【関係の終末】19話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【関係の終末】前話(第18話)のあらすじ
マサルは、いじめっ子グループの一人であったケイゴに二人きりで話がしたいと誘われ、宴席を離れます。そこでケイゴは、意外にも自身の現在の境遇や後悔の念を語り、かつてマサルにしたことを謝罪しました。しかし、マサルはその謝罪を素直に受け入れることができず、疑念をぶつけます。ケイゴはさらに、リーダー格のタツヤの異常性を警告し、ユイを連れてすぐにこの場を去るようマサルに忠告するのでした。
【関係の終末】第19話をネタバレありで解説する
ケイゴからの予期せぬ謝罪と、リーダー格であるタツヤの狂気を示唆する警告。マサルの心は激しく揺れ動きますが、彼が長年抱え続けてきたトラウマと、いじめっ子たちへの複雑な感情は、そう簡単には消え去りませんでした。そして、宴席に戻ったマサルを待ち受けていたのは、さらなる屈辱と、彼の最後の望みを打ち砕くような非情な現実でした。
ケイゴの謝罪、そしてマサルの決断
ケイゴは、「お前には本当に悪いことをしたと思ってるよ」「気が済むまで殴ればいい」と、マサルに対して改めて謝罪の言葉を述べ、自らの罪を認めます。しかし、マサルは彼を殴ることはありませんでした。長い沈黙の後、マサルは「今夜はどうするつもりだ?」とケイゴに尋ねます。ケイゴは、「このまま泊まって明日の朝にユイと帰るよ」というマサルの言葉に、「わかった…それがいい」と安堵したかのように答え、「いつかお前が俺を許せたら二人で飲もうぜ」と、未来への僅かな希望を口にするのでした。しかし、マサルは「もう二度と会うつもりはない」と、冷たくその言葉を拒絶します。彼にとって、シンの謝罪は一つの区切りにはなったのかもしれませんが、それ以上の関係を築く意思はないことを明確に示したのです。
宴席への帰還、そしてユイの危機
ケイゴと別れ、一人宴席へ戻ろうとするマサルの足取りは重いものでした。ユイは、いじめっ子の一人に無理やり酒を飲まされそうになっており、「やめてください 私は飲みませんから…」と必死に抵抗しています。その光景を目にしたマサルは、「離せ その手を」と男を制止し、ユイの手を取って「マサル もう部屋に戻ろう」「一人にして悪かった」と、彼女を連れてその場を離れようとしました。
しかし、いじめっ子たちは「おいサル もう帰るのかよ」「相変わらずつまんねえ奴だな」と、マサルたちを嘲笑し、引き止めようとします。ユイは「マサル 無視して行こう」「あの人たちにここを教えたのが間違いだっ…」とマサルを促しますが、その言葉が途切れた瞬間、マサルはついに抑えきれない感情を爆発させるのでした。
最後の問いかけ、そして無慈悲な現実
マサルは、いじめっ子たちに向き直り、「一つだけ聞かせてくれ」と、震える声で問いかけます。「お前ら…俺に…少しも悪いと思ってないのか?」「どうして笑って話せるんだよ お前たちのせいで人生がめちゃくちゃになったのに…」。それは、長年彼の胸の内に燻り続けていた、魂からの叫びでした。「人間ならそうするべきじゃねぇのか?悪かったって謝るのが筋ってもんだろ」。
しかし、その悲痛な訴えは、彼らに届くどころか、嘲笑の対象となるだけでした。タツヤは「このバカが!うう…泣いてんのか!!」とマサルを指さして大笑いし、他の仲間たちも「ギャハハ!イヒヒヒヒ!」と、彼の苦しみをあざ笑います。ユイが「いい加減に…!」「大丈夫?ねぇマサル!」とマサルを庇おうとしますが、その声も彼らの哄笑にかき消されてしまいました。
そして、タツヤは冷酷な表情でマサルを見下ろし、衝撃的な言葉を吐き捨てるのです。「正直言うとあいつが誰だったか思い出せなかったんだけど」「あの泣いてる顔を見てはっきりと思い出したよ 宴会部長のサル」。さらに、「俺たちに気付いた時しっぽ巻いて逃げりゃよかったんだ 俺たちが怖くなかったのか?」と、マサルの最後の望みすらも無慈悲に踏みにじるのでした。彼らにとって、マサルの苦しみも、謝罪を求める彼の切実な思いも、単なる遊興の対象でしかなかったのです。
まとめ【関係の終末】19話を読んだ感想
第19話は、マサルの最後の望みが無残にも打ち砕かれるという、あまりにも残酷で胸が締め付けられる展開でした。シンからの謝罪を受け、一度は過去との決別を示唆したかのように見えたマサルでしたが、ユイが危険な目に遭っているのを見て、そして長年抱え込んできた怒りと悲しみをいじめっ子たちにぶつけずにはいられなかったのでしょう。彼の「少しも悪いと思ってないのか?」という魂からの問いかけは、読者の心にも深く突き刺さります。
しかし、その切実な訴えも、いじめっ子たちには全く通じず、それどころか嘲笑の対象となってしまう現実は、あまりにも非情でした。特に、タツヤが「泣いてる顔を見て思い出した」と言い放つシーンは、彼の人間性の欠如と底知れない悪意を感じさせ、強い憤りを覚えずにはいられません。マサルの最後の希望であった「謝罪」という一縷の望みが、彼らの手によって完全に断ち切られた瞬間でした。
この絶望的な状況の中で、マサルはどうなってしまうのか。そして、ユイは彼を支えることができるのか。物語は、もはや後戻りできない破滅的な様相を呈し始めており、次なる展開がどのような地獄絵図となるのか、息をのんで見守るしかありません。人間の尊厳とは何か、許しとは何かを深く考えさせられる、非常に重いエピソードでした。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから
