【泣いてみろ、乞うてもいい】8話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【泣いてみろ、乞うてもいい】第8話をネタバレありで解説する
4年の歳月が流れ、15歳の淑女へと成長したレイラ。第8話では、庭師ビル・レマーとの温かい日常と、彼女の心をときめかせる親友カイルとの甘酸っぱい青春、そして再び忍び寄る不穏な影が描かれます。
穏やかな日常と、ささやかな悩み
物語は、すっかり青年らしくなったレイラの姿から始まります。森で摘んできた野イチゴをビルに見せ、「これで野イチゴジャムを作ろうと思って」と嬉しそうに話す彼女の姿は、4年前の面影を残しつつも、落ち着いた雰囲気をまとっています 。二人がポーチで桃を分け合う様子は、すっかり本当の親子そのものです 。
しかし、そんな穏やかな日々の中、レイラは一つの悩みを抱えていました。それは、夜遅くまで勉強に励むあまり、視力が落ちてきてしまったことです 。試験が近いのに困ったと感じつつも、彼女は自分の力で問題を解決しようとします。以前クロディーヌからもらった金貨と、これから作る野イチゴジャムを売ったお金で、メガネを買おうと計画するのでした 。
ビルへの感謝と「立派な大人」への誓い
レイラがそこまでして勉学に励むのには、理由がありました。それは、育ての親であるビルへの深い感謝の気持ちです。かつて、ビルは周囲から「身寄りのない子どもを学校にまで行かせてどうするんだ」と反対されながらも、レイラを快く学校へ通わせてくれました 。
そんなビルは、学校で新しいことを学んでは報告に来るレイラを見て、いつも口癖のように「立派な大人」という言葉を口にしました 。その言葉はレイラにとってまるで魔法の呪文のようで、いつか本当に立派な大人になった姿をビルに見せることが、彼女の目標となっていたのです 。今回の試験を頑張ることも、ビルへの大切な恩返しの一つだと、彼女は心に誓っていました 。
忍び寄る「虐殺者」の影
しかし、そんな彼女の決意に影を落とす出来事がありました。それは、夏休みになれば、あのヘルハルト公爵が領地に帰還するということです 。彼は王立士官学校を経て陸軍将校となり、この2年間は海外へ赴任していました 。彼の帰還は、すなわち、レイラが憎む「狩り」の再開を意味します。森に再び銃声が響き渡る日々が来ると思うと、彼女の心は暗く沈むのでした 。
青春のきらめき、カイルからの告白
場面はレイラが通うギリス女学校へ。友人たちと夏休みの計画を話していると、校門の外に一人のハンサムな青年が立っています。それは、4年の間にすっかり好青年に成長した、親友のカイルでした 。
彼はレイラと一緒に下校したいがために、なんとテニス部の練習をサボってまで駆けつけていたのです 。二人は一緒にアイスを食べ、本屋に立ち寄るなど、傍から見れば恋人同士のような甘酸っぱい時間を過ごします 。鳥の図鑑を熱心に読むレイラを、カイルは愛おしそうな目で見つめます 。
そして、本屋でレイラの横顔を見つめながら、彼は心に決めます。
「今日は告白してみようか?」「君が好きだって」
あまりにもまっすぐで、純粋な告白の決意。二人の関係が新たな一歩を踏み出そうとした瞬間、物語は幕を閉じます。
まとめ【泣いてみろ、乞うてもいい】8話を読んだ感想
これまでの過酷な展開が嘘のような、優しくて甘酸っぱい空気に満ちた第8話でした。レイラが15歳になり、ビルとの間に築かれた穏やかで深い絆に、まず心が温まりました。自分の力で問題を解決しようとする彼女の成長した姿にも、胸が熱くなります。
そして何より、カイルの存在が眩しすぎました。4年の時を経て、すっかり素敵な好青年に成長した彼が、一途にレイラを想い、テニス部の練習までサボって会いに来る姿は、まさに理想の青春そのものです。二人でアイスを食べるシーンなど、見ているこちらが照れてしまうほどでした。
そんなカイルが決意した、ラストの「君が好きだって」というストレートな告白には、思わず息をのみました。レイラにとって、カイルは暗闇を照らす太陽のような存在です。この二人の恋が、どうか幸せな形で実ってほしいと願わずにはいられません。
しかし、公爵の帰還という不穏な影が、このきらめくような日常にどう影響を与えるのか。レイラの幸せを脅かす存在として、彼が再びどのような行動に出るのか、一抹の不安が残ります。甘い恋の予感と忍び寄る暗雲との対比が絶妙で、次回の展開が待ちきれない、最高の引きでした。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
