【軍神と偽りの花嫁】36話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【軍神と偽りの花嫁】第36話をネタバレありで解説する
第三国の使者・霧芳(きりか)との危険な共同作業が始まり、新たな緊張感が漂う中で迎えた第36話。今回は、これまであまり語られなかった夫・汪煌明(おう こうめい)の胸の内と、彼が背負う過酷な宿命の真相が明らかになります。そして、束の間の休息で訪れた温泉郷での、二人の甘く切ないひとときを詳しくご紹介いたします。
「要は暗殺だろう」―軍神が明かす、呪いの残酷な真実
物語は、煌明が自らにかけられた「呪い」の真相を、冷静に語る場面から始まります。彼は、汪家一族が短命であるという運命を、ただの呪いなどではなく、「要は暗殺だろう」と看破していました 。
国の力の均衡を保つため、強くなりすぎた武人は排除される。自分も、そして若くして死んだ父も、国に利用されるだけの「ただの駒だ」と、彼は静かに語ります 。その言葉には、運命への諦観と、想像を絶する孤独を一人で耐え抜いてきた、彼の覚悟の深さが滲んでいました。
利用価値のある敵、霧芳を巡る煌明の思惑
煌明は、霧芳が「呪い」の件に一枚噛んでいると確信しています 。しかし、同時に、腐敗した文官たちに対抗するためには、霧芳のような知識を持つ信用できる協力者が必要不可欠だと判断していました 。そのため、彼はあえて霧芳を罰さず、「利用しない手はない」と、彼を駒として使う決断を下します 。
ただ、それはあくまで戦略上のこと。夫としては、「この世のすべての男を明凛に近づけたくない」というのが、偽らざる本心でした 。霧芳と話す際は必ず同席させてくれ、と頼む彼の姿には、国を守る将軍としての顔と、妻を愛する一人の男としての顔が、複雑に交錯していました。
湯けむりの告白「目を離した隙に何があるか…」
煌明は、激務の合間を縫って、明凛を美しい温泉郷へと連れ出します。地面から湯が湧き出る光景に、明凛は本で読んだ通りだと目を輝かせました 。
いざ湯に入ろうという時、明凛は恥ずかしさから「向こうを向いていただいても…」と夫にお願いします 。しかし、煌明は「目を離した隙に何があるかわからない」と、悪戯っぽく、しかし本心からの言葉でそれを拒否しました 。片時も妻から目を離したくない。その独占欲こそが、彼の愛情表現なのです。そして、湯の中で向き合った妻の姿に、彼はただ一言、「綺麗だな」と、素直な想いを伝えるのでした 。
「私もです」―不安を溶かす、誓いの口づけ
夫からの真っ直ぐな言葉に、明凛もまた「私は煌明様の鍛えられた身体の方が美しいと思います」と、健気に想いを返します 。その言葉に心を動かされた煌明は、愛おしそうに妻を抱きしめ、優しく口づけをしました 。
突然の口づけに驚きながらも、明凛は小さな声で「私もです」と応えます 。言葉にしなくとも、お互いの想いが完全に通じ合っている。そんな確かな絆を感じさせる、美しい瞬間でした。しかし、その裏では、霧芳が一人、書物を読みふけりながら、次なる策謀を巡らせているのでした 。
まとめ【軍神と偽りの花嫁】36話を読んだ感想
第36話は、これまで最強の将軍として描かれてきた煌明の、知られざる内面が深く掘り下げられた、非常に見応えのある回でした。彼が呪いの真相に気づきながらも、国のために「駒」である自分を受け入れていたという事実に、まず胸を打たれます。その冷静な分析力と、孤独な覚悟には、ただただ感服するばかりです。
その一方で、妻である明凛に対しては、独占欲を隠さなかったり、温泉で「綺麗だな」と素直に伝えたりと、人間味あふれる一面を見せてくれたのが最高でした。このギャップこそが、汪煌明というキャラクターの最大の魅力なのだと改めて感じます。
温泉での二人のやり取りは、シリアスな展開が続く中での、まさに癒しのひとときでした。お互いの想いを確かめ合うような、甘く穏やかな時間に、読んでいるこちらも幸せな気持ちでいっぱいになりました。しかし、ラストで不穏な霧芳の姿が映し出されたことで、この幸せが長くは続かないことも予感させられます。甘いラブストーリーと、緊張感のあるサスペンスが巧みに織り交ぜられた、見事な一話でした。
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