【関係の終末】11話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【関係の終末】前話(第10話)のあらすじ
愛するユイを守るため、そして自らの過去に決着をつけるため、覚悟を決めたマサル。彼のただならぬ気迫に気圧され、ユイに絡んでいた地元住民の男たちは捨て台詞を残して退散します。興奮冷めやらぬ中、マサルはユイに「お前のことは俺が絶対に守る」と力強く宣言し、そして「結婚しよう」とプロポーズするのでした。一方、マサルをいじめていた同級生たちは、近くの川で水浴びを始めようとしており、その中の一人が遠くにいるマサルたちの姿に気づき、どこかで見た顔だと訝しむ様子が描かれ、不穏な空気が再び漂い始めていました。
【関係の終末】第11話をネタバレありで解説する
マサルの決死のプロポーズ。それは、彼にとって過去のトラウマとの決別と、ユイとの未来への強い意志を示すものでした。しかし、悪夢のような悪縁は、そう簡単には彼らを見逃してはくれませんでした。幸せの絶頂から一転、再び彼らの前に、あの忌まわしい過去の影が立ちはだかります。
川辺の騒動、そして再び現れた男たち
マサルとユイがプロポーズの余韻に浸る間もなく、近くの川辺で騒がしい声が響き渡ります。それは、第10話の最後に登場した、かつてマサルをいじめていた同級生たちが、川に飛び込んでふざけ合っている声でした。「うわ!めっちゃ冷てぇ!」とはしゃぐ彼らの傍若無人な振る舞いに、ユイは「騒がしいね…静かだからここに来たのに」と眉をひそめます。マサルは、ユイの「場所変える?」という提案に対し、「いや大丈夫だ ここにいよう」と、どこか虚勢を張るかのように答えます。
しかし、男たちの悪ふざけはエスカレートし、彼らが川に飛び込む水しぶきがマサルたちのところまで飛んできます。マサルが「すみません こっちに水が飛んでます」と控えめに注意を促すと、「すみません テンション上がっちゃって」と謝るものの、リーダー格の男は「このバカ 迷惑かけんじゃねえよ ガキじゃあるまいし」と仲間を諌めるふりをしながらも、その態度は横柄なままでした。ユイは「マサル いいから…私たちが移動しよう」と、面倒事を避けようとしますが、マサルは黙ってその場を動きません。
男たちの詮索と、マサルの微かな希望
やがて川遊びに飽きたのか、男たちは陸に上がり、「年取ったら遊ぶのも疲れるわ」「ちょっと休んでバーベキューでもしようぜ」などと話しています。その時、一人の男がマサルに近づき、「ちょっと聞きたいんスけど この辺に民宿とかないスか?」「泊まるつもりなんだけど予約してなくて…」と馴れ馴れしく尋ねてきました。ユイが「私たち日帰りで…よくわからないです」と当たり障りなく答えると、男は「…そうなんですか」と残念そうな表情を見せます。ユイは「ええ…なのでそろそろ帰ろうかと…」とその場を離れようとしますが、男はさらに「車が見当たらないけど歩いてここまで?」「この近くに住んでるんです」などと詮索を続けます。ユイが適当にはぐらかすと、男はようやく諦めたのか仲間のもとへ戻っていきました。
男たちが去っていくのを見送りながら、マサルは内心で「やっぱり…俺に気付いてない これで終わったんだ…本当に…」と、かろうじて気づかれずに済んだことに安堵し、悪縁がここで断ち切れたのかもしれないという、微かな希望を抱き始めていました。このまま何事もなく、彼らが立ち去ってくれれば…。
悪夢は終わらない…絶望的な認識
しかし、その淡い期待は無残にも打ち砕かれます。仲間のもとへ戻った男が、ふと何かを思い出したかのように、再びマサルの方へ向き直りました。そして、マサルに近づきながら、こう尋ねるのです。「ちょっとすみません さっきの話じゃなくて」「どっかで会ったことないですか?」。その言葉は、マサルにとって死刑宣告にも等しいものでした。気づかれてしまった。終わっていなかったのだ、と。絶望的な表情を浮かべるマサルの顔を、男はじっと覗き込みます。この瞬間、マサルは再び、あの忌まわしい過去の記憶と、そして目の前の現実の脅威に、真正面から向き合わざるを得なくなるのでした。
まとめ【関係の終末】11話を読んだ感想
第11話は、マサルのプロポーズという感動的なシーンから一転、再び悪夢のような現実へと引き戻される、まさにジェットコースターのような展開でした。前半、いじめっ子たちが川で騒ぐシーンは、彼らの無神経さと傍若無人ぶりを改めて浮き彫りにし、マサルとユイのささやかな幸せを踏みにじる存在として、強い憤りを感じさせます。
一度は気づかれずに済んだかと安堵したマサルの表情が、「どっかで会ったことないですか?」という一言で絶望に変わる瞬間は、読んでいて胸が締め付けられるようでした。せっかくトラウマを乗り越えようと決意し、ユイとの未来を掴もうとしていた矢先の出来事だけに、その残酷さが際立ちます。この男の記憶力というか、執念深さというか、そういったものも不気味に感じました。
この絶望的な状況で、マサルはどうなってしまうのか。そして、ユイは彼の過去を知ることになるのでしょうか。物語は再び緊迫感を増し、次なる展開から目が離せません。マサルの抱えるトラウマの根深さと、悪縁の恐ろしさを改めて感じさせられるエピソードでした。
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