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【軍神と偽りの花嫁】16話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【軍神と偽りの花嫁】第16話をネタバレありで解説する

姉・仙琳(せんりん)から突きつけられた、あまりにも残酷な「仙女対決」という挑戦状。第16話で描かれるのは、その絶望的な申し出に対する、妻・明凛(めいりん)の驚くべき覚悟と、彼女が描く未来への道筋です。決戦を前に、お互いの想いを確かめ合う二人の、どこまでも甘く切ない一夜を詳しくご紹介します。

「その勝負、受けて立ちます」―覚悟を決めた妻の決意

仙女の力を持たない自分に、勝ち目などない。しかし、明凛は一切の迷いを見せませんでした。彼女は、夫である汪煌明(おう こうめい)の目を見て、はっきりとこう告げます。

その勝負、受けて立ちます

それは、自暴自棄になった末の言葉ではありません。これ以上、自分の家族がついた嘘のせいで、煌明の命を危険に晒すことはできない。そして、愛する夫を支えるのは、他の誰でもないこの私なのだという、彼女の強く、揺るぎない決意の表れでした

勝利の褒美は「嘘の赦し」―明凛が描く未来への道筋

明凛には、ただ勝負を受けるだけではない、壮大な計画がありました。皇帝は、対決の勝者になんでも褒美を一つ与えると言っています 。彼女はその権利を使い、これまでついてきた「仙女ではない」という嘘のすべてを、不問にしてもらうつもりだったのです

それは、もし負ければ一族もろとも極刑になりかねない、あまりにも危険な賭けでした 。しかし、彼女は煌明との未来のために、すべてを清算する覚悟を決めたのでした。その覚悟を聞いた煌明は、何も言わず、ただ静かに彼女の決意を受け入れます。そして、勝負が終わったら話したいことがある、という彼女の言葉に、「わかった」とだけ応えるのでした

「巻き込みたくない」―夫の優しさと、妻の覚悟

決戦を前にした夜、明凛は煌明の入浴を手伝います。そこで煌明は、「お前を巻き込みたくない」と、初めて本音を漏らしました 。しかし、明凛は「私がついた嘘だもの」と、その優しさをきっぱりと拒絶します。

彼女は、煌明が死地に送られるという文官たちの噂話を、偶然聞いてしまったことも打ち明けました 。以前は一人で死ぬつもりだった、と語る煌明 。しかし、今は違う。自分を待っていてくれる妻がいる。だからこそ、彼は明凛をこれ以上、危険な渦中へ引き込みたくなかったのです。その想いこそが、彼の最大の優しさでした。

「おなじです」―嫉妬と愛情が溶け合う、湯けむりの告白

お互いの本音をぶつけ合う中で、二人の心はさらに深く結びついていきます。煌明は、仙琳と何を話したのかと尋ねる明凛の不安げな表情に、「嫉妬か?」と問いかけました 。そして、自分も同じ気持ちだと、優しく告白します

「私は今すぐお前を抱きしめて、口づけがしたい」

そんな彼の真っ直ぐな言葉に、明凛は頬を染めながら、小さな声で「おなじです」と答えるのでした 。偽りも、計算も、不安もすべてが溶け合った湯けむりの中で、二人はただ、お互いの存在を確かめ合うように、静かに身体を寄せ合います。

まとめ【軍神と偽りの花嫁】16話を読んだ感想

第16話は、明凛の目覚ましい成長と、二人の絆の深まりに、ただただ感動する回でした。特に、絶望的な「仙女対決」を、ただ受けるだけでなく、自らの嘘を清算するための好機と捉え、勝利後の計画まで立てていた彼女の姿には、鳥肌が立ちました。もう彼女は、守られるだけのヒロインではありません。自らの知恵と覚悟で、運命を切り開こうとする、真の主人公です。

そして、なんと言ってもお風呂のシーンが最高でした。お互いを思いやるがゆえに、煌明は「巻き込みたくない」と言い、明凛は「一人にしない」と返す。この対等で、深く信頼し合った関係が、本当に尊いです。お互いに「嫉妬だ」と認め合う場面も、二人の愛情の深さが伝わってきて、読んでいて胸が温かくなりました。

いよいよ、物語は「仙女対決」という大きな山場を迎えます。しかし、これだけ固い絆で結ばれた二人なら、きっとどんな困難も乗り越えられるはず。そう信じさせてくれる、希望に満ちた素晴らしい一話でした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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