【関係の終末】13話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】前話(第12話)のあらすじ

「どっかで会ったことないですか?」――かつてのいじめっ子グループの一人、タカのその一言で、マサルの最も隠したい過去がユイの前で無慈悲にも晒されました。男たちはマサルを「サル」と呼び、過去のいじめを武勇伝のように語り、あろうことか自分たちを「サルの友達」だとユイに紹介します。さらに、宿がないことを理由にマサルたちが泊まっている民宿の情報を聞き出し、バーベキューにまで誘う始末。マサルは抵抗する気力もなく、彼らの厚顔無恥な提案を受け入れてしまうのでした。

【関係の終末】第13話をネタバレありで解説する

かつてのいじめっ子たちとの悪夢のような再会。彼らはマサルたちの民宿にまで押しかけ、傍若無人に振る舞います。トラウマと屈辱に耐えながらも、マサルはこの状況に一つの区切りをつけようと、ユイに自身の過去を打ち明け、そしてある決意を語るのでした。

宴会の強要、そしてユイの疑念

物語はマサルの過去の悪夢から始まります。彼らはマサルを「宴会部長のサル!」と呼び、「一発芸でもかませ!」と囃し立てます。しかし、マサルが何もせずにいると、メンバーの一人が「せっかく振ってやったのに…」と不満を漏らし、「メンスをコーラの中に入れたら爆発すんだってさ」「ジャンケンで負けた奴の口にメン○ス入れてコーラ飲ませようぜ めっちゃ面白そうじゃね?」などと、悪趣味なゲームを提案するのでした。周りの女性たちが「何言ってんのよ!変態じゃん」と嫌悪感を示す中、いじめっ子たちはマサルに「サル 何してんだよ やろうぜ 早く」と強要します。

マサルの告白、トラウマと謝罪への渇望

民泊への帰路の最中、ユイはマサルに小声で尋ねます。「ねぇマサル…あの人たち本当に友達なの?」「ガラが悪そうだし…マサルの友達にあんな人たちいないじゃない」。ユイのその言葉にはマサルへの心配が滲んでいました。

ユイの問いかけに、マサルは重い口を開き、これまで誰にも話してこなかったであろう過去を打ち明けます。「実は俺 学生の頃いじめられてたんだ」「子供の頃は背が低くて体も弱かったんだ」。そして、ユイが「…あの人たちにいじめられてたの?」と核心に触れると、マサルは「ああ」と静かに肯定しました。ユイはさらに、マサルの体にある無数の傷跡について、「じゃあまさか…体中の傷痕………………あの人たちにやられたの?トレーニングが原因じゃなくて?」と問い詰めますが、マサルは「いや それは違うよ」と、それだけは否定しました。

ユイは「でもなんで民宿のことを教えたの?」「マサル もう家に帰ろうよ」と、この場から離れることを強く促します。しかし、マサルは首を横に振りました。「そんなにひどいいじめじゃなかった」「でもちょっとトラウマになって…あの時の記憶がずっと頭に残ってて…」。そして、意外な言葉を口にするのです。「ただ…謝ってほしいんだ」。彼は、どれだけ体を鍛えようとも、中身はずっとあの頃の怯えたままの自分であり、この再会を機に、彼らに謝罪させることで過去に区切りをつけたいのだと、切々とユイに訴えるのでした。「昔は怖かったけど 今は大丈夫だ」「さっき見ただろ?五人もいるのに俺に何も言えなかった」。そう語るマサルの目には、かすかな決意の色が浮かんでいました。

ユイの不安と、壁の向こうの異変

マサルの決意を聞いても、ユイの不安は消えません。「嫌な予感がする」と彼女は呟きます。そして、「でもサルって何?どういう意味?」と、彼らがマサルを呼ぶあだ名について尋ねました。マサルは「名前がマサルだからサルにしたのかな…あんな奴らが考えるあだ名に意味なんかないよ」とぶっきらぼうに答え、「何言ってんだよ ただ飲むだけじゃないか ユイは部屋にいていいから」と、彼女を飲みの席から遠ざけようとします。

場面は変わり、オーナーは「自殺志願者」だと言い張る部屋をノックします。「ちょっと…うるさいわね!」という女性の苦しげな声と、「叩かないでよ そんなに」という懇願するような声。それは、この民宿に潜むもう一つの闇が、すぐ隣で蠢いていることを示唆していました。

まとめ【関係の終末】13話を読んだ感想

第13話は、マサルがユイに自身のつらい過去を告白し、長年抱え続けてきたトラウマに一つの区切りをつけようとする、彼の内面の変化が中心に描かれました。いじめっ子たちの傍若無人な振る舞いは相変わらず胸糞の悪いものでしたが、それに対してマサルが「謝ってほしい」という具体的な目標を持ったことは、彼にとって大きな一歩だったのではないでしょうか。「昔は怖かったけど今は大丈夫だ」という言葉には、まだ虚勢も含まれているかもしれませんが、それでも過去の自分から脱却しようとする強い意志を感じました。

ユイがマサルの告白を受け止め、彼を心配する姿も印象的でした。彼女の「嫌な予感がする」という言葉は、読者の気持ちを代弁しているかのようで、この先の展開への不安を煽ります。そして、ラストで部屋から聞こえてくる不気味な物音と声。これは明らかに、オーナーが話していた「自殺志願の客」と関連があるように思われ、いじめっ子たちとはまた別の、新たな恐怖がすぐそこまで迫っていることを感じさせます。

マサルは果たしていじめっ子たちに謝罪させることができるのか、そしてこの民泊で起きている異変の正体とは何なのか。複数の不穏な要素が絡み合い、物語はますます予測不可能な方向へと進んでいきます。次話が待ち遠しい、非常に引き込まれるエピソードでした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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