【関係の終末】5話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】前話(第4話)のあらすじ

民宿のオーナーの理不尽な怒声が響き渡り、楽しかったはずのバーベキューの雰囲気は最悪なものとなりました。ユイが気分転換とトイレのために席を外している間、一人残されたマサルは何かの物音と不穏な気配を感じ取ります。それは気のせいなのか、それとも…。

【関係の終末】第5話をネタバレありで解説する

前話でマサルが感じた不気味な気配。それは現実の脅威として、今度はユイに忍び寄ります。民宿の闇はさらに深まり、二人の心には拭いきれない恐怖と疑念が渦巻き始めるのでした。

忍び寄る恐怖、オーナーの異常な命令

マサルが感じた物音の正体は、結局のところカラスだったようで、ひとまずは安堵したマサル。その頃、ユイが部屋に携帯電話を忘れたことに気づき、取りに戻ることになります。民宿の母屋に近づいたユイは、そこで耳を疑うような会話を立ち聞きしてしまうのです。それは、民宿のオーナーが従業員の男に、他の宿泊客の様子について指示している声でした。

オーナーは従業員に対し、まるで他の客の命を軽んじるかのように、「生きてるのか死んでるのかドアに耳を当てて確認してみろ」と冷酷に命じ、さらに「念のため数時間おきに確認するんだ」と執拗に監視を強要しているのでした 。その言葉は、単なる宿の主人の気遣いとは到底思えない、異常な響きを帯びていました。

ユイの戦慄と、マサルの動揺

オーナーの恐ろしい指示を耳にしたユイは、血の気が引くような恐怖に襲われます。マサルが戻ってくると、ユイは震える声で「さっき話してた親子のことよね? 心中する気だったらどうしよう なんか怖いよ」と、オーナーが自殺志願者だと仄めかしていた他の客の身を案じ、自身の恐怖を訴えるのでした

話を聞いたマサルは、ユイを落ち着かせようと努めます。「多分違うと思う…」と前置きし、「男のほうの客がさっきこの近くにいたみたいなんだ」「ただ散歩してるみたいだったけど…」と、以前自身が見かけた男性客の様子を伝えます 。しかし、その言葉もユイの不安を完全には拭えません。「あのオーナーほんとに変よね」というユイの言葉には、この場所に渦巻く不気味さへの生理的な嫌悪感が滲んでいました 。マサル自身も、平静を装いつつ、心のどこかで得体の知れない恐怖を感じていたのではないでしょうか。

食後の片付けと、不気味な影

重苦しい雰囲気のままバーベキューを終えた二人。片付けの際、マサルが食べ残しを無造作にその辺の茂みへ捨てようとすると、ユイは「マサル!その辺に捨てないで!」「汚れるじゃない!」と、珍しく強い口調で彼を咎めます 。しかしマサルはどこ吹く風といった様子。ユイは「オーナーに文句言われたくない」と、結局一人で丁寧に後片付けをするのでした

そして、ユイが片付けた食べ残しの袋のそばには、いつの間にか何かの得体の知れない者(不気味な歯とよだれだけの描写)が、それを漁っている不気味な光景が描かれます 。それは、これから起こるであろうさらなる異変への序章を感じされる不気味さを演出してくれます。

まとめ【関係の終末】5話を読んだ感想

第5話は、民宿のオーナーの異常性がより具体的に示されたことで、物語全体の不気味さが一層増したように感じました。特に、ユイがオーナーの指示を立ち聞きしてしまうシーンは、読んでいるこちらも息を飲むような緊張感があり、彼女が感じた恐怖に強く共感しました。「生きてるのか死んでるのか確認しろ」というセリフは、人間の命に対する歪んだ価値観を露呈しており、背筋が凍る思いです。

そんな状況下で、マサルがユイを宥めようとするものの、どこか上の空のようにも見える態度は、彼の中で何かが変わり始めている予兆なのでしょうか。以前の彼なら、もっとユイの恐怖に寄り添っていたのではないかと感じてしまいます。

そして、ラストの食べ残しに群がる動物の描写は、非常に意味深長でした。一見、自然の摂理のようにも見えますが、この物語の流れの中で見ると、何か不吉なものを象徴しているように思えてなりません。人間たちの間で渦巻く悪意や狂気が、動物たちをも巻き込んでいくような、そんな悍ましい展開を予感させます。ユイの恐怖とマサルの変化、そして不気味な伏線が散りばめられ、次話への不安と興味がますます掻き立てられました。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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