謝の挨拶を要求します 。そのあまりの理不尽さに、レイラは一度は言葉を失いますが、ビルに迷惑をかけられないという思いから、ぐっと怒りをこらえました

しかし、再び淑女らしく振る舞うことを強要された瞬間、彼女の我慢は限界を超えます。「申し訳ありませんが、私は貴族家のご令嬢の方々のような淑女ではないんです!」 。それは、彼の理不尽な支配に対する、彼女の魂からの抵抗でした。

敗北の味と、致命的な忘れ物

公爵は、そんな彼女の抵抗を「それでも私の前では淑女にならないと。お前がなんであれ、私は紳士なんだ」という、絶対的な支配者の論理で一蹴します 。完全に打ちのめされたレイラは、絞り出すように「助けてくださって、ありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、その場から逃げるように走り去りました

これ以上、あの男のおもちゃになってたまるか。あんな人のせいで泣くんじゃない。そう心に誓いながら走るレイラでしたが、ふと、自分が犯した致命的なミスに気づきます。公爵の離れに、自分の力で買ったばかりの、大切な眼鏡を忘れてきてしまったのです 。そしてその頃、離れに戻った公爵は、静かにその眼鏡を手に取っていました

まとめ【泣いてみろ、乞うてもいい】18話を読んだ感想

第18話は、レイラの怒りと悲しみ、そして絶望が、息つく間もなく叩きつけられる、非常に感情の振れ幅が激しい回でした。読みながら、レイラと共に何度も拳を握りしめてしまいました。

公爵の非道さには、もはや呆れるのを通り越して感心すら覚えます。自分で川に突き落としておきながら、助けたことを恩に着せ、感謝を強要する。彼の思考回路は、常人には到底理解できません。しかし、その理不尽な論理で相手をねじ伏せる様は、彼のキャラクターの魅力を一層際立たせていました。

そんな絶対的な権力者を前に、二度も反旗を翻したレイラの気高さには、胸が熱くなりました。特に「私は淑女ではない」という叫びは、彼の押し付ける価値観に対する、精一杯の自己主張だったのでしょう。結果的に彼女は敗北しますが、その魂は決して屈していないと感じました。

そして、最後の忘れ物の展開。これはあまりにも皮肉で、残酷です。ビルの愛の象徴である「帽子」は取り戻したものの、今度は自分の努力の結晶である「眼鏡」が、彼の手中に渡ってしまいました。まるで、彼女が何かを手に入れるたびに、それ以上の何かを奪い取っていくようです。彼の掌の上で転がされ続けるレイラの運命から、目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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