【関係の終末】17話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】前話(第16話)のあらすじ

いじめっ子たちとの悪夢のような宴会に、ユイと共に臨むことになったマサル。彼はユイの前で、かつて自分がいじめられていた過去と、「いつかお前たちに会ったらボコボコにしてやろうと思って」体を鍛えたという、長年抱えてきた怒りと決意を告白します。しかし、いじめっ子たちはマサルの悲痛な叫びを「冗談」として一笑に付し、真摯に向き合おうとはしませんでした。リーダー格のタツヤは不気味な沈黙を続けるばかりで、宴会の雰囲気はさらに険悪なものとなっていくのでした。

【関係の終末】第17話をネタバレありで解説する

マサルの決死の告白も、いじめっ子たちには全く響かず、悪夢のような宴は続いていました。嘲笑と無理解に晒される中、マサルの怒りは静かに、しかし確実に沸点へと近づいていきます。そして、些細なきっかけから、ついにその怒りが爆発する瞬間が訪れるのでした。

嘲笑される過去、そしてマサルの変化

宴席で、いじめっ子の一人であるシンが、リーダー格のタツヤの過去を嘲笑うかのように語り始めます。「ぎゃははは!こいつ無口になっただろ」とタツヤを指さし、「こいつ二十歳の時にバイク盗んで車と事故ったんだ」「その後遺症で言葉が出にくくなってさ 太ったのも入院したせいなんだよ」と、まるで面白い話でもするかのように暴露しました。タツヤはそれを聞きながらも、ただ黙って酒を飲むばかりです。シンはさらに、「話すじゃねえか 楽しそうに…」とタツヤを揶揄しますが、マサルが「因果応報だな マジでおもしれぇ」と、冷ややかに言葉を重ねると、タツヤは「…難しい言葉はわからないんだよ」と、ユイに聞こえるか聞こえないかのような小声で呟くのが精一杯でした。

そんな中、いじめっ子たちはマサルに話題を移し、「サルいい車に乗ってたけど何の仕事してんだ?」と興味本位で尋ねます。マサルは「事業を立ち上げてまあまあ稼いだよ 今はちょっと休んでるところだ」と答えますが、彼らが「どんな仕事だ?いいネタがあったら教えてくれよ」としつこく聞いてきても、「お前たちに説明してもわからないと思う」と冷静にあしらいました。そして、「お前たちはどんな仕事してんだ?どう見ても真面目な生活はしてなさそうだけどちゃんと働いてんのか?」と、逆に彼らの生き方を問い質すかのような、挑発的な言葉を返します。そのマサルの毅然とした態度に、いじめっ子たちは「何だよバカにしやがって…」と色めき立ち、ユイも「マサル…」と、彼のあまりの変貌ぶりに不安そうな表情を浮かべるのでした。

一触即発の空気、そしてマサルの威嚇

シンが「おいサル…偉そうに言うようになったじゃねえか 殺すぞ」と凄むと、場の空気は一気に緊迫します。しかし、他の仲間がそれを制し、過去の悪行の思い出話へと強引に話題を転換させようとしました。「XX女子校の女たちと学校の倉庫で毎日飲んでたよな」「タバコのせいで倉庫が燃えたの覚えてるか?」などと、自分たちの非行を武勇伝であるかのように語り始めます。マサルもその話に乗り、「ああ…XX女子校に学校の倉庫…お前たちの隠れ家だったよな 俺もよく遊びに行った」「頭空っぽの連中だったから たまにじゃねえよ!倉庫に行く度引きずり込んでただろ!」と、まるで彼らに同調するかのような言葉を返しますが、その目には侮蔑と冷たい怒りの光が宿っていました。

ユイが「マサル もう行こう 私たち部屋に戻りますね」と、この危険な状況から一刻も早く逃れようとしますが、マサルは「戻りたいなら一人で行けよ 俺は楽しいんだ」と、彼女の必死の制止を冷たく振り払います。いじめっ子の一人が「彼女さんもうちょっといいでしょ 昔話ばかりでつまんなかった?ゲームでもする?」と、懲りずにユイに馴れ馴れしく話しかけると、マサルはついに堪忍袋の緒が切れたかのように、「俺の彼女にタメ口で話しかけるなよ」と、地を這うような低い声で鋭く言い放ちました。その豹変ぶりとただならぬ気迫に、いじめっ子たちは「何だよ 急に…」「サル 何か変わったな」と戸惑いを見せ、リーダー格のタツヤも「久しぶりに楽しもうと思ったのにつまんねえ奴」と忌々しげに吐き捨てます。ユイは「マサル 酔ってるんじゃない?もう戻ろう」と必死に彼をなだめようとしますが、マサルは「酔ってなんかない」と、冷静に、しかし強い意志を持って彼らを睨みつけました。すると、いじめっ子の一人がマサルに向かって、「タバコでも吸いに行こうぜ」と、まるで一対一の対話を求めるかのような言葉を投げかけるのでした。

まとめ【関係の終末】17話を読んだ感想

第17話は、マサルの内面で静かに、しかし確実に燃え続けていた怒りが、ついに抑えきれない形で表面化し始める、まさに一触即発の緊迫感に満ちた回でした。いじめっ子たちの無神経で下劣な会話は相変わらず聞くに堪えないものであり、特にタツヤの過去を嘲笑うシンの姿には強い嫌悪感を覚えます。そんな中、マサルが彼らの挑発に冷静に対応し、逆に彼らの生き様を問い質す場面では、彼の精神的な成長と、内面の変化が明確に感じ取れました。

しかし、ユイが彼らの馴れ馴れしい態度に晒された瞬間、マサルの怒りはついに臨界点を超えます。「俺の彼女にタメ口で話しかけるなよ」というセリフは、これまでの彼の態度からは想像もできないほど力強く、彼のユイへの深い愛情と、いじめっ子たちに対する積年の抑えきれない怒りが凝縮されているように感じました。この一言で、宴席の空気は完全に凍りつき、一触即発のただならぬ緊張感が漂います。

そしてラスト、いじめっ子の一人がマサルをタバコに誘うシーンは、いよいよ彼らの間での直接的な衝突が避けられない状況になったことを予感させ、読者の期待と不安を最大限に煽ります。これまで沈黙を守ってきたタツヤが、このマサルの変化をどう見ているのか、そしてマサルは本当に過去のトラウマを乗り越え、彼らに積年の恨みを晴らすことができるのか。物語はクライマックスに向けて大きく動き出したと言えるでしょう。次話が待ちきれない、非常にスリリングで目が離せない展開でした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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