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【軍神と偽りの花嫁】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【軍神と偽りの花嫁】第14話をネタバレありで解説する

固い絆で結ばれ、本物の夫婦となった明凛(めいりん)と汪煌明(おう こうめい)。しかし、二人が穏やかな時間を過ごす裏で、姉・仙琳(せんりん)の黒い野望が、ついに国の最高権力者である皇帝を巻き込みます。第14話では、仙琳の巧妙な嘘と、煌明に仕組まれた、あまりにも残酷な運命の全貌が明らかになります。

皇帝への直訴、姉・仙琳の巧妙な嘘

物語は、仙琳が皇帝に謁見する場面から始まります。彼女は、汪家から追い出された悲劇のヒロインを完璧に演じ、涙ながらに訴えました。「私は皇帝陛下の客人として参上したにもかかわらず、汪家への出入りを禁じられたのです」と

さらに仙琳は、妹の明凛が「仙女である自分のみを頼りとし、調子に乗っている」と、巧妙な嘘を重ねます 。このままでは、大事な戦を前にした煌明の心にも影響が及ぶと、国の未来を憂う忠臣の仮面まで被るのでした。そして、彼女はとどめの一言を放ちます。

実は私にも秘めた力があるのです

その言葉に、これまで退屈そうに話を聞いていた皇帝が、初めて興味を示しました

「仙女対決」―皇帝が与えた残酷な試練

仙女の力は長女にしか宿らないはずでは、と問う皇帝に対し、仙琳は「自堕落な妹に代わって役目を果たすうち、その力に目覚めたのです」と、さらに嘘を重ねます 。そして、その覚悟を示すように「私の身体は好きに扱って構いません」と、自らの身を皇帝に差し出すことさえ厭いません

その大胆不敵な覚悟を、皇帝は「面白い」と評価します 。そして、仙琳にこう提案しました。「どちらが仙女の名に相応しいか、対決をしてはどうか?」と 。それは、真実を確かめるための場ではなく、皇帝が退屈しのぎに仕組んだ、残酷な見世物のはじまりでした

夫と共に戦場へ、そこで見た過酷な現実

その頃、明凛は回復した煌明と共に、彼の軍が駐留する陣営へと向かっていました。「傷が治るまで、ずっとお傍にいると約束しました」と、献身的に夫を支えます

しかし、そこで彼女が目の当たりにしたのは、あまりにも過酷な現実でした。豊国との戦を前に、煌明の軍に与えられた兵士はあまりにも少なく、武器はなまくらばかり 。さらに、陣営内では「弱った煌明を討ち取った者には、莫大な褒賞が出る」という、不穏な噂まで流れていたのです

忠誠心が生んだ悲劇、仕組まれた死の筋書き

明凛は、すべてを悟ります。これは、ただ不利な戦なのではありません。力を持ちすぎた将軍を疎ましく思う者たちが、皇帝までもが裏で手を引き、煌明を確実に殺すために仕組んだ、罠そのものだったのです

その忠誠心を利用され、死地へと送られる夫の姿は、彼女の目に「愚直に仕えた忠犬のまぬけ面」と映りました 。ある高官は、この状況を「冥途の土産に不老不死とは、陛下も笑わせてくれる」と嘲笑います 。偽りの花嫁に与えられた「仙女」という称号は、死にゆく英雄への、ただの残酷な冗談でしかなかったのです。

まとめ【軍神と偽りの花嫁】14話を読んだ感想

第14話は、これまで個人間の問題だった物語が、一気に国家レベルの陰謀へと発展する、非常にスリリングな回でした。特に、仙琳が皇帝に取り入る場面は、彼女の悪女としての才能が遺憾なく発揮されており、読んでいて憎々しいながらも、その手腕には感心してしまいました。

そして、皇帝の底知れない不気味さが、物語に新たな恐怖を与えています。彼は仙女の伝説など信じておらず、ただ面白いからという理由で、人の運命をもてあそぶ冷酷な人物です 。そんな彼が「仙女対決」を提案したことで、何の力も持たない明凛は、絶体絶命の窮地に立たされてしまいました

煌明の置かれた状況も、あまりに悲惨で胸が痛みます。国のために身を粉にしてきた英雄が、その忠誠心のせいで、国そのものから殺されようとしている。この理不尽な展開に、強い憤りを感じずにはいられません。仙女対決、そして死が確定した戦。二重の危機に、二人はどう立ち向かうのか。息をのむような展開に、次巻が待ちきれません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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