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【軍神と偽りの花嫁】38話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【軍神と偽りの花嫁】第38話をネタバレありで解説する

夫である汪煌明(おう こうめい)を守るため、暗殺者であった霧芳(きりか)に刃を突きつけた明凛(めいりん)。第38話では、その緊迫した対峙から一転、二人が国の未来という共通の目的のために、いかにして協力関係を築いていくのかが描かれます。そして、決戦を前にした夫が、妻へ贈る感動的な言葉とは。今回は、サスペンスと愛情が深く交差する、物語の重要回を詳しくご紹介いたします。

「私の夫を殺めようとしたこと、許しません」―妻として、譲れぬ一線

物語は、明凛が霧芳に対し、夫への想いを涙ながらに語る場面から始まります。「煌明様は本当に優しい方なんです。こんなお辛い思いをしていい方じゃありません」と、彼女は夫がこれまで国のために、いかに心を砕いてきたかを訴えます

しかし、その上で彼女は、きっぱりとした態度でこう言い放ちました。「私の夫を殺めようとしたこと、許すことはできません。個人的な感情を決して許しはしない。その毅然とした態度は、彼女がもはやただの優しい少女ではないことを示していました。そして、彼女は続けます。「ですが…煌明様のため、この国のために、お力添えください」と。私情と公の目的を両立させる、その聡明な覚悟を前に、煌明はただ「ありがとう」と、妻への感謝を伝えるのでした

新たな内通者の影、仕掛けられた武器への罠

霧芳との危険な協力関係が始まる中、陣営に新たな脅威が迫ります。治療薬の準備を進める明凛に対し、霧芳は専門的な知識で的確な助言を与え、有能な協力者としての一面を見せていました

しかしその矢先、兵士が血相を変えて駆け込んできます。武器庫に保管されていた矛が、何者かによって薬剤をかけられ、腐食させられていたのです 。この事態に、煌明は冷静に「もう一人、内通者がいるな」と看破します 。敵は霧芳だけではなかった。より根深く、そして巧妙な陰謀が、すぐそこに迫っていることを物語っていました。

知識という名の武器、夫を救う妻の献身

腐食した矛の修復という、絶望的な問題に直面した煌明軍。しかし、この危機的状況を救ったのは、他ならぬ明凛の知識でした。彼女は、以前翻訳した書物の中に「丹砂が金属の邪を払う」という一節があったことを思い出し、修復の糸口を見つけ出します

その的確な知識に、煌明は全幅の信頼を置きます。彼はすぐさま人員を選び、相互に監視できる状況下で、明凛の指示に従い修復作業を進めるよう命じました 。そして、修復が終わった後は、幕舎で負傷者たちの治療を頼むと告げます 。彼女はもはや、医術だけでなく、その幅広い知識で夫を支える、唯一無二のパートナーとなっていたのです。

「私の妻になってくれて、ありがとう」―決戦を前に誓う、永遠の愛

すべての準備が整い、決戦を前にした静かな夜。煌明は、二人きりになった幕舎で、明凛にそっと語りかけます。

もうすぐ私は30になるが…帰ってこられる場所ができるとは想像もしていなかった

それは、呪いと孤独の中で、死ぬことだけを覚悟して生きてきた彼が、初めて手にした温かい居場所への、偽らざる本心でした。そして彼は、愛する妻を強く抱きしめ、こう告げるのです。

私の妻になってくれてありがとう

その言葉は、どんな武器よりも強く、どんな策略よりも巧みな、永遠の愛の誓いでした。

まとめ【軍神と偽りの花嫁】38話を読んだ感想

第38話は、霧芳とのスリリングな心理戦と、次々と起こる問題を知恵と信頼で乗り越えていく夫婦の姿、そして胸を打つ愛の告白が、完璧なバランスで描かれた珠玉の回でした。明凛が霧芳に「許しません」と言い放つシーンには、彼女の妻としての覚悟と強さに、思わず鳥肌が立ちました。

また、新たな内通者の出現により、物語のサスペンスが一層深まったのも見事です。そんな中で、明凛が書物の知識を武器に、腐食した矛の修復という難題を解決する展開は、非常に痛快で、彼女の聡明さが際立っていました。

そして何より、ラストの煌明の告白です。「帰る場所ができた」という彼の言葉は、これまでの彼の孤独な人生を思うと、涙なしには読めませんでした。決戦を前に、二人の絆が最も強く、美しく輝いたこの瞬間に、読者として最高の感動を覚えました。これから始まる過酷な戦いを、この二人なら必ず乗り越えられる。そう確信させてくれる、希望に満ちた一話でした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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