【関係の終末】21話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【関係の終末】前話(第20話)のあらすじ
タツヤの冷酷な言葉にマサルの最後の望みは打ち砕かれ、彼の心は完全に折れてしまいます。いじめっ子たちはマサルを徹底的に嘲弄し、ユイがマサルを庇ってタツヤを平手打ちすると、事態はさらに悪化。ユイにまで危害を加えることを示唆する彼らをマサルが制止しようとしたことをきっかけに、タツヤは仲間たちに指示し、マサルへの一方的な暴行が始まりました。ユイは必死に助けを求めますが、オーナーは見て見ぬふり。マサルとユイは、完全に孤立無援の状況で、絶望的な暴力に晒されるのでした。
【関係の終末】第21話をネタバレありで解説する
絶望的な暴力が吹き荒れる中、マサルはもはや抵抗する力も残っていませんでした。しかし、その地獄のような状況に、わずかな変化の兆しが見え始めます。それは、いじめっ子グループ内部からの、予期せぬ行動でした。そして、物語は衝撃的な結末へと向かいます。
暴力の応酬、そしてケイゴの制止
タツヤの指示により、マサルはいじめっ子たちから一方的な暴行を受け続けます。意識が朦朧とするマサルは、「ユイ…ダメだ…ユイ…」と、かろうじてユイの身を案じる言葉を漏らすのが精一杯でした 。ユイは恐怖に震えながらも、ただマサルの無事を祈ることしかできません。
しかし、その時、いじめっ子グループの一人であるケイゴが、「お前たちもいいかげんにしろ!」と、タツヤたちの暴行を制止しようと割って入ります。驚くタツヤに対し、ケイゴは「タツヤ…やめとけ そのへんにしとかねぇと死んじまうぞ!」と、必死に訴えかけました 。その言葉には、これまでの彼らの悪ふざけとは明らかに異なる、切実な響きがありました。
タツヤの逆上と、ケイゴの孤立
ケイゴの予期せぬ行動に、タツヤは「…何だよケイゴ」と不快感を露わにします 。ケイゴはさらに、「俺たちもうガキじゃねぇんだ…犯罪者になっちまう」と、自分たちの行いが取り返しのつかない領域に踏み込んでいることを警告します 。仲間の一人も「確かにそうだ 俺たち大人だもんな」と同調しますが、タツヤは「でもよ…何が犯罪者だよ…」とせせら笑い、ケイゴの顔面を殴り飛ばしました 。そして、「お前がくだらねぇ会社を作る前にやってたことが犯罪だ」「いい奴ぶりやがって うぜぇんだよ 殴られてぇのか?」「てめえは黙って消えろ せっかくここから楽しくなる所なのによ…」と、タツヤはケイゴを徹底的に罵倒し、過去の弱みを握っているかのような口ぶりで彼を黙らせようとします 。
ケイゴは、タツヤの暴力と脅しによって、もはや何も言うことができません。ユイは「助けてください…お願いします…」と、か細い声で助けを求めますが、その声は誰にも届かないかのようでした 。マサルは、朦朧とする意識の中で、「ケ…ケイゴ…ユイだけでも連れて逃げてくれ…頼む…」と、最後の力を振り絞ってケイゴに懇願しますが、その声はもう届く気配はありませんでした 。
マサルの最後の抵抗、そして衝撃の結末
ケイゴがタツヤに屈したのを見て、マサルは「このクソ野郎……!本当に悪かったって言ったくせに!」と、ケイゴの裏切りに対する怒りと絶望を叫びます 。そしてユイは、「あんたたちいいかげんにしなさいよ!」と、再びいじめっ子たちに立ち向かおうとしました 。仲間の一人は「威勢がいいねぇ また食ってかかるなんてサルより強えな」とユイを嘲笑いますが、タツヤは「でもいつまで続くかな?」と冷酷に言い放ち、ユイの抵抗を力でねじ伏せようとします 。
タツヤは倒れ伏すマサルを見下ろし、「何だよサル まだ口がきけんのか?」「悪かったって思ってんのか?」と、さらに屈辱的な言葉を浴びせかけます 。マサルがかろうじて「俺が…悪かったです…」「ちょっと調子に乗っちゃって…今回だけ見逃してください…」と謝罪の言葉を口にすると、タツヤは「本気で謝ってるわけ?」とせせら笑い、そして信じられない要求を突きつけるのでした。「じゃあ脱いで一発芸しろよ 昔みたいに」 。それは、かつてマサルが受けたいじめの中でも、特に屈辱的な行為の再現を強要するものだったのです。そんな中、満身創痍なマサルは、物語のラストに、そばにあった石を掴んで、それを嘲笑ういじめっ子の一人の顔面へと、最後の力を振り絞って振り下ろすのでした。
まとめ【関係の終末】21話を読んだ感想
第21話は、息詰まるような暴力の連鎖の中で、いじめっ子グループの内部にわずかな亀裂が見え始めたものの、結局はタツヤの圧倒的な狂気と暴力によってそれが踏みにじられてしまうという、非常に重苦しい展開でした。ケイゴが勇気を出してタツヤを制止しようとする場面は、一瞬の希望を感じさせましたが、タツヤの容赦ない報復と脅しによって、その希望もあっけなく打ち砕かれてしまいます。「俺たちもうガキじゃねぇんだ…犯罪者になっちまう」というケイゴの言葉は、彼らの中で唯一、自分たちの行為の異常性を自覚しているように見えましたが、それもタツヤの支配の前では無力でした。
マサルがケイゴにユイだけでも逃がしてほしいと懇願するシーンは、彼の極限状態での必死の思いが伝わってきて、胸が締め付けられました。そして、ユイがケイゴの裏切りに怒りをぶつけ、再び立ち向かおうとする姿は、彼女の気丈さを示していましたが、それもまたタツヤの冷酷な言葉によって打ちのめされてしまいます。
ラスト、タツヤがマサルに「脱いで一発芸しろよ」と、過去の最も屈辱的ないじめを再現させようとする場面は、彼のサディスティックな本性が極まった瞬間であり、読者に強烈な不快感と怒りを与えます。そして、最後の最後に見せたマサルの抵抗、石を手にいじめっ子に振り下ろすという衝撃的な行動は、彼がもはや失うものは何もないという絶望と、最後の尊厳を賭けた反撃だったのかもしれません。この一撃が何をもたらすのか、そしてマサルとユイの運命はどうなるのか、全く予測のつかない、戦慄のエンディングでした。
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