【関係の終末】34話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】第34話をネタバレありで解説する

前話、マサルは「俺の名前はマサルだ」と、自身の尊厳を取り戻すかのように叫び、長年にわたる個人的な復讐についに終止符を打ちました 。第34話では、その復讐の果てに残された虚無と、一方その頃、絶体絶命の窮地に立たされた最後のいじめっ子・タツヤに起きた、驚くべき異変が描かれます。

復讐の果て、虚しい問いかけ

マサルは、虫の息となった最後のいじめ相手を前に、静かに問いかけます 。 「全部お前らが悪いんだ… やり返されるかもしれないって考えたことねぇのか?」 。しかし、その問いに答えは返ってきません。彼はさらに、心の奥底から絞り出すように、長年の疑問をぶつけます。「なんで俺にあんなことをした…答えろよ!このクソ野郎!」 。しかし、彼がどれだけ叫んでも、求めていた答えが得られることはありませんでした。復讐を遂げてもなお、彼の心は満たされないままだったのです。その様子を見ていた「悪魔」の一人は、「まだ感傷に浸ってるのか…」「もっとうまくやれますか?まだ機会はあるけど…」と、次なる惨劇を促すかのような言葉を投げかけるのでした

狂気の伝染、最後のいじめっ子の変貌

その頃、森の中では、「悪魔」の一家に取り囲まれたタツヤに、信じられない変化が起きていました 。常人であれば恐怖に震えるだけの状況で、彼の口から漏れたのは「イヒヒ~」という笑い声でした 。そして、彼は恍惚の表情でこう呟きます。

「こ…こんな楽しいことなんで今まで知らなかったんだろう!」

度重なる暴力と死の恐怖は、タツヤの心を完全に破壊し、彼を恐怖の対象であった「悪魔」たちと全く同じ、暴力に快楽を見出す怪物へと変貌させてしまったのです 。その予期せぬ反応に、さすがの「悪魔」たちも「え…?」と困惑を隠せません

悪魔VS怪物、予測不能の死闘

タツヤの不遜な態度に激昂した大家は、「おばさんの本気を味わいなさい!」と叫び、包丁を振りかざして襲いかかります 。しかし、タツヤは常人離れした反射神経で、その刃を素手で掴み取ってしまいました

大家が「包丁を素手でつかむなんて…」と驚愕するのも束の間、タツヤは圧倒的な力で反撃を開始します 。その一撃を食らった「悪魔」の一人は、「こ…拳じゃなくてハ…ハンマーで殴られたみたいだ…」と、その異常なまでのパワーに戦慄しました 。ついさっきまで狩る側だった「悪魔」たちは、自らが作り出した「怪物」を前に、今や狩られる側へとその立場を逆転させられてしまったのです。形勢が不利になったと悟ったのか、一人の悪魔は「ま…待ってください!な…何か誤解があるようです…」と、滑稽な命乞いを始める始末でした

まとめ【関係の終末】34話を読んだ感想

今話は、息つく暇もないほど衝撃的な展開の連続でした。まず、復讐を成し遂げたはずのマサルの心に残る虚しさが、非常に印象的でした。「なんで俺にあんなことをした」という彼の問いは、読者の胸にも深く突き刺さります。結局、暴力の連鎖は何も生まず、彼の魂が救われることはなかったのだと痛感させられ、やりきれない気持ちになりました。

しかし、それを上回る衝撃だったのが、タツヤの変貌です。てっきり惨殺されるものだと思っていた彼が、まさか快楽殺人鬼として覚醒するとは、全く予想できませんでした。「こんな楽しいことなんで今まで知らなかったんだろう!」というセリフは、人間の心が壊れる瞬間の恐ろしさを見事に表現しており、本作屈指の名シーンだと思います。

そして、無敵だと思われた「悪魔」たちが、自分たちが作り出した怪物に圧倒され、うろたえる姿は、ある種の痛快さすら感じさせました。特に、包丁を素手で受け止めるシーンは圧巻の一言です。物語は単なる復讐劇やスリラーではなく、怪物対怪物の、予測不能なバトルロイヤルへとその姿を変えました。この地獄の夜の果てに、最後に立っているのは一体誰なのか。全く先の読めない展開に、興奮が止まりません。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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