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【軍神と偽りの花嫁】15話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【軍神と偽りの花嫁】第15話をネタバレありで解説する

姉・仙琳(せんりん)が皇帝に直訴するという、不穏な動きで幕を閉じた第14話。続く第15話では、仙琳の策略が着実に実を結ぶ一方、夫である汪煌明(おう こうめい)が妻を守るため、ついに皇帝へ牙を剥きます。そして、明凛(めいりん)が築き上げてきたささやかな信頼と幸福を、根底から覆す最悪の知らせが突きつけられます。

偽りのない献身、兵士たちの心を掴む「本物の仙女」

物語は、明凛が煌明の陣営で、負傷した兵士たちを献身的に治療する場面から始まります。彼女は仙術ではなく、独学で得た医学の知識を駆使し、薬湯を作ったり、傷への負担が少ない巻き方を工夫したりと、一人一人に寄り添います

その真心は、荒んだ兵士たちの心を確実に溶かしていきました。彼らは、伝説の仙女としてではなく、自分たちを救ってくれる一人の優しい女性として明凛を慕い、「仙女様のためにこの剣を振るいます」と、忠誠を誓うのでした 。彼女は、その行いによって、誰の目にも「本物の仙女」として映っていたのです。

「私が死んだら、彼女はどうなりますか」―皇帝への問いと静かなる脅迫

その頃、煌明は皇帝に呼び出されていました。皇帝は、煌明の忠誠心を試すかのように、彼の怪我を「その程度か」と一蹴します 。その挑発に乗ることなく、煌明は静かに、しかし強い意志を持って問いかけました。

私が死んだら、明凛はどうなりますか

自分の命よりも、まず妻の身を案じる。その深い愛情を示した上で、煌明はさらに言葉を続けます。「私は次の戦でも勝ち、必ず帰ってきます。ですが、あなたの策略に彼女が巻き込まれるようなことがあれば…」と、暗に皇帝を脅迫するのでした 。彼はもはや、ただ利用されるだけの駒ではありません。

現れる第二の仙女、姉・仙琳の宣戦布告

煌明の脅迫めいた言葉にも、皇帝は顔色一つ変えません。それどころか、「お前の呪いを憂う者がもう一人いてな」と、不気味に微笑みます 。そして、その言葉に応えるように現れたのが、姉の仙琳でした。彼女は煌明を前に、臆面もなくこう言い放ちます。

私にも仙女の力が宿っています

彼女の嘘は、皇帝という絶対的な権力者に取り入ることで、もはや誰も否定できない「事実」になろうとしていました。

「どちらが真の仙女か」―突きつけられた残酷な挑戦状

煌明が屋敷に戻ると、侍女たちは彼が奥様のために真剣に贈り物の服を選んでいたと、その変化を喜ばしげに語ります 。しかし、彼の表情は固いままでした。彼は人払いをすると、明凛に宮殿での出来事を静かに告げます

仙琳がお前に勝負を挑みたいと、陛下に直談判したらしい。どちらが真の仙女であるか、と

それは、仙術を持たない明凛にとって、負けが約束された死の宣告にも等しいものでした。やっと見つけた自分の居場所と、夫との幸せな日々が、姉の悪意によって、今、無慈悲に打ち砕かれようとしています。

まとめ【軍神と偽りの花嫁】15話を読んだ感想

第15話は、明凛が地道な努力で信頼を勝ち得ていく姿と、仙琳が嘘と権力でそれを破壊しようとする、対照的な構図が鮮やかな回でした。兵士たちが明凛を「仙女様」と慕うシーンは、彼女の優しさが本物だからこそであり、読んでいて胸が温かくなりました。

そして、煌明と皇帝の対峙するシーンは、本作屈指の緊張感でした。「私が死んだら彼女は…」と切り出す煌明の姿は、愛する人を守るためなら、たとえ国の頂点に立つ相手であろうと牙を剥く、彼の覚悟の表れです。その姿は本当に格好良く、惚れ直してしまいました。

しかし、そんな二人の絆を嘲笑うかのような、ラストの「仙女対決」という挑戦状。あまりにも残酷な展開に、思わず言葉を失います。自分の力で居場所を築いてきた明凛が、自分の持たない「力」でその価値を試される。これほど理不尽なことがあるでしょうか。絶望的な状況に、二人がどう立ち向かうのか。固唾をのんで見守るしかありません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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