【関係の終末】27話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】前話(第26話)のあらすじ

マサルの壮絶な復讐劇が繰り広げられた後、民宿では不気味な朝が訪れました。中年女性(後の大家)と謎の青年(マル)との間で交わされる儀式のような会話は、この民宿が何か特殊な目的を持つ場所であることを示唆します。一方、いじめっ子たちは仲間であるケイゴの身に起きた悲劇を知らないまま、彼の不在を訝しんでいました。そして物語の最後、民宿のオーナーに命じられたマルが「自殺志願者の客」の部屋の前に立ち、扉の向こうから漂うただならぬ異変に気づくのでした。

【関係の終末】第27話をネタバレありで解説する

マルが察知した異変は、民宿全体を巻き込む新たな混乱の始まりでした。いじめっ子たちの問題、マサルの復讐、そしてもう一つの客室で進行していた謎の出来事。全ての闇が交錯し、物語は一気に緊迫の度合いを増していきます。

静寂が招く異変、そして練炭の臭い

民宿のオーナーは、昨夜のいじめっ子たちの騒ぎに苛立ちつつも、それ以上に3階の「自殺志願者の客」の部屋が不気味なほど静まり返っていることに、強い不安を覚えていました。彼はマルに様子を見てくるよう命じますが、戻ってきたマルは血相を変え、オーナーに駆け寄ります。オーナーが「どうした?」「ちゃんと話せ!」と彼を掴むと、マルはどもりながら「上…上の階の部屋が…」「ド…ドアが閉まっていて れ…れ…練炭のに…臭いがします!」と、衝撃の事実を報告するのでした。

禁断の扉の向こう側

マルからの報告に、オーナーは「何だと!?」と激しく動揺し、「ドアをこじ開ける道具を持ってこい!」とマルに怒鳴りつけます。二人はバールを手に、問題の部屋へと向かいました。オーナーは「入ったらすぐに窓を開けろ!わかったな!」とマルに指示し、ドアをこじ開けて煙が充満する部屋へと突入します。

部屋の中では、中年女性(後の大家)が意識を失って倒れていました。しかし、それを見たオーナーの口から出たのは、彼女の身を案じる言葉ではなく、「なんてことをしやがるんだ…」「人の民宿でこんなことを…」という、自分の所有物が汚されたことへの怒りでした。彼は意識のない女性を揺さぶり、「おばさん!目を覚ませ!」「死ぬならよそで死ね!」と、身勝手極まりない言葉を浴びせかけます。やがて、オーナーたちの必死の介抱の甲斐あってか、気を失っていた中年女性は「コホッ!」と咳き込み、意識を取り戻しました。しかし、彼女が発した最初の言葉は、感謝でも安堵でもなく、「どこ触ってんのよ このジジイが!」という、介抱していたオーナーへの罵声だったのでした。

孤立したユイ、そして卑劣な脅迫

オーナーとマルが隣室の騒動に対応している頃、ユイはいじめっ子グループの一人に捕まっていました。男は怯えるユイに対し、「俺達も出るからサルを連れて帰れ」「事故にでも遭ったと思ってさ」と、マサルへの暴行事件を隠蔽するよう持ちかけます。そして、「大人しくしてたら写真も削除するから…」と、いつの間にか撮影していた写真データをちらつかせ、卑劣な取引を強要するのでした。ユイは恐怖に絶叫しますが、男は「うるせぇな 何なんだよ」「おい黙れ!このクソ女!」と、彼女を力でねじ伏せようとします。

しかし、その男の背後には、いつの間にか全身血だらけになったマサルが、虚ろな、しかし確固たる殺意を宿した目で静かに立っていました。地獄の底から蘇った復讐の鬼が、次の獲物を見定めているかのような、戦慄の光景でした。

まとめ【関係の終末】27話を読んだ感想

第27話は、民宿で同時に進行する複数の惨劇が交錯し、息つく暇もないほどの緊迫感と混乱に満ちた回でした。物語はマサルとユイだけでなく、この宿に渦巻く全ての「異常」へと焦点を広げ、読者を底知れぬ恐怖へと引きずり込みます。

オーナーの反応は特に印象的で、人命よりも自分の民宿の評判や価値を優先するその身勝手な姿は、彼の人間性の歪みを決定的に示しています。「死ぬならよそで死ね!」というセリフは、本作屈指の非道な言葉と言えるでしょう。また、自殺を図った中年女性の謎は、さらに深まるばかりです。一命を取り留めたにもかかわらず、助けてくれたオーナーを罵倒するという常軌を逸した行動は、彼女たちが一体何者で、何を目的としてこの民宿にいるのか、全く予測がつきません。

一方で、いじめっ子たちの下劣さも留まるところを知りません。オーナーたちの混乱に乗じて、恐怖に震えるユイを写真で脅迫するという手口は、あまりにも卑劣です。マサルと引き離され、孤立無援の状態で脅迫されるユイの姿は、読んでいて強い怒りと無力感を覚えました。

そして、その絶望的な状況を覆すかのように、ラストで血だらけのマサルが静かに現れるシーンは、まさに圧巻の一言です。もはや彼は単なる被害者ではなく、復讐の鬼と化してしまったことが、その佇まいから痛いほど伝わってきます。彼のこの変貌が、この地獄のような状況にどのような結末をもたらすのか。全ての登場人物が危険で異常という、まさに先の読めない展開に、次話への緊張感が極限まで高まるエピソードでした。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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