【関係の終末】23話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】前話(第22話)のあらすじ

マサルの捨て身の反撃も虚しく、タツヤたちの容赦ない暴力の前に再び打ちのめされてしまいます。薄れゆく意識の中、マサルの脳裏には、かつてタツヤに「お前は死ぬまで俺たちのオモチャなんだよ」と絶対的な支配を宣言された忌まわしい記憶が蘇りました。心身ともに限界を超えたマサルは、「あいつらの体をズタズタに切り刻んで殺してください」「悪魔でも…神様でも誰か…!」と、狂気に満ちたおぞましい願いを心の中で叫びます。そしてその惨状を、まるで何者かが木の影から不気味に監視しているかのような描写で物語は締めくくられていました。

【関係の終末】第23話をネタバレありで解説する

マサルの絶望的な叫びが木霊する中、いじめっ子たちは彼の反撃によって負った傷の手当てをしつつ、この後の算段を練っていました。しかし、彼らの背後には、マサルの狂気が呼び寄せたのか、あるいは元よりこの土地に潜んでいたのか、得体の知れない「何か」が静かに迫っていました。

暴力の終息と、いじめっ子たちの自己保身

タツヤは、マサルからの反撃で負った顔の傷を押さえながらも、仲間の一人(シン)が「おいタツヤ もう気絶してるよ このままじゃ死んじまう」とマサルの状態を案じるのを、「俺だけ楽しんじまったな お前もやるか?」と、まだマサルへの暴行を続けさせようとするかのような歪んだ言葉で返します。しかし、シンは「…遠慮しとく」とそれを拒否し、「酔った勢いだったけど…やり過ぎじゃねえか?」と、ようやく自分たちの行為の度を越していることに気づき始めた様子を見せました。「今何時だ?疲れたな」と、彼らはこの凄惨な状況に倦怠感すら漂わせています。

仲間の一人が「通報されたらどうすんだよ ヤバいことになるぞ」と心配すると、タツヤは「通報できないように写真でも撮っとけ お前は素人かよ」と、証拠を残して口封じをするという卑劣な考えを示唆します。しかしすぐに、「ここまで殴ったんだから向こう10年は俺達の顔を見ただけでビビるだろうよ」と、マサルがもはや自分たちに逆らうことはないだろうと高を括るのでした。

タツヤの身勝手な指示と、残される者たち

タツヤは「どこ行くんだ?」という仲間の問いに、「車で寝るから朝になったら起こしてくれ」と、この場を離れることを告げます。他のメンバーが「あいつらを残して部屋に戻んのか?」「車で逃げたほうがよくね?」と疑問を呈しても、「部屋で寝ないのか?車のほうが楽だ」と自分勝手な理由を述べ、仲間の一人が「俺は何発かしか殴ってねえのにタツヤが…」と責任転嫁をするかのような言葉を漏らすと、「…タツヤの言うとおりにしよう」と、結局はリーダー格であるタツヤの指示に従うのでした。

タツヤは、残されたマサルとユイについて、「女まで巻き込んだからこいつも騒ぎ立てねぇだろう」「サルの野郎…調子に乗り過ぎたな」と吐き捨て、彼らがもはや無力であると判断します。そして、「目が覚めたら逃げるだろう あの女も連れてこい」と、ユイに対しても危害を加えることを示唆するような、不気味な言葉を残してその場を去っていきました。

マサルの覚醒と、ユイの捜索

夜が明け、朦朧としていたマサルの意識が徐々に覚醒します。「ユイ…」「だ…どこ…」と、彼はまずユイの安否を気遣い、ボロボロの体を引きずるようにして彼女の姿を探し始めました。「うう…くっ…ユイ…コホッ ユイ!」と、咳き込みながら必死に呼びかけます。

そして、ついにユイの姿を見つけたマサル。彼は、「彼女を見つけたら1秒でも早くここを出ようと思った」と、この地獄から脱出することだけを考えていました。しかし、「でもボロボロになった彼女の姿を見ると 罪悪感と無力感 そして後悔の念が俺に襲いかかった」「怒りと憎悪の感情が沸き上がった」と、彼の心境は複雑に揺れ動きます。

絶望の果ての決意、そして最後の誓い

打ちのめされ、地面に横たわるユイの傍らで、マサルは静かに語り始めます。「ごめん」「あの時殺しておくべきだった」「俺のせいだ」。それは、ユイをこの惨劇に巻き込んでしまったことへの深い謝罪であり、そして、かつて自分が死のうとして屋上へ行った次の日に、結局何も変えられなかった過去の自分への痛烈な後悔の念でした。

しかし、その絶望の淵で、マサルの瞳には新たな、そして最後の決意の光が灯ります。「もう失敗しない」「全部心配するな」「終わらせるから」。それは、この悪夢のような連鎖を自らの手で断ち切り、そしてユイを守り抜くという、彼の魂からの誓いだったのです。

まとめ【関係の終末】23話を読んだ感想

第23話は、凄惨な暴力の後の静けさと、その中でうごめく登場人物たちの思惑、そしてマサルの絶望と再生が描かれた、非常に重層的なエピソードでした。いじめっ子たちの自己保身に走る姿や、タツヤの身勝手な指示は、彼らの人間性の欠如を改めて浮き彫りにし、強い不快感を覚えます。「あの女も連れてこい」というタツヤの言葉は、彼らの悪行がまだ終わらないことを示唆しており、読者にさらなる恐怖を与えました。

夜が明け、ボロボロの体でユイを探すマサルの姿は痛々しくも、彼女への深い愛情を感じさせます。そして、ユイの無残な姿を目の当たりにし、罪悪感と後悔、そして怒りと憎悪という複雑な感情に苛まれる彼の心理描写は、非常にリアルで胸に迫るものがありました。

ラスト、マサルが「もう失敗しない」「全部終わらせるから」と誓うシーンは、これまでの彼の弱さや脆さとは全く異なる、絶対的な決意を感じさせます。それは、単なる復讐心だけではなく、愛する人を守るため、そして自分自身の過去と決着をつけるための、悲壮なまでの覚悟の表れでしょう。この決意が、今後の物語にどのような影響を与えていくのか。そして、彼は本当にこの地獄を終わらせることができるのか。息をのんで次なる展開を見守りたいと思います。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【関係の終末】22話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
【関係の終末】22話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【関係の終末】24話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
【関係の終末】24話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

スポンサーリンク
ABOUT ME
ずっちー
ずっちー
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました