【関係の終末】28話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【関係の終末】第28話をネタバレありで解説する
前話、血まみれの姿でユイを救うために現れたマサル。彼の瞳に宿る狂気は、もはやかつての気弱な青年の面影を感じさせません。第28話では、この地獄の民宿で繰り広げられる二つの惨劇が、ついに破滅的なクライマックスを迎えることになります。
オーナーの最期、歪んだ支配の結末
物語は、民宿のオーナーとその従業員マル、この混沌を作り出した張本人である青年の間で起きていた。これまでの鬱憤を爆発させたマルは、オーナーに対して農具のようなものを振り下ろし、無慈悲な攻撃を加えていました。 オーナーは「助けてくれ」と命乞いをしますが、マルの耳には届きません。
むしろマルは、恐怖に声もまともに出せないオーナーを見下ろし、「おじさんもちゃんと喋れてないね」と、かつて自分が浴びせられたであろう言葉を彷彿とさせる、冷たい言葉を投げかけます。 これまでの支配者と被支配者の立場が、暴力によって完全に逆転した瞬間でした。オーナーは最後の力を振り絞り、「面倒見てやったのに」「この恩知らずが」と罵りますが、その声は虚しく響くだけです。 マルは冷酷に「もう必要ないよ バイバイ」と言い放ち、長年にわたる歪んだ関係に、最も残酷な形で終止符を打ちました。
謎の二人、惨劇の目撃者
オーナーが絶命したその場所に、あの「自殺志願者の客」であった中年女性(大家)が姿を現します。中年女性は一連の惨状を前にしても全く動じることなく、「結局こうなるのねぇ」と、まるで全てを予期していたかのように呟きました。 青年もまた落ち着き払っており、マルから「これからどうするんですか?」と尋ねられると、不気味な笑みを浮かべながらこう答えます。
「そうだな…遊んでみないとね」
この二人の会話は、彼らが単なる傍観者ではなく、この民宿で起こる全ての出来事の裏で糸を引いている黒幕である可能性を強く示唆しています。彼らの真の目的とは一体何なのでしょうか。物語は新たな、そしてより底知れない謎を提示します。
復讐の刃、断ち切られる因縁
場面は再び、マサルと因縁の相手であるいじめっ子たちの元へ。復讐の鬼と化したマサルの前では、もはや数の有利など意味を成しません。彼はいじめっ子の一人を押さえつけ、ついにその刃を突き立てます。 過去、何をされても抵抗できなかったマサルが、かつての自分に別れを告げるかのように、魂の叫びを上げました。
「俺が頼んだ時 お前はやめてくれたのかよ!!」
この言葉は、彼の心にどれほど深く、そして長い間、絶望が刻み込まれていたのかを物語っています。追い詰められたいじめっ子は「なんでわざわざ民宿に呼んでケンカ売ってくんだよ!」と、どこまでも自己中心的な言葉を吐き捨てます。 しかし、マサルの決意は揺らぎません。彼は静かに、しかし確固たる意志を持って言い放ちました。
「これは俺じゃなくてお前達が始めたことだ」 「SAでお前たちを見た時に思ったんだ この関係を断ち切らないと俺は生きていけないって…」 そして、「どっちみちお前達は全員死ぬんだよ」と、復讐の完了を宣言するのでした。 長かった因縁の鎖を断ち切るため、マサルの狂気はもはや誰にも止められません。
まとめ【関係の終末】28話を読んだ感想
第28話は、息をすることすら忘れてしまうほど、凄まじい展開の連続でした。オーナーとマルの関係の結末、そしてマサルによる復讐劇のクライマックスが同時に描かれ、物語のボルテージは最高潮に達したと言えるでしょう。
オーナーの最期は、人の尊厳を踏みにじり続けた者への因果応報を感じさせ、ある種の爽快感すらありましたが、同時に後味の悪さも残りました。暴力が暴力を生む連鎖の恐ろしさを、まざまざと見せつけられた気がします。
そして何より、マサルの復讐シーンには胸が締め付けられました。「俺が頼んだ時 お前はやめてくれたのかよ!!」という叫びは、彼の長年の苦しみと悲しみが凝縮された、あまりにも痛切な言葉です。 ようやく過去を乗り越えようとする彼の姿に感情移入する一方で、彼がもう決して元には戻れない領域に足を踏み入れてしまったという悲しみも感じずにはいられませんでした。
さらに、中年女性と謎の青年の存在感が、ここにきて一気に増してきたことにも注目です。彼らがまるで全てを操る神のように振る舞う姿は、底知れない恐怖を感じさせます。マサルの復讐劇すら、彼らの「遊び」の一部に過ぎないのでしょうか。全ての謎が破滅的な一点へと収束していくような今話の展開に、ただただ圧倒されるばかりでした。
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