【関係の終末】15話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【関係の終末】前話(第14話)のあらすじ
「自殺志願者の客」の部屋から響く不気味な物音と女性の苦しげな声。その異変に気づく中、マサルとユイは民宿のオーナーの奇妙な言動に振り回されます。オーナーはその客の様子を異常に気にしつつ、宿への嫌悪感を露わにするのでした。ユイは、いじめっ子たちと関わろうとするマサルを涙ながらに止めようとしますが、彼の心は過去のトラウマに再び支配され、「無理だ ごめん」と決意を打ち砕かれてしまいます。その直後、外ではオーナーが従業員のマルを激しく罵倒する異常な光景が繰り広げられ、民宿の混乱は深まるばかりでした。
【関係の終末】第15話をネタバレありで解説する
オーナーが従業員のマルを激しく罵倒する。そして、その混乱の中、いじめっ子たちはついに民宿にまで押しかけてきます。マサルの心は、過去のトラウマと現在の恐怖によって、再び闇へと引きずり込まれようとしていました。
オーナーの歪んだ支配と、いじめっ子たちの来訪
物語は、オーナーが従業員のマルに「町に出て買い物してこい タバコを2カートンな」と高圧的に命じる場面から始まります。オーナーはマルにわずか千円札を渡し、「あとこれは小遣いだ 服でも買ってこい」と、まるで施しを与えるかのような恩着せがましい態度を取ります。彼は「俺以外に誰が面倒を見てくれる?」「親も友達もいない奴に仕事や寝床も与えて…誰でもやれることじゃない」と、自身の行いを歪んだ形で正当化するかのようにマルに言い聞かせ、「お前が憎いんじゃない わかるよな?まともな人間になってほしいんだよ」と、支配者のような口調で語るのでした 。マルが言われた通り車で出ていく際には、「早く行け!領収書を忘れるなよ」「ついでに髪を切ってこい!前から言ってるのに…」と吐き捨て、その表情は不快感と苛立ちに満ちています 。この一連のやり取りは、オーナーの異常なまでの支配欲と、マルとの間に存在する歪な主従関係を強烈に印象付けます。
場面は現在に戻り、いじめっ子たちが車で民宿に到着します。「ここじゃね?」とタツヤが言い、「サルの野郎 嘘かと思ってたら本当だったな」と他のメンバーが軽口を叩きながら、古びた民宿の佇まいに「ボロボロじゃん…」と嘲笑の言葉を漏らすのでした 。そして、タツヤが「すみません 五人で1泊したいんスけど」と声をかけました 。オーナーは「すみませんが五人も泊まれる部屋は無くて…」と一度は断ろうとしますが、男たちは「部屋は二つに分けてもかまわないスよ どうせ客もいないんでしょ?」と強引に言い寄り、さらに「ここに泊まってるカップル 俺らの友達なんスよ」と、半ば脅すように宿泊を要求します 。その威圧的な態度に、オーナーは「じゃあ…あ…はい…どうぞ…」と、なすすべもなく彼らを招き入れてしまうのでした 。
過去のトラウマの再現、そしてナイフ
場面は再び、マサルの過去の記憶へと遡ります。薄暗い部屋で、少年時代のマサルが父親と思われる人物と関係の冷めた会話をするシーンから始まります 。いじめっ子たちかから暴行をされ、顔を腫らし、血を流しながらも、マサルはただ黙って耐えるしかありません。一度は自殺を考えるも、その恐怖に縮こまって泣くことしかできない精神状態でした。
そして、さらに過去の、マサル自身がいじめを受けていた時の忌まわしい記憶が鮮明に蘇ります。「おうサル また殴られてんのか?今日はすげぇ音がしてるな」という嘲笑と共に、いじめっ子の一人がマサルの隠し持っていたナイフを見つけ、「おい!このクソ野郎がナイフを隠してやがった!」と叫びました 。他のいじめっ子たちは「何…?バカな奴…タツヤがいないからって俺らをなめてんのか?」「とんでもねぇ野郎だな それで俺たちを殺そうとしたのか?」「バカにしやがって おい押さえろ」と口々にマサルを罵り、力ずくで押さえつけます 。そして、「奴隷の印が微妙だからこうして反抗すんだよ 顔面に付けてやるよ 動くんじゃねえぞ」と、さらなる残虐な行為に及ぼうとするのでした 。マサルの「やめろおおお!」という魂からの悲痛な叫びが、暗くおぞましい記憶の中に木霊します 。
悪夢はすぐ隣に…絶望的な状況
現在の時間軸に戻り、マサルとユイがいる部屋の前から、いじめっ子たちの騒がしい声が聞こえてきます。「この部屋じゃねえのか?おいサル!」 。そして、二人の部屋のドアが何の前触れもなく勢いよく開けられ、タカとシンが顔を覗かせました。彼らは悪びれる様子一つ見せず、「おっ いたのか!隣の部屋に泊まることになったぜ!」と、まるで旧友にでも報告するかのようにマサルに告げるのでした 。悪夢のような存在が、物理的にもすぐ隣の部屋にまで迫ってきたのです。マサルとユイは、もはやどこにも逃げ場のない、絶望的な状況に追い詰められてしまいました。
まとめ【関係の終末】15話を読んだ感想
第15話は、オーナーとマルとの間に存在する歪んだ支配関係、そしてマサルの過去のいじめのトラウマが、より深く、そして衝撃的に描かれた回でした。冒頭のオーナーがマルに対して高圧的かつ恩着せがましく接するシーンは、彼の人間性の異常さと、マルが置かれている劣悪で逃れようのない環境を強烈に印象付けています。
マサルの過去の回想シーンは、彼が受けた暴力の記憶だけでなく、父親との冷え切った関係や自殺まで考えたほどの精神的な苦痛が生々しく描かれており、彼のトラウマの根深さを改めて感じさせられました。特に、いじめっ子たちにナイフを隠し持っていたことを見つけられ、顔に「奴隷の印」を刻まれそうになる場面は、読んでいて言葉を失うほどの衝撃でした。このトラウマが、どれほど深くマサルの心に刻まれているのかを改めて痛感させられます。
そしてラスト、何の悪びれもなくマサルたちの隣の部屋に宿泊することになったと告げるいじめっ子たちの姿は、まさに絶望そのものでした。物理的にも精神的にも完全に追い詰められたマサルが、この後どのような行動に出るのか、あるいは出られるのか。そして、ユイは彼のそばで何ができるのか。物語はますます息苦しいほどの緊張感に包まれ、次なる展開から一瞬たりとも目が離せない状況です。この民宿に渦巻く複数の闇が、いつ、どのような形で爆発するのか、予断を許しません。
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