【関係の終末】14話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】前話(第13話)のあらすじ

マサルはユイに自身のつらい過去と、いじめのトラウマを告白。「ただ…謝ってほしいんだ」と、彼らに謝罪させることで過去に区切りをつけたいという、切実な思いを打ち明けます。しかし、ユイの胸には嫌な予感が渦巻いていました。そしてその予感を裏付けるかのように、二人が部屋に戻ろうとした矢先、隣の部屋から女性の苦しげな声と不気味な物音が響き渡り、民宿に潜む新たな闇が姿を現そうとしていました。

【関係の終末】第14話をネタバレありで解説する

「自殺志願者の客」の部屋から響く不気味な物音と女性の苦しげな声。それは、マサルとユイがこの民宿で遭遇する、いじめっ子たちとはまた異なる、もう一つの恐怖の始まりでした。そして、トラウマの克服を誓ったマサルの決意は、あまりにも早く、そして無残に打ち砕かれることになります。

隣室の異変と、オーナーの奇行

部屋の扉が開くと民宿のオーナーは客に対して話始めます。「あの…何かご不便はないかと…」と。その丁寧な口調とは裏腹に、オーナーの態度は不自然で、何かを隠しているかのようです 。オーナーは「チェックアウトは明日の10時なので時間厳守でお願いします」と一方的に告げると 、「部屋はきれいに使ってくださいね」と、まるで客を汚物でも見るかのような目で言い放ち、その場を立ち去りました 。

オーナーの不可解な言動は続きます。「一体部屋の中で一日中何をしてるんだ」「メシも食ってないみたいだし…男は姿も見せない…」とぶつぶつと独り言を呟きながら、中の様子を執拗に気にしているのでした 。そして、「まったく…気味が悪いんだよ…こんな民宿 早く売っぱらわんとな…」と、この宿自体への嫌悪感を露わにします 。このオーナーもまた、何か大きな問題を抱えていることは明らかでした。

ユイの優しさと、マサルの揺らぐ決意

しばらくして、マサルとユイが部屋の前でオーナーと鉢合わせします。オーナーは、ユイが持っていた薬袋に気づき、「川で遊んできたようだね」「どこからこれを?」と尋ねました 。マサルが「職員の方が…オーナーさんの部屋で探してくれたんです」と正直に答えると、オーナーは「勝手に漁らないでくれよ、そっちは自分の部屋に入られて散々怒ってたくせに…」と、以前のマサルの無断入室を蒸し返すかのようにタメ口で言い放ちます 。その矛盾した態度に、マサルは「ところでなんで急にタメ口なんですか?」と不快感を露わにしますが、オーナーは「ん?あ…はい?」とぼんやりとした返事をするだけです 。ユイがマサルを制し、その場を収めようとすると、オーナーは「そんなんじゃやっていけませんよ 最近の客はシビアなので」と、どこか見当違いな説教を始める始末でした 。

部屋に戻ったマサルは、オーナーへの不満と疲労感を口にし、ベッドに倒れ込みます 。そんなマサルに、ユイは「本当にあの人たちと一緒に飲むの?」と、いじめっ子たちとの宴会について改めて尋ねました 。マサルが「嫌なのか?」と問い返すと、ユイは「嫌に決まってる!二人で遊びにきたのにあんな人たちと…」「マサルをいじめてた人たちとどうして…」と、涙ながらに訴えます 。そして、「トラウマを克服したいのはわかるんだけど…また傷つくことにならない?このまま忘れられないの?」と、マサルの身を案じるのでした 。

打ち砕かれる決意、そして再びの屈辱

ユイの心からの言葉は、しかし、マサルの心には届きませんでした。彼の脳裏には、過去のいじめの記憶が鮮明に蘇っていたのです。「サル 奴隷の印を残してやる これを見たら俺たちへの忠誠心を思い出すようにな…」というおぞましい言葉と共に、体に刻まれたであろう印の記憶 。そして、いじめっ子たちの嘲笑と、「ここまでいじめてんのに気付かれてねぇじゃん 誰もこいつに興味ねぇんだよ!」という、彼の存在そのものを否定するかのような言葉の数々

それらの記憶がフラッシュバックし、マサルの心は再び恐怖に支配されてしまいます。「…無理だ ごめん」 。トラウマを克服し、謝罪させるという決意は、あまりにも脆く崩れ去りました。

外へ出たオーナーは従業員を見つけ、開口一番に「おいマル こっちに来い 何もしねぇから 早く来い」 と言い放ちます。オーナーはマルに対し、「この野郎!部屋に入るなと言っただろう!」と激しく詰め寄り、さらに「お前がオーナーなのか!?なんで勝手に物を渡すんだ!」と、従業員ではありえないような、しかし強い口調でマルを一方的に罵倒するのでした。混乱と恐怖、そして新たな謎が渦巻く民宿で、マサルとユイは一体どうなってしまうのでしょうか。

まとめ【関係の終末】14話を読んだ感想

第14話は、マサルのトラウマ克服への決意がいかに困難なものであるか、そしてこの民宿に渦巻く異常性が、いじめっ子たちの問題だけではないことを強く印象付ける回でした。前半のオーナーの奇妙な言動は、彼の精神的な不安定さや、この民宿が抱える闇の深さを感じさせ、不気味な雰囲気を一層高めています。執拗に描写される「自殺志願者の客」の部屋の様子は、そこに何か重大な秘密が隠されていることを予感させました。

ユイがマサルの身を案じ、心から彼を心配する姿は健気で、読者としても彼女の言葉に強く共感しました。しかし、マサルの心に深く刻まれたトラウマは、彼女の優しさだけでは癒えないほど根深いものであることが、彼のフラッシュバックの描写から痛いほど伝わってきます。「無理だ ごめん」という彼の言葉は、あまりにも悲しく、そして切実でした。

いじめっ子たちの問題、オーナーの奇行、そして「自殺志願者の客」の秘密。幾重にも重なる闇と謎の中で、マサルとユイは果たして無事にこの場所から抜け出すことができるのでしょうか。次々と投げかけられる謎と、登場人物たちの追い詰められた心理描写から、ますます目が離せません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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