【関係の終末】40話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】第40話をネタバレありで解説する

前話、悪魔の囁きによって、マサルは自らの暗い願望を受け入れ、タツヤとの関係に自らの手で終止符を打つことを決意しました。第40話では、その惨劇の最終盤に、愛がもたらす奇跡と、あまりにも無慈悲な悪魔の裏切りが描かれます。

愛の介入、憎しみの連鎖を断ち切る言葉

マサルがタツヤに最後の一撃を加えようとしたその時、二人の間にユイが静かに割って入ります 。彼女はマサルの手を優しく取り、「ねぇマサル…もうやめよう…」と、静かに語りかけました 。マサルは当初、「もう遅いよ 戻れないんだ…」「こいつが死ななきゃ俺は生きていけないんだ!」と、憎しみの連鎖を断ち切ることができないと訴えます

しかし、ユイはそんなマサルを強く抱きしめ、希望に満ちた未来を語りかけました。

「ここを出たら…子供も産んで…幸せに暮らそう」 「大丈夫よ…マサルは何も悪くない きっとうまくいくわ」

損得も、善悪も関係ない。ただ、マサルの存在そのものを肯定し、未来を信じるユイの無償の愛が、ついに憎しみに凝り固まったマサルの心を溶かし始めたのです。

涙の謝罪、そして復讐の終わり

ユイの言葉を受け、マサルの目からは涙が溢れ出します 。彼は、復讐に我を忘れていたことを謝るのではなく、「本当にごめん…こんな地獄にお前を引きずり込んで…」「何があってもお前だけは守らなきゃいけなかったのに…」と、愛する人を巻き込んでしまったことへの後悔を、嗚咽と共に吐き出しました

そして、彼はついに復讐の連鎖を断ち切ることを決意します。「もういいんだ…こんなこと…」「もうやめるよ…」と、手にしていた武器をその場に手放しました

最後の取引、そして悪魔の裏切り

復讐をやめたマサルは、「悪魔」たちと対峙します。彼は、ユイを逃がすため、最後の取引を持ちかけました。「あんたたちのことは誰にも言わない」「全部俺がやったことにするから!ユイだけは逃がして…」 。自らの命と引き換えに、愛する人だけは救おうとしたのです。

その自己犠牲の覚悟に対し、「悪魔」のリーダーであるハシラは、ただ一言、「やれ」と命じるだけでした 。しかし、その命令はマサルの取引を受け入れるものではありませんでした。次の瞬間、悪魔の刃は、マサルではなくユイへと向けられたのです。

「逃げろ」、究極の自己犠牲

あまりにも無慈悲な裏切り。しかし、マサルは最後の力を振り絞り、ユイを突き飛ばして守ります 。そして、彼女の身代わりになるように悪魔の攻撃を受けながら、彼は愛する人へ最後の言葉を叫びました。

「ユイ…逃げろ」「振り向かずに走るんだ いいな?行け!」

復讐に生きた男は、その最期の瞬間に、憎しみではなく愛を選び、究極の自己犠牲によって、自らの物語の幕を引いたのです。

まとめ【関係の終末】40話を読んだ感想

今話は、これまでの凄惨な展開が嘘のような、深い愛と、そしてあまりにも深い絶望が描かれた、感情を大きく揺さぶられる回でした。憎しみの化身と化していたマサルを、たった一人の愛する女性が、その無償の愛だけで人間に引き戻したシーンには、涙なしには見られませんでした。

マサルが流した涙は、彼の中に残っていた人間性の証であり、彼の本当の苦しみが、復讐を果たせないことではなく、愛する人を地獄に巻き込んでしまったことであったことを物語っています。彼が復讐を「やめる」と決意した瞬間、この物語に、ほんのわずかな救いの光が見えたように感じました。

しかし、その光を悪魔は容赦なく踏みにじります。彼らにとって、人間の愛や自己犠牲など、何の価値もないのでしょう。その絶対的な悪意と理不尽さには、怒りを通り越して虚しさすら覚えました。

そして、マサルの最後の行動。彼は復讐者としてではなく、一人の男として、愛する人を守って死んでいきました。それは彼にとって、唯一残された人間としての尊厳だったのかもしれません。あまりにも悲しく、しかし、ある意味では誇り高い最期だったと思います。残されたユイの運命がどうなるのか、祈るような気持ちで次話を待つしかありません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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