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【軍神と偽りの花嫁】12話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【軍神と偽りの花嫁】第12話をネタバレありで解説する

夫・汪煌明(おう こうめい)の命がけの行動によって、最悪の危機を脱した明凛(めいりん)。第12話では、事件の裏にあった誤解と、これまで語られなかった明凛の過去が明らかになります。お互いの心の内にあった不安をさらけ出し、真の夫婦としての一歩を踏み出す、感動的な回を詳しくご紹介いたします。

「私はあなたの妻です」―嘘の中で叫ぶ、真実の想い

事件の直後、煌明は明凛に静かに問いかけます。「あいつが好きなのか?」と 。姉・仙琳(せんりん)に吹き込まれた嘘と、実際に明凛が元恋人といたという事実。彼の心に、一抹の不安が残っていたのは当然かもしれません。

明凛は即座に否定しますが、すべての誤解を解くには、自分が仙女ではないという最大の嘘を告白しなければなりません 。その板挟みで苦しむ彼女が、覚悟を決めて絞り出した言葉、それは「私はあなたの妻です」という、ただ一つの真実でした 。どんな偽りがあろうと、今、自分の心がある場所はあなたの隣なのだという、彼女の魂の叫びだったのです。

孤独な過去と、父から受け継いだ意志

明凛の言葉を受け、今度は煌明が自身の不安を口にします。「明凛のことを何も知らない気がして不安になる」と 。その言葉に、明凛はこれまで隠してきた自らの過去を語り始めました。

彼女は一族の中で、いつも部屋の隅で本ばかり読んでいる「変わり者」でした 。それは、仙女の力を信じず医学の道を志したことで、一族から疎まれていた父の影響でした 。誰にも理解されなかった孤独な過去。それを聞いた煌明は、彼女を責めるどころか、ただ優しく抱きしめます。そして、「もう謝るな。無事でよかった」と、彼女のすべてを受け入れるのでした

「お返しをしたいんです」―芽生えた本当の夫婦の形

お互いの心をさらけ出したことで、二人の間のわだかまりは完全に消え去りました。守られてばかりだった明凛は、自らの意志で「いつもいただいてばかりなので、お返しをしたいんです」と、煌明に何かしてほしいことはないかと尋ねます

それは、彼女が本当の意味で、煌明の妻として対等な立場で彼を支えたいと願った瞬間でした。煌明はそんな彼女に、ただ一つ「もっと近くに来てくれ」とだけ求めます 。彼の膝の上に乗るように促され、戸惑いながらも従う明凛。二人の間には、これまでとは違う、温かく穏やかな時間が流れます

「証明してくれ」―愛を確かめる、誓いの口づけ

穏やかな雰囲気の中、煌明は愛する妻の頬に手を添え、静かに、しかし力強く告げます。

あの男のこと好きじゃないというなら、証明してくれ

それは、言葉ではなく、心と身体で、君の想いの全てを教えてほしいという、彼の切実な願いでした。その言葉に応えるように、明凛は静かに目をつむります。二人の唇が重なった瞬間、偽りの関係は終わりを告げ、真実の愛を誓い合う、本物の夫婦がここに誕生したのでした。

まとめ【軍神と偽りの花嫁】12話を読んだ感想

前回の壮絶な展開から一転、第12話はしっとりとした感動に満ちた、素晴らしい回でした。特に、煌明が「君のことを何も知らなくて不安だ」と、自らの弱さを素直に明かした場面に心を打たれました。彼がただ強いだけでなく、愛する人に対して不安を抱く一人の男性なのだと分かり、キャラクターの魅力が一層深まったように感じます。

そして、その不安に、明凛が自らの過去を語って応える。このやり取りを通じて、二人がついに対等な立場で向き合う「夫婦」になったのだと実感し、胸が熱くなりました。

最後の「証明してくれ」からの口づけは、息をのむほど美しかったです。それは単なる愛情表現ではなく、これまでのすべての誤解と不安を溶かし、二人の未来を固く誓い合う、神聖な儀式のように見えました。ようやく心から結ばれた二人の姿に、読者として最高のカタルシスを得られました。これから本当の夫婦として、二人がどんな困難に立ち向かっていくのか、ますます目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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