【泣いてみろ、乞うてもいい】24話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
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漫画「泣いてみろ、乞うてもいい」第24話をネタバレありで解説する

第23話のラスト、死んだ鳥が連なる道の先で、レイラは狩人であるマティアス公爵本人と対峙しました。第24話では、この森の奥での二人きりの対決が描かれます。レイラの純粋な想いと、公爵の歪んだ支配欲が真っ向から衝突し、物語は新たな局面を迎えます。

死の道しるべ、その残酷な真実

夕暮れの森、公爵はレイラに「続けろ」と、鳥の埋葬を促します。レイラが最後の一羽を手に取ったその時、彼女はその鳥の足に結ばれた、見覚えのある赤い紐に気づきました。それは、昨年彼女自身が、この場所で巣立った渡り鳥の雛に、無事の帰還を願って結んだものでした。

南の国で冬を越し、故郷に戻ってきた小鳥。その鳥を、公爵は意図的に狙って撃ち、彼女をここまで誘き出すための「道しるべ」として利用したのです。その残酷な真実に、レイラは言葉を失います。

交わらない正義―狩人と少女の問答―

レイラは、震える声で公爵の非情さを問い詰めます。鳥たちにとって、この森は生まれ育った家であり、帰るべき場所なのだと。しかし、公爵は「だが何が問題だ?」「私の領地の、私の狩り場で、私の鳥を狩っただけなのに」と、冷たく言い放ちます。彼は、鳥の気持ちまで理解する必要があるのかと、彼女の訴えを一笑に付すのでした。

「ですがここまで残酷な狩りをする必要はないじゃありませんか!」と食い下がるレイラに、公爵は嘲るように問いかけます。「優しい狩りでも望んでいるのか?」。二人の価値観は、決して交わることはありません。

なぜ鳥を愛するのか―レイラの魂の告白―

議論が平行線を辿る中、公爵はふと、レイラに問いかけます。「鳥がそんなに好きな理由はなんだ?」。その問いに、レイラの瞳からは涙がこぼれ落ちました。彼女は、親戚の家を転々とした孤独な幼少期、どこへ行っても鳥だけは、いつもそばにいてくれたことを語ります。美しく、自由な鳥の存在そのものが、彼女にとっての救いであり、喜びだったのです。

「お前のいるべき場所にいろ」―支配者の謎かけ―

レイラの魂からの告白を、公爵は静かに聞いていました。そして彼は、馬に乗りながら、理解しがたい言葉を彼女に投げかけます。「私は自分の世界のすべてが、本来あるべき場所に存在することを望む」。

「お前のいるべき場所にいろ」。

戸惑うレイラを後に、彼は馬首を返します。そして、去り際に、あまりにも不気味な言葉を残していくのでした。「もしかすると、その答えを見つければ、優しい狩りをしてやるかもしれないな」。彼の言う「いるべき場所」とは一体どこなのか。そして「優しい狩り」とは何を意味するのか。レイラは、恐怖と混乱の中、一人森に取り残されるのでした。

まとめ【泣いてみろ、乞うてもいい】24話を読んだ感想

第24話は、レイラとマティアス公爵の思想が真っ向からぶつかり合う、非常に重厚で見ごたえのある回でした。特に、森の奥での二人きりの対話は、息をのむほどの緊張感に満ちています。

公爵の残酷さには、もはや戦慄を覚えます。レイラが大切に思っていた鳥をわざわざ狙い撃ち、それを彼女をおびき出すための駒として使う。その思考回路は、常軌を逸しています。彼の「私の鳥を狩っただけ」という理屈は、彼の歪んだ所有欲と、他者の痛みへの圧倒的な共感の欠如を物語っていました。

そんな彼を前に、涙ながらに鳥への愛を語るレイラの姿は、とても健気で、胸が締め付けられました。彼女の純粋で優しい心が、公爵の冷酷さをより一層際立たせています。

そして、最後の謎かけ。「お前のいるべき場所にいろ」。これは、今後の物語の核心に触れる、極めて重要なセリフだと感じました。彼が望む「あるべき場所」とは、一体どこなのでしょうか。彼の隣なのか、それとも彼の支配下なのか。そして「優しい狩り」という、矛盾した言葉に隠された真意とは。レイラに課せられたこの恐ろしい謎解きゲームが、どのように展開していくのか、目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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