【関係の終末】33話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】第33話をネタバレありで解説する

前話、車で逃走したタツヤは「悪魔」たちに追い詰められ、民宿の内部ではシンがマサルによる精神的な拷問を受けていました 。第33話では、民宿に残された最後の一人であるいじめっ子とマサルとの、因縁の対決が描かれます。それは、単なる殺戮ではなく、尊厳をかけた復讐劇のクライマックスでした。

全ては手遅れ、最後の逃亡者

民宿の内部では、シンの悲鳴を聞きつけた最後の一人であるタカが、全ての惨状を悟ります。彼は「マジでシンを殺しやがった…」と呟き、崖の下で見たのがケイゴであったことを確信しました 。仲間たちが次々と殺されていく現実に、「どうなってんだ…」と彼は絶望します 。そして、全ての元凶であるマサルが、静かに彼の前に姿を現しました。

過去の友情、虚しい命乞い

タカは、完全に理性を失ったマサルを前に、必死に命乞いを始めます 。彼は「ここまででする必要ねぇだろ!」と訴え、さらには過去の思い出にすがるように叫びました

「あの頃は仲良かっただろ!!!」 「お…俺達同じ町で育った仲じゃねえか!」

しかし、長年にわたるいじめによって心を踏みにじられ、怪物へと変貌してしまったマサルにとって、その言葉はもはや何の価値も持ちませんでした。

偽りの救済、そして残酷な「理解」

必死の命乞いを聞き、マサルは意外な言葉を口にします。「わかった 帰れ 助けてやるから」 。一瞬、安堵の表情を浮かべるタカでしたが、その希望はすぐに恐怖へと変わります。家路につこうとする彼の背後を、マサルが何も言わずに付いてくるのです

タカは「なんで付いてくんだよ!助けてくれるって言っただろ!」と叫びますが、マサルはただ不気味に笑うだけでした 。その時、タカはついにマサルの真意を悟ります。これは、かつて自分たちがマサルにしてきたことと全く同じ。偽りの希望を与え、その直後に絶望の淵へ突き落とすという、最も残酷な遊びだったのです。「なるほど…こういうことか」と、彼は乾いた笑みを浮かべるしかありませんでした

「俺の名前はマサルだ」、尊厳の奪還

マサルは、恐怖に震えるタカの姿を満足げに眺め、自身の「理解」を口にします。「そうやって震えてる奴を見るのってこんなに楽しいんだな」 。それは、彼が長年受け続けてきた屈辱と恐怖を、加害者本人にそっくりそのまま返すという、復讐の総仕上げでした。

もはや逃げられないと悟ったタカが、最後に「サル!もうやめてくれ!」と、かつてのあだ名で彼を呼んだ瞬間、マサルの表情が変わります 。彼はタカの顔を掴み、はっきりと、そして力強く宣言しました。

「このクソ野郎 俺の名前はマサルだ サルじゃねえ」

それは、長年奪われてきた自身の名前と尊厳を取り戻す、魂からの叫びでした。そして、その言葉と共に、マサルの復讐は完遂されるのでした。

まとめ【関係の終末】33話を読んだ感想

今話は、物理的な暴力以上に、精神的な駆け引きが恐ろしい、非常に濃密な心理ホラーでした。タカが必死に過去の友情にすがる場面は、読んでいて胸が痛みました。彼らの間にかつて友情があったのかもしれないと思うと、なぜここまで関係が壊れてしまったのか、その根源的な悲劇を改めて考えさせられます。

しかし、ハイライトは間違いなく「偽りの救済」のシーンです。一度助けると見せかけて、ただ静かに後をついてくるマサルの姿は、どんな怪物よりも恐ろしく感じました。希望が絶望に変わる瞬間の恐怖を、読者もタカと一体になって味わうような、見事な演出だったと思います。

そして、最後に「俺の名前はマサルだ」と宣言するシーンには、鳥肌が立ちました。彼の復讐の最終目的は、単なる皆殺しではなく、失われた自己の尊厳を取り戻すことにあったのだと、はっきりと示されたからです。それはあまりにも悲しく、そしてあまりにも壮絶なカタルシスでした。

マサルの個人的な復讐は一つの結末を迎えましたが、外にはタツヤと「悪魔」たちが残っています。物語はまだ終わっていません。この地獄の夜が、一体どのような終焉を迎えるのか、最後まで目が離せません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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