【関係の終末】30話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【関係の終末】第30話をネタバレありで解説する
前話、マサルが呼び出した「悪魔」こと謎の青年(ハシラ)の手によって、タツヤが目を刺されるという衝撃的な展開で幕を閉じました。もはや単なる復讐劇では済まされない、超常的な恐怖が渦巻く民宿。第30話では、この惨劇の裏に隠されたさらなる絶望と、逃げ惑う者たちに突きつけられる残酷な真実が描かれます。
狩る者と狩られる者、新たな悪魔の戯れ
物語は、いじめっ子グループの最後の生き残りと、また別の謎の青年との対峙から始まります。いじめっ子は青年に「次…は俺の番か?」と問いかけますが、青年は全く動じません。彼は「俺達のことをずっと見てただろ」「でもあんたを見ても全然怖くないんだ」と静かに語ります 。そして、背筋が凍るような笑みを浮かべ、こう言い放つのです。
「狩りをする側は楽しいですよ」
この青年もまた、マサルが呼び出した「悪魔」の一員なのでしょうか。彼の言葉は、この民宿で行われている殺戮が、彼らにとってはただの「狩り」という遊びに過ぎないことを示唆しています。過去に彼らがマサルを「宴会部長のサル!」などと嘲り、楽しんでいた光景がフラッシュバックし 、その立場が完全に入れ替わった、残酷な因果応報を突きつけます。
歪んだ家族、惨劇を楽しむ者たち
場面は、あの「自殺志願者」だった中年女性(大家)と、マサルに付き従う青年(ハシラ)、そして先ほどの新たな青年の三人が集う異様なシーンへと移ります。大家は、新たな青年が仲間を一人手にかけたことを「あら!またお友達ができたのね!」と嬉しそうに報告しました 。
さらに彼女は、オーナーとマルの部屋を物色してきたことを明かし、「このオモチャ好きでしょ?」と、まるで子供をあやすかのように青年に語りかけます 。彼らは血の繋がりこそないかもしれませんが、殺戮を共通の娯楽とする、歪んだ「家族」のようにも見えます。この民宿で起こっている全ての惨劇は、この異常な集団によって仕組まれたものなのかもしれません。
逃亡者たちの誤算、そして崖下の真実
一方、民宿の外では、難を逃れたいじめっ子グループの残党が車で合流していました。雨が降り始める中 、彼らはこの地獄から一刻も早く立ち去ろうとします。しかし、車内には目をやられたタツヤがぐったりと眠っているだけで、ケイゴやシンの姿は見当たりません 。
電話にも出ない仲間たちを気味悪く思いながらも、彼らはひとまず民宿へ戻ってシンだけを回収し、この場を去ることを決意します 。その道中、彼らは崖へと続く不審な血の跡を発見し、「サルのやつ まさか崖から飛び降りたのか?」と訝しみました 。
崖下で発見された絶望
雨が強くなり、証拠が流される前にと、彼らは崖の下を確かめることにします 。そこで発見されたのは、無残にも打ち捨てられたケイゴのスマートフォンでした 。そして、メンバーの一人であるヨウジが崖下を覗き込み、戦慄の声を上げます。
「おい ヨウジ 下のあれ 人に見えないか?」
前話でマサルが語った、「俺が崖の上から突き落としたんだ」という告白。それが決して狂言ではなかったことが、最も残酷な形で証明されてしまいました。仲間たちの身に起きた惨劇の真相をようやく目の当たりにし、彼らは本当の絶望の淵に立たされるのでした。
まとめ【関係の終末】30話を読んだ感想
第30話は、物語の恐怖をさらに一段階引き上げる、驚愕の事実が次々と明らかになる回でした。最大の衝撃は、マサルが呼び出した「悪魔」が一人ではなく、殺戮を遊戯として楽しむ、歪んだ「家族」のような集団だったことです。彼らが登場したことで、物語は単なる復讐劇から、逃げ場のないサイコ・スリラーへと完全に変貌したように感じます。
「狩りをする側は楽しいですよ」というセリフは、人間の最も醜悪な部分をえぐり出すようで、強烈な不快感とともに記憶に刻まれました。
そしてもう一つ、マサルがケイゴを殺害したという事実が確定したことにも、改めて戦慄しました。これにより、マサルがもはや決して引き返すことのできない領域に足を踏み入れてしまったことが決定的となり、彼の変貌がより一層悲劇的なものに感じられます。
民宿の中で繰り広げられる悪魔たちの殺戮ショーと、外で徐々に真相に気づいていくいじめっ子たち。この二つの視点が並行して描かれることで、凄まじい緊迫感が生まれていました。崖下で仲間の亡骸を見つけてしまった彼らは、果たしてこのまま逃げるのか、それとも無謀にも悪魔の巣窟へと戻るのでしょうか。どちらを選んでも地獄しか待っていないような、絶望的な展開から目が離せません。
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