【60点の夫婦でいいのに】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【60点の夫婦でいいのに】第7話をネタバレありで解説する
第6話で復讐の舞台をマンションの理事会へと定めた沙紀と宗一郎。第7話は、ついにその計画が実行に移される、物語のクライマックスです。住民全員が見守るマンション総会という公の場で、傲慢な不倫カップル、尚弥と円佳の罪状が次々と暴かれていきます。これまで耐え忍んできた二人の、緻密かつ痛烈な逆襲劇の幕が上がります。
復讐の舞台はマンション総会
復讐の時が迫る中、夫の尚弥は懲りる様子もありません。不倫相手の円佳との関係にも飽き始めており、スマートフォンで新たな相手を探すためにマッチングアプリをインストールしようとする始末です 。
そこへ沙紀が現れ、尚弥が理事会の「書記」に、そして円佳が「理事長」に選任された通知書を突きつけます 。もちろんこれは、沙紀が勝手に申し込んだものでした 。激しく怒る尚弥に対し、沙紀はスマホを構え、「DVでも訴えられたいの」と冷静に牽制します 。
何も知らずに「理事長になってなおたんの希望をたくさん叶えちゃお」と野心を燃やす円佳 。そして、沙紀と宗一郎の計画通り、4人は運命のマンション総会へと顔を揃えることになったのです 。
第一の矢:白日の下に晒される「誘拐未遂」
総会は進み、いよいよ次期理事役員の信任決議が始まります 。最初に名前を呼ばれたのは、理事長候補の円佳です 。彼女は自分が人気者だと信じて疑いませんでした 。しかし、反対意見を求める声に、夫である宗一郎、そして沙紀が静かに手を挙げます 。
会場がざわつく中、沙紀は「待ってください」と発言を求めると 、住民全員の前で衝撃の事実を告発します。
「この日円佳さんは私に何も言わずに娘を……
誘拐しました」
沙紀は、円佳が娘の陽菜を連れ去った際の写真を証拠として提示 。さらに、ママ友の洋子も立ち上がり、「その日沙紀さんが血相を変えて走っていたんです」「公園で陽菜ちゃんが怯えていて…だから沙紀さんの言っていることは本当です」と証言します 。円佳の完璧な主婦という仮面が、音を立てて剥がれ落ちていきました。
断罪の連撃:「0点」の夫婦、その罪状
追い詰められた円佳は「でっちあげよ!」「名誉毀損で訴えてやる!」とヒステリックに叫びます 。しかし、沙紀は「それはこっちのセリフ」と冷静に返し 、用意していたスクリーンに次々と映像を映し出しました 。
スクリーンに映し出されたのは、尚弥が沙紀を罵倒するモラハラの音声記録 、そして円佳の夫である宗一郎が妻に家事を押し付けられている証拠映像でした 。とどめを刺すように、宗一郎自身が立ち上がり、「(二人は)
不倫してました」と、住民全員の前で告白します 。
さらに沙紀は、尚弥と円佳の「円佳とのセックスは120点」といった卑猥なLINEのやり取りまでもスクリーンに公開 。全ての悪事を白日の下に晒された尚弥は「やめろ!早く消せ!」とパニックに陥ります 。
全ての証拠を突きつけた沙紀は、これまで自分たちを評価し続けてきた傲慢な二人に向かって、静かに、しかしはっきりと断罪の言葉を告げるのでした。
「あなたたちは0点です」
全てを失った円佳は、その場で正気を失ったかのように甲高い声で笑い始めます 。その狂気に満ちた姿に、沙紀は恐怖を感じるのでした 。
まとめ【60点の夫婦でいいのに】7話を読んだ感想
第7話は、まさに圧巻の一言に尽きます。これまで積み重ねられてきた全ての伏線が、マンション総会という最高の舞台で見事に繋がり、カタルシスの大洪水となって読者に押し寄せてきました。
沙紀と宗一郎が連携し、音声、写真、動画、そして証言と、あらゆる証拠を駆使して不倫カップルを追い詰めていく様は、さながら一流の法廷ドラマを見ているかのようで、一瞬たりとも目が離せませんでした。特に、これまで虐げられてきた沙紀が、冷静沈着に、しかし確かな怒りを込めて二人を断罪していく姿には、もはやかつての弱い主婦の面影はなく、復讐の女神そのものでした。
自分たちが他人を評価し、見下すために使ってきた「点数」という言葉で、そっくりそのまま断罪される「あなたたちは0点です」というセリフは、この物語のテーマを見事に集約した、忘れられない名言だと思います。
しかし、物語は単純な勧善懲悪では終わりません。ラストで見せた円佳の狂気に満ちた高笑いは、彼女が完全に壊れてしまったことを示すと同時に、このままでは終わらないのではないかという不気味な余韻を残します。彼女の狂気が、次に何を引き起こすのか。最後の最後まで読者の心を鷲掴みにする、見事な構成に脱帽しました。
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