【関係の終末】22話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【関係の終末】前話(第21話)のあらすじ
タツヤの指示で一方的な暴行を受け続けるマサル。しかし、いじめっ子グループの一人ケイゴが「死んじまうぞ!」とタツヤを制止しようとしますが、逆にタツヤに殴られ脅されてしまいます。マサルはケイゴにユイだけでも逃がしてほしいと懇願するも、その声は届きません。そして、倒れ伏すマサルに謝罪を強要し、さらに「じゃあ脱いで一発芸しろよ 昔みたいに」と、過去の最も屈辱的ないじめの再現を命じました。その絶望的な状況の中、マサルは最後の力を振り絞り、そばにあった石を掴んでいじめっ子の一人の顔面へと振り下ろすのでした。
【関係の終末】第22話をネタバレありで解説する
マサルの捨て身の一撃は、いじめっ子たちに衝撃を与えましたが、それはさらなる暴力と絶望の始まりに過ぎませんでした。もはや人間としての尊厳すら踏みにじられようとするマサル。そして、彼の心の奥底から、おぞましい何かが呼び覚まされようとしていました。
反撃、そしてさらなる暴力の連鎖
マサルが石でいじめっ子の顔面を殴りつけます。顔面を強打されたいじめっ子は、「ぐあ…うわああああ!ぐはっ…!」と、これまで見せたことのないような苦悶の表情を浮かべ、地面に倒れ込みます。仲間の一人が「おおい…お前イカれたのか!殺すぞ!」とマサルに掴みかかろうとしますが、マサルは虚ろな目でタツヤを見下ろし、さらに石を振り上げようとしました。ユイの「マサル!」という悲痛な叫びも、もはや彼の耳には届いていないかのようです。
しかし、その反撃も長くは続きませんでした。「…このクソ野郎!奴バカな」と、タツヤはマサルを殴りつけ、形勢は再び逆転します。
タツヤの歪んだ悦びと、マサルの心の闇 (マサルの回想)
仲間たちから嘲笑され、なす術もなく打ちのめされるマサル。薄れゆく意識の中で、彼の脳裏には、かつてタツヤが自分に向けた、あの歪んだ悦びに満ちた表情と言葉が鮮明に蘇ってきました。それは、現在のタツヤの姿と重なり合う、おぞましい記憶の断片でした。
過去のあの日、遅れてやってきたタツヤは、仲間たちがマサルを痛めつけているのを見て、「へえ…お前ら楽しそうだな」「サルはどうしたんだ?」と、どこか愉しげに尋ねました。仲間の一人が「サルがナイフを…それで漏らしちゃってさ…」と状況を説明すると、タツヤは「ビビらせるだけじゃ意味ねえだろ」と冷ややかに言い放ちます。そして、「だから根性焼きするふりしてビビらせたのか?」という仲間の言葉に対し、「刺さなきゃダメだろ」と、ぞっとするような言葉を続けました。そして、倒れているマサルを見下ろし、「おいサル ナイフを持ってくる度胸があったらさ」「それができねぇからお前はクズなんだよ」と、絶対的な支配者のように、彼の心の奥底までも踏みにじるような言葉を浴びせかけたのです。その時のタツヤの目は、獲物を見下す獣のように冷酷で、マサルはその視線だけで身も心も凍りつくような恐怖を覚えたのでした。この記憶は、マサルの魂に深く刻まれ、決して消えることのない絶望の烙印となっていたのです…。
絶望の淵で、マサルが願ったこと (現在)
…そんな過去の絶望的な記憶が、現在のマサルの心とシンクロします。目の前で繰り広げられる、終わりの見えない暴力と屈辱。マサルは「動けよ…!くっ…ぐわあああ!頼むから!」と、もはや何を懇願しているのかも定かでないような、うわ言のような叫びをあげます。彼の心は完全に闇に染まりました。「頼む…頼む…」と彼はうわ言のように繰り返し、そして、おぞましい願いを心の中で叫び始めます。「女をつかまえろ!」「あいつらの体をズタズタに切り刻んで殺してください」「どうか…!誰でもいいから…お願いします…」「悪魔でも…神様でも誰か…!」。それは、もはや正気を失った者の、絶望の淵からの叫びであり、この地獄のような状況から逃れるためなら、どんな存在にでも魂を売り渡さんとするかのような、狂気に満ちた懇願でした。
そして、そのマサルの狂気に満ちた願いと、一部始終の惨状を、まるで何かの存在が木の影から不気味に監視しているかのような描写で物語は締めくくられ、さらなる謎と恐怖を読者に投げかけます。
まとめ【関係の終末】22話を読んだ感想
第22話は、マサルの反撃も虚しく、さらに陰惨な暴力と精神的な陵辱が繰り返されるという、救いのない展開でした。タツヤのサディスティックな本性が前面に押し出され、彼がマサルに対して抱いている歪んだ支配欲と執着心は、もはや常軌を逸しているとしか言いようがありません。「お前は死ぬまで俺たちのオモチャなんだよ」というセリフは、彼の底知れない悪意を象徴しており、読者に強烈な不快感と恐怖を与えます。
仲間たちの反応も様々で、マサルの反撃に一瞬動揺する者、タツヤの狂気に追従する者、そしてどこか状況を楽しんでいるかのようなシンなど、それぞれのキャラクターの人間性が垣間見える部分もありました。しかし、結局のところ、彼らはタツヤの支配から逃れられず、集団心理の中でマサルへの暴力をエスカレートさせていきます。
そして何よりも衝撃的だったのは、ラストのマサルの心の叫びです。「あいつらの体をズタズタに切り刻んで殺してください」「悪魔でも…神様でも誰か…!」という彼の願いは、もはや彼が正気を失い、人間としての限界を超えてしまったことを示唆しています。希望の光が一切見えない、まさに地獄のような状況の中で、彼の魂はどこへ向かってしまうのでしょうか。あまりにも痛ましく、そして恐ろしい展開に、ただただ言葉を失うばかりでした。
さらに、物語の最後のコマでは、この一部始終を木の影から何者かが不気味に監視しているかのような描写があり、新たな恐怖と謎を読者に投げかけています。この監視者の存在が、今後の物語にどのように関わってくるのか、そしてマサルとユイの運命にどのような影響を与えるのか、全く予測がつかず、次話への緊張感が極限まで高まります。
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