【泣いてみろ、乞うてもいい】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
スポンサーリンク

【泣いてみろ、乞うてもいい】第5話をネタバレありで解説する

第4話でカイルという心優しい友人を得たレイラ。しかし、彼女の心に差し込んだ温かい光をかき消すかのように、第5話では公爵マティアスとの再会、そして貴族社会の気まぐれという新たな試練が、レイラを待ち受けます。

狩りの成果と、冷酷な眼差し

物語は、レイラがビルにカイルとの出会いを嬉しそうに報告している場面から始まります。しかしその時、狩りを終えたマティアス公爵とその友人たちが、馬を連れて通りかかりました。友人たちは公爵の狩りの腕前を「ホントすごいよなぁ 百発百中だ」と口々に称賛しています 。

その声に気づいたビルは、レイラを促して公爵一行に挨拶をします。そして、遅ればせながら「当分の間この子をアルビスにいさせることになりました」と、レイラの滞在許可を正式に求めました 。

公爵はレイラを一瞥すると、彼女が以前森で会った「木の上に座っていた」「一瞬鳥かと思って撃ちそうになった変な子ども」だとすぐに認識します 。友人の一人が、彼女が鳥を埋葬していたことも面白おかしく付け加えました 。マティアスは「

もちろん レマーさんの好きになさってください」と無表情で許可を与えますが、その瞳に温かい色は一切ありませんでした

無垢な少女の前に晒される「死」

公爵たちが去っていくその時、一人の供人が掲げていた獲物が、レイラの目の前に突きつけられます。それは、色鮮やかな羽を持つ美しいキジの亡骸でした 。命を奪われた無残な姿を目の当たりにし、レイラは唇をきつく噛みしめます 。そんな彼女の震える肩を、ビルは何も言わずに優しく抱き、「家に帰ろう レイラ」と促すのでした 。この出来事は、レイラの心に、公爵への静かな憎悪をより一層深く刻み付けたことでしょう。

退屈な貴族令嬢の気まぐれ

場面は一転し、ヘルハルト家の庭で開かれている、貴婦人たちの華やかなティーパーティーが描かれます。そこでブラント伯爵家の令嬢・クロディーヌは、「だって寂しいし退屈なんですう」と、不満を隠そうともしません 。同年代の遊び相手がおらず、兄たちの話にもついていけない彼女は、ふと遠くにいるレイラの姿に目をつけます 。

そして、クロディーヌは母親であるヘルハルト夫人に「私と年も近いみたいですし あの子と遊んでも?」と尋ねました 。ヘルハルト夫人は「

あなたの遊び友達になるような子じゃない」と、身分の違いを理由に一度はたしなめます 。しかし、クロディーヌが「犬と遊ぶよりは楽しいでしょうから」と挑発的な言葉を返すと、夫人は何かを思いついたように口元に笑みを浮かべ、メイドに「あの子を連れてきなさい」と命じるのでした 。

着せ替え人形にされるレイラ

ビルと共に帰路についていたレイラのもとに、メイドがやってきて、奥様からの呼び出しであることを伝えます 。理由は「ブラント家のお嬢様がレイラと遊びたいから」という、あまりに一方的なものでした 。ビルは訝しみますが、奥様の命令に逆らうことはできません

レイラはなすすべなく、貴婦人たちの元へと連れていかれます。彼女は豪華な浴室で体を洗われ、驚くほど白く柔らかいドレスに着替えさせられ、髪を梳かされました 。その手つきはどこか乱暴で少し痛みましたが、ビルに迷惑をかけたくない一心で、レイラはじっと我慢します

そして、メイドは冷たく言い放ちます。「クロディーヌお嬢様はブラント伯爵家のご令嬢よ。あなたが気軽に振る舞っていい方じゃないということを肝に銘じなさい」 。これから始まるであろう試練を前に、美しく着飾られたレイラは、ただ静かに運命を受け入れるしかありませんでした。

まとめ【泣いてみろ、乞うてもいい】5話を読んだ感想

カイルという友達ができて、レイラの世界に少し光が差したかのように思えた第4話。しかし、第5話はその淡い希望を打ち砕くかのように、厳しい現実を突きつけてきました。読んでいるこちらも、感情が追いつかないほど目まぐるしい展開でした。

前半、狩りの獲物を誇らしげに掲げる公爵たちの姿は、レイラの視点を通して見ることで、その行為の残酷さが際立って見えました。美しいキジの亡骸を目の当たりにして、唇を噛むレイラの姿には胸が締め付けられます。そんな彼女の肩をそっと抱くビルの優しさが、唯一の救いでした。

後半の貴族たちのティーパーティーは、きらびやかで美しい反面、どこか空虚で、身分の違う人間を見下す冷酷な空気が漂っていました。「犬と遊ぶよりは楽しいでしょうから」というクロディーヌのセリフは、彼女たちの歪んだ価値観を象徴しているようで、背筋が凍る思いです

そして、自分の意思とは関係なく、まるでお人形のように着飾られていくレイラの姿は、見ていて本当につらかったです。ビルに迷惑をかけたくない一心で、痛みに耐える彼女の健気さが、かえって悲しみを誘います。この理不尽な状況で、レイラは一体どんな扱いを受けるのでしょうか。一難去ってまた一難、彼女の行く末が心配でなりません。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【泣いてみろ、乞うてもいい】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
【泣いてみろ、乞うてもいい】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【泣いてみろ、乞うてもいい】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
【泣いてみろ、乞うてもいい】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
スポンサーリンク
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました