【関係の終末】16話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】前話(第15話)のあらすじ

オーナーが従業員のマルに高圧的に買い物を命じる場面から始まり、その歪んだ支配関係が描かれます。その後、いじめっ子たちが民宿に押しかけ、マルを介して強引に宿泊を決めてしまいました。マサルの脳裏には、過去のいじめでナイフを隠し持っていたことを見つかり、顔に「奴隷の印」を刻まれそうになったおぞましい記憶が蘇ります。そして、いじめっ子たちはマサルたちの隣の部屋に泊まることになったと告げ、マサルとユイは絶望的な状況に追い詰められるのでした。

【関係の終末】第16話をネタバレありで解説する

悪夢は現実となり、マサルとユイのすぐ隣の部屋にいじめっ子たちが滞在するという、まさに地獄のような状況が現出しました。過去のトラウマと現在の脅威が交錯する中、マサルはユイと共に、彼らとの忌まわしい宴会に臨むことを余儀なくされます。

悪夢の宴、そしてユイの決意

いじめっ子たちは民宿の庭でバーベキューを始め、肉を焦がしながらも「今日は飲みまくろうぜ!」と傍若無人に騒いでいます。彼らの一人が姿を見せないことに仲間たちは苛立ち、「何なんだよ まったく…」と悪態をつくなど、その雰囲気は最悪でした。仲間たちは「てかサルはなんて来ねえんだ?」「彼女とイチャついてんじゃね?」「サルの彼女なかなかかわいかったよな」などと下品な会話を繰り広げ、マサルたちを待ちわびている様子です。

一方、部屋にいたマサルは、ユイに対し「あのさ…俺一人で行ってくるからユイは来なくていいよ」と、彼女をこの悍ましい状況から遠ざけようとします。しかし、ユイは「私も行くわ」「一緒に食事するだけでしょ?」と、マサルを一人にはさせまいと、健気にも同行する決意を固めるのでした。彼女の瞳には、不安と共に、マサルを支えようとする強い意志が宿っているように見えました。

偽りの再会、そしてマサルの宣戦布告

マサルとユイが宴会の場に姿を現すと、タツヤたちが「おーいサル!」「もう準備できてるから早く座れよ 彼女さんもどうぞ!」と、馴れ馴れしく迎え入れます。ユイはマサルに「落ち着いてね…わかった?」と小声で釘を刺し、マサルも「いや 俺は…心配するな わかった」と、努めて冷静に答えますが、その心臓は激しく高鳴っていました。

タツヤが「乾杯!再会に」と音頭を取り、形ばかりの宴が始まります。仲間の一人がユイに「彼女さんもっと食べてください」「つきあってどれくらいですか?」などと無遠慮に質問を重ね、ユイが「4年ぐらいです」と答えると、「長いねー」と騒ぎ立てます。さらに別の仲間が「呼び出せそうな友達とかいないですか?」と下心を見せますが、タツヤが「やめろよ 彼女さんが嫌がるだろ」と制し、「俺らだけで思い出話でもしようぜ」「…本当に久しぶりだよな」と、場を取り繕うかのように言いました。

そして、マサルはついに口火を切ります。「最初はお前だってわかんなかったぜ!」「でも声で気付いたんだ」。彼は、かつて自分がいじめられていた過去を、彼らの前で、そしてユイの前で、はっきりと語り始めたのです。「昔の俺は弱くてさ お前たちにいじめられてたもんな」「だから鍛えたんだ いつかお前たちに会ったらボコボコにしてやろうと思って」。その言葉は、長年胸の内に秘めてきた怒りと屈辱、そしてトラウマを乗り越えようとする、マサルの悲痛なまでの宣戦布告でした。

茶化される過去、そしてタツヤの沈黙

しかし、マサルのその決死の告白は、タツヤたちには全く響きませんでした。彼らは「ぎゃははは やめろよ…」「いじめなんかじゃ…彼女さんが誤解すんだろ!」と大声で笑い飛ばし、「冗談だよ」と、マサルの言葉を真摯に受け止めようとはしません。そして、「とにかく飲もうぜ」と、この話題を無理やり終わらせようとするのでした。ユイが酒を断ると、仲間たちは「タツヤ なんで黙ってんだ?昔はおしゃべりだったのに」と、それまでほとんど口を開かなかったリーダー格のタツヤに話を振ります。タツヤは、何を考えているのか、ただ黙って酒を飲むばかりでした。彼の沈黙は、この後さらに恐ろしい展開が待ち受けていることを予感させます。

まとめ【関係の終末】16話を読んだ感想

第16話は、マサルとユイがいじめっ子たちとの直接対決(宴会という名の)に臨むという、非常に緊迫感あふれる回でした。ユイがマサルを一人にさせまいと同行を決意するシーンは、彼女の健気さと勇気に胸を打たれます。しかし、いじめっ子たちの傍若無人で下品な振る舞いは、読んでいて強い不快感と怒りを覚えました。

そして、マサルが勇気を振り絞って過去のいじめを告白し、「ボコボコにしてやろうと思って鍛えた」と宣戦布告する場面は、彼の悲痛な覚悟が伝わってきて、思わず息をのみました。しかし、その決死の思いも、いじめっ子たちには「冗談」として一笑に付されてしまう現実は、あまりにも残酷で、マサルの無力感と絶望を思うと胸が痛みます。

特に気になったのは、リーダー格であるタツヤの沈黙です。他の仲間たちが騒ぎ立てる中、彼だけが不気味なほど静かに酒を飲んでいる姿は、何か良からぬことを企んでいるかのような、あるいはマサルの言葉の真意を測りかねているかのような、底知れない不気味さを感じさせました。彼のこの沈黙が、今後の展開にどのような影響を与えるのか、目が離せません。マサルの宣戦布告は、果たして彼らに届くのか、それともさらなる悪夢を引き起こすだけなのか。物語は予断を許さない状況へと進んでいきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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