【関係の終末】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】第7話をネタバレありで解説する

過去のトラウマに再び心を苛まれ、ほとんど眠れないまま朝を迎えたマサル。悪夢の残滓は彼の心に重くのしかかり、旅行二日目のこの日も、民宿に漂う不穏な雰囲気は晴れることなく、二人の関係に微妙な影を落とし始めます。

深まる心の闇、そして悪夢が語るもの

夜中、マサルは悪夢にうなされ、苦悶の表情を浮かべていました。夢の中では、正体不明の何者かに「お…お前…だ…誰だ?」と詰問され、言いようのない恐怖に顔を引きつらせています 。そのただならぬ様子に気づいたユイが心配して起こすと、マサルはびっしょりと汗をかいていました 。ユイが「悪い夢でも見たの?」と優しく声をかけ、水を差し出すと 、マサルは「あぁ…そうかも…」と力なく答え、「慣れない場所だからかな…」と、かろうじて言葉を絞り出します 。ユイは、普段ならすぐに眠りにつくマサルがこんな状態になるのは珍しいと感じ、心配そうな眼差しを向けました 。ようやく少し落ち着きを取り戻したマサルは、ユイに「もう寝よう」と促しつつも、心の奥底では、夢に出てきた不気味な男の影と、昨夜見かけた何者かの姿が重なり、拭いきれない不安を抱えていたのです

翌朝、空は皮肉なほどに澄み渡っていました。二人は朝食にラーメンを準備し、外で食べ始めます 。そこでユイが、「ところで昨日は一体どんな夢見てうなされてたの?」と、昨夜のマサルの夢の内容を尋ねました 。マサルは少し躊躇いながらも、「目を覚ましたら部屋の中に誰かいたんだ」と語り始め、「声をかけても黙ってただ窓を指さしてるから 振り返って窓を見たら たくさん手が伸びてきて そこで目が覚めた」と、その恐ろしい夢の詳細を説明します 。それを聞いたユイは、「うわぁ…気味悪すぎる」「本当にここで誰か死んだんじゃないの?」と顔を青ざめさせ、この民宿に漂うただならぬ雰囲気への恐怖を新たにしました 。マサルは、「ただの悪夢だよ 気味は悪いけど」とユイを安心させようと努めますが、その表情は硬く、自身も悪夢の不吉さから逃れられていない様子でした

プロポーズのタイミング、そしてすれ違う二人の想い

朝食の最中、マサルは唐突に話題を変え、「ところでさ ユイは今の仕事続けたいか?」とユイに尋ねます 。あまりに脈絡のないその問いかけに、ユイは「せっかく遊びに来てるのに突然何なのよ」「もう前に話したでしょ」と、わずかに戸惑いながらも、どこか不快感を滲ませた表情で答えました 。マサルはそれ以上何も言わず、内心で「…プロポーズは夜にしよう…」と、大切な言葉を伝えるタイミングを改めて計るのでした 。ユイへの真剣な想いを胸に秘めながらも、自身の心の不安定さからか、なかなか核心を切り出せないマサルの姿がそこにはありました。

川遊びでの不意のアクシデントと、ユイの秘めた予感

気分を変えようと、二人は近くの川へ水遊びにやってきました。マサルはユイに、「急に深くなるから気を付けろよ 雨が続いたから水かさが増してるんだ」と声をかけ、彼女を気遣います 。しばし楽しげに水と戯れていた二人でしたが、その時、突然ユイが「いたっ!」と鋭い声をあげ、川の中に立ちすくんでしまいました 。どうやら水中でガラスの破片か何かを踏んでしまったようです。「どうした?大丈夫か?」と慌てて駆け寄るマサルに、ユイは痛みに顔を歪めながら「ガラスか何かを踏んだみたい…」と訴えます 。マサルは、「誰かが酒の瓶でも捨てていったのかな こっち来て」と、ユイを支えながら慎重に岸へと促しました

岸へ上がりながら、ユイは先ほどのマサルの唐突な言葉を思い出していました。「突然仕事の話なんて プロポーズでもする気だったのかな…」と彼女はマサルの意図を察し、「バレバレなんだから…」と、どこか愛おしさを感じているかのような、それでいて少し複雑な表情を浮かべるのでした 。しかし、その直後、ユイの足からは鮮やかな血が流れ出ているのがはっきりと見え 、楽しいはずの川遊びは不穏な形で中断されることになります。

まとめ【関係の終末】7話を読んだ感想

第7話は、マサルの精神的な不安定さが悪夢という形で具体的に描かれ、その不気味な内容に読んでいるこちらも引き込まれました。部屋に誰かがいて、窓から無数の手が伸びてくるという光景は、この作品全体の不穏な雰囲気を象徴しているかのようで、強い印象を残します。マサルがそれを「ただの悪夢」と片付けようとしながらも、明らかに動揺している様子は、彼の心の脆さを感じさせました。

そして、プロポーズという人生の大きな転機を前にしながらも、それを切り出せずにいるマサルの姿と、そんな彼の変化や意図を薄々感じ取っているユイの描写は、二人の関係の機微を巧みに表現していると感じます。特に、ユイがマサルのプロポーズの意図に気づき、「バレバレなんだから…」と心の中で呟くシーンは、緊張感の中にも少しだけ温かい気持ちにさせてくれるものでした。

しかし、その直後に起こるユイの怪我は、そんな束の間の安堵を打ち消すかのように不吉な影を落とします。単なるアクシデントなのか、それともこれから起こる更なる不幸を暗示しているのか。美しい自然の中で起きた突然の流血は、この旅行が決して穏やかなものではないことを改めて強く印象づけ、今後の展開への不安を一層掻き立てるものでした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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